履歴書の退職理由に「一身上の都合」と書いて良いかどうか、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
「一身上の都合」とは、自己都合で退職する際に使用します。
具体的には、転職や起業、結婚、介護など会社都合ではなく、あくまでも自己都合の場合です。
この記事では、「一身上の都合により退職」と書けるケースと、書かないほうが良いケースを解説しています。
これから履歴書の職歴欄を書こうとしている人は、参考にしてみてください。
目次
履歴書に「一身上の都合により退職」を使える・使えないケース
「一身上の都合により退職」の使用の可否を、以下3事例にて解説します。
- 自己退職の場合
- 会社都合の場合
- 契約満了の場合
自己退職の場合
自己退職の場合は、「一身上の都合により退職」を使えます。
自己退職に該当する事例は、以下のとおりです。
- 転職する
- 起業する
- やりたい仕事ではない
- 体調を崩して仕事ができない
- 介護のため仕事ができない
- 休みが少ない
- 残業が多い
- 給料が安い
- 人間関係が悪い
- 福利厚生が悪い
- 懲戒解雇
上記のような理由で退職しても、履歴書に退職理由を詳しく書く必要はありません。
退職年月と「一身上の都合により退職」と書けば十分です。
会社都合の場合
会社都合による退職では、「一身上の都合により退職」とは書けません。
会社から求められる、または会社に原因がある退職が会社都合となり、以下のような事例が挙げられます。
- 会社の倒産
- リストラ
- 解雇(自分に非がない場合)
- 賃金の大幅な減額や未払いによる離職
- ハラスメント被害による離職
- 希望退職制度利用
上記のような場合は、「会社都合退職」となります。
履歴書には、退職年月と「会社都合による退職」と書くのが一般的です。
契約満了の場合
契約満了の場合は、自己都合にも会社都合にも当てはまりません。
雇用期間が決まっている有期雇用の場合は、契約期間満了時に契約延長をせずに退職すると「雇止め」となります。
「雇止め」のケースでは、履歴書には退職年月と「契約期間満了のため退職」と書くのが一般的です。
ただし、契約期間満了前に退職した場合は自己都合退職となり、「一身上の都合により退職」と書きます。
一身上の都合であっても「退職理由」を履歴書に書くべきケース
自己都合退職でも、退職理由を履歴書に書いたほうが良いケースもあります。
該当する事例は、以下のとおりです。
- 「一身上の都合」による退職が多いとき
- 働いていない期間が長いとき
- 業種や職種が一貫していないとき
それぞれの理由を見ていきましょう。
「一身上の都合」による退職が多いとき
「一身上の都合」による退職が2回以上ある場合には、退職理由を書いたほうが良いでしょう。
退職や転職が複数回あると、これから応募する企業から「またすぐに辞めてしまうのでは」と疑われて、採用に不利になる可能性があるためです。
「一身上の都合」ではなく、退職理由を簡潔に示すことで、採用にマイナスになりそうな点を少なくしておきましょう。
また、「給料が安い」や「評価されない」などネガティブな理由の場合は、「キャリアアップのため」や「新たな挑戦のため」などポジティブな理由に置き換えることをおすすめします。
働いていない期間が長いとき
働いていない期間が長いときも、「一身上の都合により退職」のみを記載するのは避けましょう。
ブランクが長いと「社会復帰に時間を要するのでは」「働く意欲があまりないのでは」と思われて、採用に不利になる可能性があるためです。
働いていない期間が長いときには、退職理由を「病気療養のため退職」や「語学留学のため退職」など具体的に書いたほうが、採用にマイナスとなりそうな点を減らせるでしょう。
業種や職種が一貫していないとき
業種や職種に一貫性がない場合も「一身上の都合により退職」は使用しないほうが良いでしょう。
「一身上の都合により退職」とだけ記入すると、応募する企業から「仕事の経験やスキルが不十分なのでは」と思われてしまう可能性があるためです。
業種や職種が一貫していないときは、各職種について職務経歴書で詳しく書き、履歴書には退職理由を明記することをおすすめします。
「一身上の都合により退職」を正しく使用して履歴書の職歴を完成させよう
自己都合退職の際には、履歴書への記載は「一身上の都合により退職」を使用可能です。
しかし、「一身上の都合により退職」とだけ書いてしまうことで、採用担当者から不安感や不信感をもたれてしまう可能性があるケースには、退職理由を書くことをおすすめします。
「一身上の都合により退職」を正しく使用して、履歴書の職歴を完成させましょう。