正社員でありながら手取り収入を増やしたいと考え、アルバイトの掛け持ちを考える人もいるでしょう。
この記事では正社員とアルバイトの掛け持ちについて解説します。
多くの会社で掛け持ちがNGとされる理由や、掛け持ちする際の注意点も紹介しているので参考にしてください。
目次
正社員とアルバイトの掛け持ちがOKかどうかは会社による
正社員とアルバイトの掛け持ちを規制する法律はないため、正社員をしながらアルバイトをしても法律違反にはあたりません。
しかし、厚生労働省が定めたガイドラインには、以下の記載があるので注意が必要です。
(1) 労働者は、副業・兼業を希望する場合にも、まず、自身が勤めている企業の
副業・兼業に関するルール(労働契約、就業規則等)を確認し、そのルールに照
らして、業務内容や就業時間等が適切な副業・兼業を選択する必要がある。
上記のとおり、副業や兼業の場合は会社のルールに照らすべきとされているので、アルバイトと掛け持ちをする際は勤務先の就業規則の確認が必要です。
就業規則で副業や兼業が認められている場合は、上司に相談のうえで行いましょう。
正社員とアルバイトの掛け持ちが禁止される理由
会社のなかには、正社員がアルバイトを掛け持ちすることを禁止しているケースもあります。
会社が社員の兼業や副業を禁止する理由は、兼業や副業の労働が本業に支障をきたす可能性があるためです。
正社員とアルバイトとの掛け持ちとなれば、その分労働時間が長くなり、体調不良などを引き起こす可能性も高まります。
会社側は社員のアルバイトを含めた労働時間を把握しにくくなるので、適切な休息を与える判断が難しくなるでしょう。
またアルバイト先が競合他社の場合は、情報漏洩のリスクが高まります。
社員の身体の健康や生産性の低下、リスク管理の難しさなどが禁止される理由です。
正社員とアルバイトの掛け持ちはバレる
正社員とアルバイトの掛け持ちは基本的にバレるので、隠れて行うのはNGです。
ここでは掛け持ちが勤務先に発覚してしまう理由を解説します。
社会保険への加入
正社員とアルバイトの掛け持ちは、アルバイト先での社会保険への加入でバレるケースがあります。
掛け持ちしたアルバイト先で週20時間以上勤務した場合は、たとえアルバイトであっても社会保険への加入が必要です。
正社員をしながら別のアルバイト先でも社会保険に加入すると、正社員として所属している会社にも社会保険への加入と報酬決定の通知書が送付されます。
今いる会社に新たに社会保険に加入した通知書が届くので、兼業していることが発覚してしまうのです。
雇用保険への加入
アルバイト先で週20時間以上勤務している場合は、雇用保険の加入も必須です。
ただし、雇用保険は2か所の勤務先で同時に入ることができません。
したがって、アルバイト先でも雇用保険の手続きを行ってしまうと、正社員として働いている会社側に「雇用保険喪失の手続きが行われていない」という旨の通知が届きます。
会社側が通知を受け取ることで、アルバイトしていることが発覚してしまうのです。
住民税の通知
住民税の通知により、アルバイトの掛け持ちが発覚するケースもあります。
住民税の金額は、前年度の所得をもとに住んでいる市区町村が計算し、決定した額を勤務先に通知する仕組みです。
正社員としての勤務と並行してアルバイトを掛け持ちすると、所得額が上がるので必然的に住民税も上がります。
会社側で支払う給与が変わらないのに他の従業員よりも住民税が多い場合、会社以外に収入を得ていることがバレてしまうのです。
正社員とアルバイトの掛け持ちで無理なくできる職種は?
