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契約社員は契約途中に退職できる?退職可能なケースや理由について紹介

契約社員とは、働く期間を定めて企業と契約を結ぶ雇用形態です。
契約期間満了のタイミングで更新または退職となるのが一般的ですが、事情があって契約期間内に辞めざるを得ない状況になるかもしれません。
契約社員として働き始めた場合、途中で退職は可能なのでしょうか。

この記事では、契約社員が契約期間の途中でも退職できるケースや理由を解説します。
契約途中で辞める際の注意点も、あわせてチェックしておきましょう。

【契約社員】契約期間途中の退職は原則不可能

【契約社員】契約期間途中の退職は原則不可能

契約期間中に契約社員が退職することは、原則不可能です。
契約社員は雇用期間を定めたうえで契約を結んでおり、契約に双方が合意して業務をしている以上、一方的に打ち切ることはできません。

正社員をはじめとする無期雇用契約の場合は、労働基準法で「2週間前に退職の意思を会社に伝えることでいつでも退職が可能」と定められています。
しかし、有期雇用契約にあたる契約社員にはこのルールは当てはまらないため、注意しましょう。

民法628条では、以下のように定められています。

当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合において、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う。

出典:民法 | e-Gov法令検索 第六百二十八条

派遣社員側の過失で契約期間途中に退職する場合は、上記にもあるとおり、会社側から損害賠償を請求されてしまう可能性もあります。

契約社員でも途中で退職が可能なケース

契約社員が契約途中で退職することは原則できませんが、以下のケースに当てはまる場合は退職が認められます。

  • 退職の合意が取れた場合
  • 契約から1年以上経過している場合
  • やむを得ない事情がある場合

それぞれどのようなケースが想定されるのか、具体的に見ていきましょう。

退職の合意が取れた場合

会社側に退職を相談したうえで合意が取れた場合は、契約期間途中であっても辞めることが可能です。
退職を悩んでいる場合は、まず「相談」という形で上司や人事に話してみましょう。
事情や気持ちを汲んで、退職を認めてくれるかもしれません。

ただし、退職理由によっては会社側が契約期間中の退職を認めない可能性もあります。
必ず認めてくれるものだとは思わずに、契約違反となってしまうことを念頭に置いたうえで誠意を持って会社に退職の意思を伝えましょう。

契約から1年以上経過している場合

契約から1年以上経過していれば、契約期間中であっても退職が可能です。
労働基準法第137条では、労働契約の開始日から1年以上経過している場合、契約社員からの退職意思表示によりいつでも退職できる旨が定められています。

雇用期間が1年以上の契約を結んでいる方は、契約開始日を確認すればいつの時点で退職が可能になるのかわかるでしょう。
とはいえ、退職が可能なタイミングだとしても、契約期間内の退職であることには変わりありません。
会社側は契約期間満了まで勤務してくれるものだと認識しているため、丁重に退職の意思を伝える必要があります。

やむを得ない事情がある場合

やむを得ない事情で仕事を続けられない場合には、契約期間内での退職が認められます。
この場合のやむを得ない事情とは、以下のような内容です。

  • 病気やケガで働けない
  • ご家族の介護で働けない
  • 契約違反やハラスメントを受けた

このように勤務が難しいと社会的に判断できるケースにおいては、契約期間中であっても即日の退職が認められます。
それぞれ詳しく見てみましょう。

病気やケガで働けない

契約社員である本人が病気やケガで働けず、かつ期間を置いても復職も困難な場合には、契約途中での退職が可能です。
退職を申し出るときには、医師の診断書をもらって会社に提出することをおすすめします。
働けないことを示す有効な根拠となり、退職の話がスムーズに進みやすくなるでしょう。

ご家族の介護で働けない

ご家族が病気になった、あるいは介護が必要になったなどの理由で働けない場合も、やむを得ない事情に当てはまります。
家庭の事情と仕事の両立が難しくなったときには、会社に退職の相談をしてみてください。

会社から、介護の必要性を示す証明書の提出を求められる場合もあります。
医師の診断書や要介護認定の認定結果、介護保険被保険者証などを用意しておくことで、納得してもらいやすくなるでしょう。

一方で、ご家族の介護を理由に退職すると、そのあとの生活で金銭面の負担や社会的に孤立する精神的な負担を感じる場合もあります。
退職を決意する前に、介護休業や短時間勤務など、ほかの選択肢も検討してみましょう。

契約違反やハラスメントを受けた

社内でハラスメントを受けている、残業代の未払いがあるなど、会社側が就業規則に違反している場合もただちに退職が可能です。
セクシュアルハラスメント・パワーハラスメント・モラルハラスメントなどハラスメントにも種類がありますが、行為を受けた人が不快な思いをすればそれは会社が改善すべき問題です。

ハラスメントが理由で退職する場合は、そうした行為を受けたことを証明できるよう、文面をプリントアウトしておく、音声を録音するなどして証拠を残しておくようにしましょう。

【契約社員の退職】何日前までに伝える?

