大学や専門学校、高校を中退した経験がある場合、履歴書にどのような記載をすれば良いのか迷う方も多いでしょう。
また、採用担当者に与える印象を心配し、「中退」と書きたくない方もいるかもしれません。
本記事では、中退経験がある場合の履歴書の書き方について紹介したうえで、中退理由を書くべきケースと、書くべきでないケースについても解説していきます。
目次
履歴書に「中退」は書くべきか
中退の経験がある場合、履歴書には中退したことを原則書かなければなりません。
中退した旨を隠すと、経歴詐称になってしまうためです。
中退を隠すと経歴詐称になる
中退の経験は、履歴書に記載しなければなりません。
記載しなかった場合は経歴詐称になり、あとから明らかになると、採用取り消しや解雇につながるおそれもあります。
また、履歴書には事実を書く必要があるため、実際には中退であるのに「卒業」と記載したり、空欄にしておくことも避けましょう。
採用担当者は経歴を知ったうえで、なぜ中退したのかを知りたいと考えています。
そのため、まずは履歴書にしっかりと事実を書くようにしましょう。
場合によっては中退理由も記載する
中退理由は必ずしも記載しなければならないものではありません。
ただし、場合によっては記載したほうが採用面接者の印象が良くなるでしょう。
ここでは、書いたほうが良い場合と書かないほうが良い場合を紹介します。
書いたほうが良い場合
中退理由を書いたほうが良いのは、やむを得ない理由の場合、またはポジティブな理由の場合です。
やむを得ない理由としては、以下のように、自分に非があるわけではないものがあります。
- 家庭の経済的な理由
- 病気療養
- 介護 など
ポジティブな理由としては、次のようなものがあります。
- 海外留学
- 進路変更 など
中退理由が書かれていないと、採用担当者が勝手に悪い想像を膨らませ、詳しい内容を質問されることなく不採用になるおそれがあります。
そのようなことを避けるために、やむを得ない事情による中退や、ポジティブな理由による中退は、理由を書いておくのがおすすめです。
具体的に説明ができれば、採用担当者にも理解を得られやすいでしょう。
書かないほうが良い場合
中退理由がネガティブな内容の場合は、中退理由を書かなくても問題ありません。
むしろ、具体的に記載することで不採用になるおそれが高まります。
ただし、採用担当者に面接で理由を聞かれることを想定し、できるだけマイナスなイメージにならない答えを用意しておくと良いでしょう。
履歴書への「中退」の書き方
ここからは、「中退」の書き方を具体的に紹介します。
履歴書の「中退」は以下のように学歴欄に記載します。
年 | 月 | 学歴 |
◯◯年 | 4月 | ◯◯高等学校 普通科 入学 |
◯◯年 | 3月 | ◯◯高等学校 普通科 卒業 |
◯◯年 | 4月 | ◯◯大学 文学部 入学 |
◯◯年 | 9月 | ◯◯大学 文学部 中途退学 |
中退は「中途退学」と記載するのが正式です。
基本的に入学は4月、卒業は3月ですが、中退の時期は決まっていないため、中退した月を書きます。
もし中退した月がわからなくなってしまった場合は、学校に問い合わせて正確な時期を確認しましょう。
履歴書への中退の書き方は、大学と短大、専門学校、高校のどの場合でも基本的に同じです。
ただし、高校を中退したときは最終学歴が中卒になるため、学歴欄には中学卒業も記載しましょう。
中退理由の書き方
履歴書に中退理由を書く際には、「中途退学」のあとに()を書き、そのなかに内容を記載します。
書き方の例は以下のとおりです。
- 中途退学(経済的な理由)
- 中途退学(病気療養のため:現在は完治)
- 中途退学(海外留学のため)
履歴書欄は限られており、長い文章は書けないため、簡潔に記載し、具体的な内容は聞かれたときに答えられるようにしましょう。
ネガティブな内容の場合は、採用担当者に好印象を与えられるよう、前向きな理由に変換して答えられると良いでしょう。
中退したことは履歴書にをしっかり記載することが大切
中退経験がある場合、履歴書にはその旨を記載しなければなりません。
中退理由は必ずしも記載する必要はありませんが、やむを得ない事情やポジティブな理由の場合は、書いておくことで不要な誤解を避けることにつながります。