正社員からパートになった場合、雇用形態の変化により退職金がもらえるのかどうか疑問に感じる方もいるでしょう。
退職金は法律上の支払い義務がないため、企業によって有無や取り決めが異なります。
退職金のある企業であれば、正社員からパートになる際に退職金がもらえるケースもありますが、支給条件には注意が必要です。
この記事では、正社員からパートになる場合に退職金が支給されるかどうかの確認方法を解説します。
退職金支給の一般的な条件もあわせてチェックしておきましょう。
目次
正社員からパートになる際に退職金をもらえる場合がある
退職金制度がある企業の場合、正社員からパートになる際に退職金をもらえる場合があります。
なぜなら、正社員からパートになる際には雇用契約を一度解除するためです。
いったんは退職した形となることから、退職金制度がある企業に勤めている場合には退職金を受け取れます。
ただし、勤めている会社に退職金制度があることが条件です。
退職金制度は法律で定められているわけではないため、まずは勤め先に退職金制度があるかどうかを確認しましょう。
正社員からパートに変更で退職金がもらえるかどうかを確認する方法
正社員からパートへの変更で退職金がもらえるかを確認するには、以下2つの方法が考えられます。
- 就業規則・雇用契約書を確認する
- 上司に確認する
退職金制度のある企業であれば、基本的には就業規則・雇用契約書で確認が可能ですが、不安な場合には上司などに直接尋ねてみると良いでしょう。
就業規則・雇用契約書を確認する
退職金の有無は、就業規則や雇用契約書で確認できます。
企業が退職金制度を設けている場合には、就業規則に支給時期や計算方法を記載しなくてはならないと法律で定められているためです。
なお、企業によっては退職手当・退職慰労金・退職年金などと表記されている場合もあります。
必ずしも退職金制度という名称が使われているわけではないため、見逃さないように注意しましょう。
上司に確認する
就業規則や雇用契約書を確認しても、退職金制度があるのか確証が持てないケースもあるかもしれません。
わからない場合には、上司または人事部など就業規則や雇用契約書などを管理している人に退職金の有無を確認しましょう。
ただし、上司が就業規則ひいては退職金制度をきちんと把握できていない可能性もあります。
速やかに確認したい場合には、人事部や総務部といった労務関係の部署へ問い合わせると良いでしょう。
正社員からパートになっても退職金が支払われる一般的な条件
会社によって退職金の有無や条件は異なります。
退職金が支給される会社だと、一般的な支給条件となるのは勤続年数です。
例えば、10年以上の勤務を退職金支給の条件とする会社だと、勤務年数さえ満たしていれば、正社員からパートになった場合でも退職金を受け取ることが可能です。
ただし、就業規則の退職金支給の条件に「パート・アルバイトは例外とする」と記載がある場合、パート・アルバイトになってからは退職金を受け取れません。
対策として、パートの契約を結ぶ前に退職金を受け取るか、退職金の計算書をひとまず預けておき、その会社を辞める際に退職金を受け取る方法があります。
正社員からパートになる際に退職金をもらえなくても違法ではない
正社員からパートになる際に退職金をもらえなかったとしても、違法ではありません。
退職金は法定外の福利厚生であり、企業が従業員に必ずしも提供しなければならないものではないためです。
退職金を導入するかどうかは、企業の裁量に委ねられています。
一方で、健康保険・厚生年金といった福利厚生は、企業から従業員に提供するよう法律で義務づけられており、加入要件を満たしているにも関わらず提供されていないなら違法です。
正社員からパートでも退職金をもらえるケースがある
正社員からパートになる場合、退職金の有無や支給範囲は勤め先によって異なります。
退職金がもらえる場合、就業規則や雇用契約書に記載されているのが一般的です。
それらを確認しても正確な内容が把握できないときには、上司や労務関係の部署などに尋ねてみてください。
支給条件を満たしていれば、正社員からパートになった場合でも退職金を受け取れます。
雇用形態を変えることで損をすることのないよう、確認を怠らないようにしましょう。