契約社員の辞め方として、まず勤め先の上司に退職の意思を伝えなくてはいけません。
正社員の場合、2週間前には退職の意思を申告するよう法律で定められています。
では、契約社員の退職については、どのタイミングで伝えれば良いのでしょうか。

法律上は1年以上勤務すると即日退職が可能

先述のとおり、契約開始日から1年以上勤務している場合は、法律上いつでも退職が認められます。
即日退職は会社にとっても大きな迷惑がかかってしまうため、基本的には避けるべきです。

しかし、どうしても急に退職しなければいけない状況に陥ったとき、1年以上勤めていれば契約期間中の退職は法律で認められています。

就業規則に従い退職を相談する

基本的には、退職を決めたらまず勤め先の就業規則を確認し、それに則る形で上司などに退職を相談しましょう。
会社ごとの就業規則では、退職の申請期限について社内での十分な引き継ぎができるよう余裕を持った期間が設けられています。

一般的には1~3ヵ月前を目安として、早めに退職を申告するのがベターです。

契約社員でも途中で退職する際の注意点

契約期間途中で退職したい場合は、会社側に納得してもらえるよう誠意を持って話し合うことが大切です。
その際、以下の3点を念頭に置いておくようにしましょう。

  • 退職のタイミングを考慮する
  • 早めに退職を相談する
  • 退職理由を明確にして伝える

ここからは、契約期間途中で退職する際の注意点を解説します。

退職のタイミングを考慮する

契約社員にとって、退職に最適な時期は契約満了時です。
契約満了時までの期間が短い場合は、有給休暇を消化するなど工夫をして、契約満了のタイミングで退職ができるよう可能な限り調整しましょう。
契約満了時での退職が難しい場合は、会社の繁忙期や退職者が多い時期は避けるなど、職場の人にとって負担が少ない時期を選ぶ配慮が必要です。

会社全体が忙しい時期に退職の話をしてしまうと、スムーズに話が進まなかったり、同僚に負担をかけたりなどの状況が考えられます。
急遽退職をしなければいけない事情があるとき以外は、閑散期など落ち着いているタイミングを退職時期として選びましょう。

早めに退職を相談する

契約社員は契約期間満了まで働くことを想定した雇用形態となるため、契約期間中の退職は会社にとってイレギュラーな事態といえます。
このため、突然の退職は会社からすぐには受け入れられにくく、交渉するための十分な時間が必要になるかもしれません。

また、慌てて退職する形になると、業務の引き継ぎに十分な時間が取れず会社に迷惑がかかる恐れもあります。
円満退職をめざすためにも、辞めることが決まったら早めに会社に相談しましょう。

退職理由を明確にして伝える

契約途中で辞める場合、会社に退職を納得してもらわなければいけません。
曖昧な退職理由では納得してもらえない可能性もあるため、やむを得ない事情があるときには伝えられる範囲で、なるべく明確な理由を伝えましょう。

ただし、業務内容が合わないなど会社への不満を理由として伝えてしまうと、担当業務を変えるのでもう少し働いてほしいといった形で引き留めに遭うかもしれません。
個人的な都合で退職を考えている場合には、「別の業界で実現させたい将来のキャリアプランがある」「家業を継ぐことにした」など、ポジティブな理由を伝えるのがベターです。

契約社員の自己都合退職は誠意を持って会社と相談する

契約社員が契約期間途中に退職することは、基本的に認められていません。
ただし、契約開始日から1年以上経過しているか、やむを得ない事情がある場合、退職の合意が取れた場合には契約途中であっても辞めることが可能です。

とはいえ、期間満了まで働いてもらえるものと考えていた会社側にとっては、想定していない事態になります。
もし契約期間の残り日数がわずかで、有給休暇を活用すれば期間満了を迎えられそうな場合には、そのタイミングで退職をしたほうが望ましいでしょう。

それでも働き続けることが難しいときには、会社側の負担を考慮して、できるだけ早めに相談してみてください。

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