「自己PRでコミュニケーション能力をアピールするにはどうしたら良いか知りたい」
「コミュニケーション能力だけじゃだめって本当なの?」
就職活動時に履歴書や面接の自己PRで、コミュニケーション能力をアピールしたい人は多いでしょう。
しかし、単に「私はコミュニケーション能力が強みです」と言っても、面接担当者には響きません。
今回は、自己PRでコミュニケーション能力を強くアピールする方法と、就活者別の例文を紹介しています。
就職活動中で自己PRの作成に悩んでいる方は参考にしてください。
目次
自己PRの「コミュニケーション能力」には3種ある
自己PRでコミュニケーション能力をアピールポイントとするのは効果的です。
なぜなら、企業は「コミュニケーション能力のある人」を求めている場合が多いからです。
ただし、面接で「コミュニケーション能力があります」と言っただけでは、信憑性に欠けるうえ、どのようなところが強みなのかが具体的に伝わりません。
コミュニケーション能力を細かく分け、どの分野で優れているのか説明する必要があるのです。
コミュニケーション能力を構成する能力は、大きく以下の3つに分けられます。
- 傾聴力
- 伝える力
- 連携力
上記3点について詳しく説明していくので、自分のコミュニケーション能力はどれが優れているのか判断してみてください。
傾聴力
傾聴力とは、相手が話したい本当の内容を聞き出す力です。
ただ呆然と話を聞くだけでは、本当に話したい内容を引き出すのは難しく、相手の真意がわかりません。
表情や目線を観察したり、声のトーンを確認したり、話しやすい雰囲気を作ったりしながら、本音を引き出す必要があります。
こうした傾聴力は、社会人であれば社内でも社外でも求められるものです。
上司の指示や先輩からのアドバイスをしっかり聞けば、自分の仕事に活かせます。
取引相手の悩みや依頼を聞き漏らさず拾い上げ、適切な回答を用意できれば、会社の利益に貢献できます。
話し手の意図や感情をしっかりと理解できる方は、傾聴力に優れているといえるでしょう。
伝える力
どのように話せばよりわかりやすいか、問われた内容にきちんと答えられるかどうかがわかる人は、伝える力がある人です。
相手の理解力に応じて言葉を選び、一度で伝わるように工夫しながら話すことができればスムーズに物事が進みます。
具体的にいえば、以下の話し方ができるかどうかです。
- 専門用語や一般的ではない用語を使わずに言い換えて話せる
- 要点をまとめ、話を伝わりやすく構成できる
上記2点ができていれば、自分の伝えたい内容をしっかりと相手に伝えられるでしょう。
また、社会人は立場の異なる方と話す機会も多いため、話し方・伝え方を相手に合わせて変えなければなりません。
相手によって表現を変え、自分の意志を正しく伝えられる方も、伝える力が高いといえます。
連携力
仕事は一人だけで完結できず、同僚や他の部署の人、場合によっては他社の人と一緒に作業する機会が多くあります。
社会人として働くには、他人と連携を取り仕事をこなせる力が重要です。
連携を取るためには、情報の共有や仕事相手との良好な関係構築に向けて、努力する必要があります。
他人に頭を下げて頼みごとをするのが嫌だとか、自分一人で全部できると抱え込むなど、一人よがりな行動をする人は連携力があるとはいえません。
仕事では、会社の利益を上げるために結果を出すのが目的と理解し、他部署の人や他社の方とともに業務を遂行できる能力が必須です。
普段から密な報連相を心がけ、周囲の方から好印象を持たれるよう、他者に対する態度・姿勢に気を配れる人は連携力が高いといえます。
自己PRでコミュニケーション能力をアピールする方法
自己PRでコミュニケーション能力をアピールする方法を紹介します。
コミュニケーション能力をアピールする方法は以下のとおりです。
- 3種のうちどのコミュニケーション能力が強みなのか明確にする
- 最初に結論を伝える
- 具体的なエピソードを盛り込む
- 応募先の企業でどのように活かすか伝える