正社員として勤めている会社が掛け持ちを認めている場合は、本業とは別にアルバイトをしても問題ありません。
ここでは正社員との掛け持ちで無理なくできるアルバイトの職種を紹介します。
スキルがあるならクラウドソーシング
プログラミングやライティングなどのスキルがある場合は、クラウドソーシングがおすすめです。
さまざまなクラウドソーシングサイトには、Webデザインやコーディング、ライティングなど技術を活かせる案件が掲載されています。
一般的なアルバイトとは違い、成果物ごとの報酬となるので、正社員と掛け持ちでも取り組みやすいでしょう。
就業時間の決まりがないので、仕事終わりや本業の休日に取り組むことも可能です。
なかにはアンケートモニターやデータ入力など挑戦しやすい案件もあるので、スキルに自信がない人も探してみましょう。
正社員の副業については、こちらの記事でも解説しているので参考にしてください。
引越しなど土日にできる仕事
正社員との掛け持ちアルバイトは、本業の休日にできる仕事がおすすめです。
引越しやイベントスタッフなどは、本業のない土日に仕事を入れることができるので、正社員とも掛け持ちしやすいでしょう。
配達の仕事では週1日からOKなこともあり、自由に休みを設定できることも多いので取り組みやすいです。
ただし、いずれも体力を要する仕事なので、本業に支障が出ないようにしましょう。
<h3コールセンターなど24時間の仕事
コールセンターやコンビニといった24時間営業されている仕事は、本業の仕事終わりでも取り組みやすくおすすめです。
マニュアルが整っているため経験がなくても挑戦しやすく、アルバイト先が年中無休であれば本業の休日や終業後に働けます。
早朝や夜間は時給も上がるので、短い時間でも効率よく稼げるでしょう。
正社員とアルバイトを掛け持ちする際の注意点
正社員とアルバイトを掛け持ちする際の注意点を解説します。
本業に支障が出ないようにする
正社員とアルバイトを掛け持ちする際には、本業に支障が出ないように注意が必要です。
そもそも厚生労働省が発表しているガイドラインでは、副業や兼業は業務に支障が出ないように労働者自身が管理する必要がある旨が記載されています。
(2) (1)により副業・兼業を行うに当たっては、副業・兼業による過労によっ
て健康を害したり、業務に支障を来したりすることがないよう、労働者(管理監
督者である労働者も含む。)が、自ら各事業場の業務の量やその進捗状況、それ
に費やす時間や健康状態を管理する必要がある。
アルバイトと掛け持ちする際は、本業が疎かにならないよう仕事量を調整して、無理のない範囲で行いましょう。
体調管理に気を配る
収入を上げるために労働時間を増やし、体調を崩してしまっては本末転倒です。
特に休日に体力を使うアルバイトをする場合は、身体の疲れが抜けないまま本業に向かうこともあるでしょう。
休日にしっかりと疲労回復ができないと生産性が下がるだけでなく、病気や怪我のリスクもあるので注意が必要です。
睡眠時間を削ってまで夜間のアルバイトを掛け持ちすることなどは、身体を壊してしまう可能性が高まるのでおすすめできません。
自分の体調を最優先に、掛け持ちのアルバイトを選びましょう。
情報管理に気を付ける
会社員とアルバイトを掛け持ちする際は、本業とアルバイトのどちらの情報も外部に漏らしてはいけません。
情報漏洩は法律に触れる可能性もあるので、秘密保持違反になるような行動は起こさないように注意しましょう。
雑談の範囲であっても情報漏洩は処罰の対象になる可能性があるので、本業とアルバイト先のことはむやみに話さないことが大切です。
正社員とアルバイトの掛け持ちは会社に相談してから始めよう
正社員として働きながらアルバイトを掛け持ちすることは、法律上問題ありません。
しかし、会社によって就業規則が違い、厚生労働省によるガイドラインでも就業規則に則る旨が記載されているので、事前に確認が必要です。
また、就業規則上問題がなくても、業務量を把握し調整しやすいよう、事前に会社側に相談しておくことが大切です。
上司に相談したうえで、取り組みやすいアルバイトを探しましょう。