50代で退職を考えている人のなかには、退職後の再就職に不安を抱えている人も多いでしょう。
50代の再就職は難しいですが、不可能ではありません。
本記事では、50代の再就職を成功させるためのポイントや、その際に必要なスキルなどについて解説します。
目次
50代からの再就職は難しいが不可能ではない
50代からの再就職は、若い世代に比べると難しい傾向ですが、不可能ではありません。
ここでは、50代の再就職の現実と、転職しやすい職種・雇用形態について紹介します。
50代の再就職の現実
50代での再就職が難しい理由の一つが、求人数の少なさです。
ハローワークや大手求人サイトを確認すると、20代や30代に比べて、50代の求人数は大幅に少ないことがわかります。
また、年功序列の考え方が根強い日本においては、50代を雇うにはそれなりの給与を用意しなければならない傾向があることから、採用を敬遠する企業も少なくありません。
一方で、少子高齢化の影響により、近年は50代の転職者数が増加傾向にあります。
総務省が公表している労働力調査によると、45歳〜54歳の転職者数は、2013年から2022年までの10年間で、40万人から52万人にまで増加しました。
簡単に再就職できると考えるのは危険ですが、諦める必要はないでしょう。
転職しやすい職種・雇用形態
50代での再就職は、即戦力であることを求められやすいため、経験のある職種を選ぶほうが成功しやすい傾向にあります。
とはいえ、なかには未経験の職種に挑戦したい人もいるでしょう。
50代の人が未経験でも転職しやすい職種には以下のようなものがあります。
- 介護・福祉職
- タクシー運転手
- トラック運転手
- 自動車メーカー
- 清掃員
- 警備員
また、50代になると正社員の求人は特に数が減るため、雇用形態にこだわり過ぎないことも大切です。
50代の再就職を成功させる方法
50代の再就職を成功させるためのポイントとして、以下の4つを紹介します。
- 人脈を活かす
- 経験・スキルを整理する
- 需要の高い会社・仕事を探す
- 待遇を譲歩する
人脈を活かす
これまでのキャリアで積み重ねてきた人脈がある場合は、再就職をめざすうえでの武器になります。
過去に仕事上の付き合いがあった企業や担当者であれば、自身の仕事ぶりを理解しているため、スキルや経験をアピールした際に伝わりやすいでしょう。
豊富な人脈は、20~30代では得ることが難しい強みです。
持っている場合は積極的に活用していきましょう。
経験・スキルを整理する
50代での再就職は、20代や30代とは異なり、将来性よりも即戦力であることが求められます。
経験やスキルをとおして即戦力であることをアピールできれば、早期の再就職にもつながりやすいでしょう。
ただし、経験豊富な50代ともなれば、面接や書類選考の場面でキャリア全体を紹介してしまうと、冗長になりがちです。
再就職後に活かしやすいものや、特筆しているものだけに絞ることがポイントです。
需要の高い会社・仕事を探す
求人数が少ない50代の再就職では、自分の希望をすべて叶えることは難しいかもしれません。
自身の経験が活かせる職種や、人手不足の職種など、需要の高い仕事に絞って探すことで、再就職を実現しやすくなります。
また、50代を積極的に探している会社をターゲットにしても良いでしょう。
ベンチャー企業や中小企業では、経験豊富でスキルを持ったベテランを必要としているケースがあります。
待遇を譲歩する
再就職先がなかなか決まらない場合は、いくつかの条件を譲歩する必要があるかもしれません。
50代はそもそもの求人数が多くありませんから、年収や勤務地、雇用形態などに強くこだわると、さらに選択肢を狭めることになります。
とはいえ譲歩しすぎると、再就職後に後悔するおそれもあります。
自分にとって、譲れない条件、譲れる条件をしっかりと考えておきましょう。
50代の再就職に必要なスキル
50代の再就職に必要なスキルとしては、次のようなものがあります。
- 柔軟さや謙虚さを持ったコミュニケーション能力
- マネジメント能力
- これまでの経験を活用した即戦力スキル
それぞれ見ていきましょう。
柔軟さや謙虚さを持ったコミュニケーション能力
50代の再就職では、柔軟でコミュニケーション能力の高い人材が好まれます。
自分よりも年下の人が上司になる場合や、前職までとは異なる仕事の進め方を求められた場合も、謙虚に受け入れる姿勢が欠かせません。
また、再就職先の若手社員が居心地の悪さを感じないよう、適切かつ積極的にコミュニケーションを取る必要があります。
マネジメント能力
50代に求められるスキルの一つに、マネジメント能力があります。
特にスキルや経験を買われて採用された場合は、若手社員の育成も期待されることが多いでしょう。
また、マネジメント経験は、職種や業種が違っていても活かしやすい傾向にあります。
これまでの経験を活用した即戦力スキル
50代の採用に積極的な企業は、即戦力として活躍できるスキルや経験を求めています。
20代や30代の人材は、50代よりも低コストで採用でき、長期間働いてくれることが期待できますが、入社後にある程度の教育が必要になるケースが多いでしょう。
しかし経験を積んだ50代であれば、採用してすぐに第一線での活躍が期待できます。
逆にいえば、スキルや経験が応募先の需要と一致していなければ、好条件での採用は難しくなるのです。
しっかりと対策して50代からの再就職を成功させよう
50代からの再就職は、20代や30代と比べると求人数も少なく、難しいのが現実ですが、不可能ではありません。
また、近年は50代の転職件数が増加傾向にあります。
自身のスキルや経験をうまくアピールする、需要のある職種を狙うなどのポイントをおさえることで、50代でも再就職を成功させることは可能です。