各項目について詳しく説明していきます。
自己PRについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
3種のうちどのコミュニケーション能力が強みなのか明確にする
自己PRでコミュニケーション能力をアピールするためには、先で説明した3種の能力のうち、どれが自分の強みとマッチしているのか判断する必要があります。
単純に「コミュニケーション能力がある」と言っても面接官には響きません。
傾聴力、伝える力、連携力のどれが自分の強みかがわかれば、具体的なエピソードを選択でき、説得力のある自己PRになります。
面接官を納得させられるだけの自己PRを作るために、最初にするべき作業です。
最初に結論を伝える
自己PRを面接官にアピールする際には、最初に「自分のアピールポイントは〇〇です」と伝えましょう。
具体例を挙げると以下のとおりです。
「私のアピールポイントは、相手に合わせて伝え方を変えられるコミュニケーション能力です」
上記のように、どのようなコミュニケーション能力なのかまで、わかりやすく伝えましょう。
最初に結論を伝えると、何について話しているのかを早い段階で理解できるため、面接官も話が聞きやすくなります。
具体的なエピソードを盛り込む
冒頭で自分のアピールポイントを明確にしたら、それを裏付けるエピソードを添えましょう。
根拠となる部分がなければ信用は得られません。
実体験に基づく強みとしてアピールすれば、聞き手は納得でき、信用も得られます。
エピソードの内容はアルバイトやサークル活動、前職での経験など、なんでも良いでしょう。
ただし、面接時に深掘りした質問をされてもスムーズに答えられるように、どのように感じ、考え、工夫したかなどをはっきりと覚えているエピソードにしましょう。
応募先の企業でどのように活かすか伝える
最後に、応募先の仕事でアピールポイントをどのように活かすか、具体的に書きましょう。
面接官は単にコミュニケーション能力が優れている人を採用したいのではなく、会社に入社して利益を上げてくれる人を採用したいのです。
そのため、「私は入社したらこのような仕事に強みを活かして貢献できる」と伝える必要があります。
例えば、以下のような内容です。
「私は傾聴力を活かし、顧客の悩みや要望を拾い上げ、顧客の満足できる提案をしていきたいと思います」
上記の例を参考に、応募先企業でのコミュニケーション能力の活かし方を考えましょう。
【就活者別】コミュニケーション能力の自己PRの例文
コミュニケーション能力の自己PR文がなかなか書けない方のために、例文を紹介します。
就職者の状況によっては書ける内容に違いがあります。
高校生、大学生、転職者別に紹介していくので、自分の状況と近い例文を参考にしてください。
【高校生】コミュニケーション能力の自己PRの例文
高校生向けの自己PRの例文を、3種類のコミュニケーション能力別に紹介します。
【高校生】傾聴力の例文
高校の課外活動の一環で、ニュージーランドに一週間語学研修に行きました。
ニュージーランドの主要言語は英語なので、英語で会話できなければコミュニケーションが取れません。
私はあまり英語が得意ではなかったので、当初はスムーズな会話ができませんでした。
しかし、相手の話している内容を少しでも理解しようと、話しかけてくれる人の言葉に耳を傾け続けると少しずつ英語に慣れ始め、現地の方から人の話を真剣に聞こうとする姿勢が素晴らしいと褒めて貰いました。
言語が違っても、真剣に話を聞こうとする姿勢や気持ちは相手に伝わると実感し、ビジネスにおいても重要だと考えるようになりました。
入社後は即戦力として働けませんが、先輩からの教えを傾聴し一日でも早く一人前になれるよう頑張ります。
【高校生】伝える力の例文
高校では野球部に所属しており、先輩たちが行っている練習は効率が悪いため、もっと効率良くできる方法があると先輩に提案したことがあります。
しかし、先輩たちは私が相談した際に怒り、相手にしてもらえませんでした。
担任の先生にこの件を話すと、以下のアドバイスを貰いました。
● 先輩に対する伝え方と同級生、後輩に対する伝え方を変える
● 練習効率に焦点を当てるのではなく、「練習方法を変えれば試合に勝てる」という方向で伝える
後日、先輩に練習方法を変えることで部員の打撃力が向上し、試合で勝つ確率が上がるとプレゼンすると私の意見が採用されました。
この経験で、立場が上の人に対する伝え方と立場が同等もしくは下の人に対する伝え方は変える必要があることや、同じ内容も相手に合わせて表現を工夫することでより伝わりやすくなることを学びました。
社会人として働く際は、常に立場を考慮した伝え方が必要です。
入社後は伝え方に十分注意し働きたいと思います。
【高校生】連携力の例文
高校では専門教科の実習があり、担任が割り振った班で活動します。
必ずしも普段仲の良い人と一緒になるわけではないため、あまり話さない人とも組みます。
普段会話しない人と一緒に実習を行わなければならないので、最初は連携が取れずスムーズに課題をこなせませんでした。
しかし、班員に積極的に話しかけ自分の考えを伝えると、私の考えに協力してくれて課題をクリアできました。
私が実習で学んだのは、一つの目標をクリアするためには積極的な会話が必要であり、大事なのはお互いの協力と連携力であることです。
その後、班員の入れ替えがあり再び話した経験のない人と一緒になりましたが、積極的に話しかけ協力を依頼するようにしました。
実習で身につけた連携力を御社でのものづくりでも活かし、売上向上に貢献したいと思います。
【大学生】コミュニケーション能力の自己PRの例文
大学生向けの自己PRの例文を、3種類のコミュニケーション能力別に紹介します。
アルバイトやサークル活動、ゼミ活動でのエピソードを選択すると、差別化しやすいでしょう。
【大学生】傾聴力の例文
大学でテニスサークルに所属しており、サークル内の最高学年になった際、サークル方針を決めるミーティングでなかなか結論が出ませんでした。
理由は、去年同様楽しくテニスをしたい人たちと、大会に出場して勝ちたい人たちで意見が分かれたからです。
私はお互いの意見を詳しく聞くために、一人ずつ自分の意見を言ってもらいました。
結果、譲れない点はなんなのか、妥協できる点はどこなのかを探し、両方の言い分を含んだ解決案を導き出すことができました。
場にいる全員の意見をじっくり聞き、問題解決に導ける傾聴力は、御社に入社後も業務に役立つと考えています。
お客様の抱えている不安や悩みを丁寧にヒアリングし、お客様の状態に対して適切な化粧品を提供できる販売員として活躍いたします。
【大学生】伝える力の例文
私はショッピングセンターで、スマートフォン販売のアルバイトをしていました。
スマートフォン売り場に来られるのは、操作に詳しい若い世代の方から、操作に詳しくない高齢者の方まで幅広いお客さまです。
そのため、若い世代の方に説明する際の伝え方と、高齢者の方に説明する伝え方を変えていました。
高齢者の方に対しては、契約内容や料金プランを難しいととらえている方が多いため、図やグラフを使用して説明したり、実際に毎月の支払い料金のシミュレーションを行ったりと、工夫しながら説明しました。
こうしたアルバイトで培った伝える力を活かし、御社ではお客様一人ひとりに納得して購入していただけるような商品説明を行いたいと考えています。
【大学生】連携力の例文
ゼミでの卒業論文の作成時に、どうしても人手が足りず論文の提出が間に合いそうにないことがありました。
その際、他のゼミ生の進捗状況を確認し、悩んでいる所や人手が必要な所をゼミ生同士で協力しようと声かけを行い、提出期限までに全員無事提出できました。
お互いに助け合いながら作業して、困難を乗り越える経験となったのです。
仕事をするうえでもチームワークを大事にし、協力して目標を達成する姿勢は必要です。
御社に入社後も協調性を重視しながら働き、会社に貢献してまいります。
【転職者】コミュニケーション能力の自己PRの例文
転職者向けの自己PRの例文を3種類のコミュニケーション能力別に紹介します。
転職者の方は、学生にはアピールできない前職での経験からエピソードを選択すると差別化しやすいです。
【転職者】傾聴力の例文
以前は看護師として病院に勤めており、さまざまな年代の方と接してきました。
すべての患者さんが自分の症状を的確に表現できるわけではないので、どのような症状で何が辛いのかを聞き洩らさないように心がけていました。
診察終了後の患者さんから、「〇〇さんは親身になって対応してくれるね」と褒めていただいた経験もあります。
看護師として働きながら身につけた傾聴力は、御社のコールセンターで役立てられると思います。
私の傾聴力をコールセンタースタッフとして、電話先のお客様の悩みや不安の解消に活かしたいです。
【転職者】伝える力の例文
話し相手に応じて伝え方を変えられます。
現職は電子機器の修理メンテナンスです。
お客様の元で商品の修理を行い結果説明をする際に、機械の知識がない方にでもわかるような説明をしています。
専門用語を使って説明すると機械に詳しくない方には伝わらないため、他の言い方を考え主旨がずれないようにしています。
今では誰にでもわかりやすい伝え方で話すことが可能になりました。
この強みは、御社の仕事で活用できると考えています。
御社では営
【転職者】連携力の例文
現在働いている会社では、私が所属する営業部と製造部が一丸となって業務にあたっています。
営業部が取引先から仕事の依頼を受け、依頼内容を製造部に報告しますが、製造過程で取引先への連絡・相談が必要な場合、橋渡しは営業部が行います。
私が業務中に心がけていたのは「端的で迅速な報連相を行う」ことです。
納期に影響があってはならないため、取引先と製造部への報連相は迅速に行わなければなりません。
直接会って報告するのが難しい場合、遅くても1時間以内には電話で連絡しています。
また、話が長くなると大事な部分がわからなくなるので、簡潔にまとめて伝えています。
御社に入社後も密な報連相を行い、職場での連携力を意識しながら業績アップに貢献していく所存です。
自己PRでコミュニケーション能力をアピールする際の注意点
自己PRでコミュニケーション能力をアピールする際には、伝え方も工夫すべきです。
伝え方を間違えると、口頭でコミュニケーション能力をアピールしているにも関わらず、実際にはコミュニケーション能力が低いのではないかと思われてしまう可能性があります。
非言語的能力も活用し、コミュニケーション能力の高さを伝えましょう。
非言語的能力は言葉を使用しないコミュニケーション能力で、ノンバーバルコミュニケーションともいいます。
面接中の表情や相づち、視線の動きといった非言語的能力の観点からも、より良い伝え方を模索しましょう。
言葉を使用しないコミュニケーション能力の一例を、以下に挙げます。
- 表情
- 視線
- 姿勢
- 身振り手振り
- 声のトーン
- 服装
非言語的能力では言葉を使わずに意志や感情を相手に伝えたり、相手の自分に対する印象を変えられます。
また、話し相手の表情や声のトーンなどから、言葉に表されていない感情を読み取ることもできるので、面接時は表情や姿勢、視線を意識する必要があります。
非言語的能力を上手に使えれば、面接時に傾聴力や伝える力が高いと面接官に感じ取ってもらいやすいでしょう。
自己PRでコミュニケーション能力をアピールするなら具体的に伝えよう
自己PRでコミュニケーション能力をアピールしたいなら、適切なアピール方法で行いましょう。
コミュニケーション能力は企業からの需要が高い強みですが、適切な方法でアピールしなければ説得力のない自己PRになります。
自分のコミュニケーション能力は傾聴力・伝える力・連携力のうちどれに該当するのか判断し、自己PRを作成しましょう。
具体的なエピソードを添えて、入社後の強みの活かし方でまとめれば、面接官に強くアピールできます。
自己PRがどうしても作れない方は、例文を参考にしてみてください。