「志望動機に書くことがない」
「何を書いて良いかわからない」
高卒で就活をする人のなかには、上記のような不安を持っている人も多いでしょう。
本記事では、高校生が就活をする際の志望動機について、書き方やポイント、例文を紹介していきます。
目次
【志望動機の例文紹介の前に】企業は高校生の何を見ている?
高卒と大卒では、採用の際に企業が重視するポイントが異なります。
高卒ならではのアピールポイントもあるため、志望動機を書く前に、まず企業が高校生の何を見ているのかを知っておきましょう。
企業が高校生に求めることとは?
企業が高校生を採用する際には、コミュニケーション能力、協調性、生活態度、主体性といったポイントをチェックしています。
特にコミュニケーション能力など、人間関係を築くうえでの基本的なスキルを満たしていることが大切です。
就職すると社内の上司や先輩、取引先、お客様など、さまざまな人と接することになります。
仕事を円滑に進めるため、誰とでも問題なく意思疎通できることが重要です。
一方、学業成績は、あまり重要視されていません。
専門的な知識や技術は入社後に身につければ良いため、上司や先輩の意見を素直に聞き、主体性を持ってチャレンジする姿勢が求められます。
その企業でなければならない理由
たくさんの企業があるなかで、なぜその企業を志望しているのか具体的に理由を伝えましょう。
丁寧に企業分析をし、他社に比べて応募先が優れているポイントや、志望する決め手になったポイントを説明します。
この説明が不十分だと、採用担当者から「他社でも良いのでは」と思われかねません。
下記のように、事業内容や社風など具体的な説明が求められます。
【例文】
- 貴社は業界内で唯一高齢者向けのサービスを展開しており、将来性を感じました
- 貴社のチーム一丸となって取り組む社風に魅力を感じました
競合他社との違いや魅力に感じたことを盛り込みましょう。
やる気・意欲があるか
やる気や意欲があり、企業に貢献できる人材であることを伝えましょう。
高卒の就活では大卒に比べて、知識や技術よりも、意欲などのポテンシャルが求められる傾向にあります。
高校時代の経験とひもづけながら、実現したいことを具体的に伝え、意欲をアピールしましょう。
【例文】
- 飲食店のアルバイトで培ったコミュニケーション能力を、販売の仕事で活かしたい
- 体育祭実行委員会でメンバーと協力しあったことを活かし、経験を積みながら10年後には製造チームのリーダーになりたい
高卒ならではの強みを活かし、やる気や意欲を伝えることが大切です。
求める人物像に適しているか
企業が求める人物像にマッチしていることをアピールしましょう。
自己分析と企業分析の結果がつながっていないと、内容に説得力が生まれないため、自己分析と企業分析の両方が必要になります。
まずは自分の強みと企業の特徴を把握し、それをリンクさせましょう。
例えば、「チームで一つの製品を作り上げることに魅力を感じた」と伝えたうえで「部活で協力し合うことの大切さを学んだ」と自分の強みをアピールすると、なぜ志望したかが論理的に伝わり、説得力のある志望理由になります。
自分がどのような人間なのか、また応募先がどのような人物を求めているのかを把握し、具体的にわかりやすく伝えましょう。
高校生らしい志望動機の例文
志望動機を書くにあたっては、以下の文章構成を押さえておきましょう。
- 結論
- 理由
- 入社後どのように貢献するか
まずは、なぜ応募先企業を志望するのか簡潔に伝えます。
そして、なぜその結論に至ったかを、部活動やアルバイト経験など具体例を交えながら説明しましょう。
最後に、理由を踏まえたうえで入社後どのような活躍ができるかアピールします。
この文章構成を参考にしながら、例文をチェックしてみましょう。
仕事内容に魅力を感じた場合①
【例文】美容業界で、10代向け商品に特化している貴社の事業内容に魅力を感じ、販売員として貴社の商品をたくさんの人に伝えたいと考え、志望いたしました。
私は高校1年生からホームセンターでアルバイトをしており、接客時のコミュニケーションを学んでいます。
商品について質問されることもあり、お客様の希望を聞きながら、特徴を適確に伝えることが大切だと実感しています。
貴社の商品は10代に向けた商品であり、美容に興味を持ち始めたばかりの人には、商品の特徴をわかりやすく説明することがより重要です。
店舗でお客様の悩みを聞きながら、最適な商品を一緒に選べる販売員になりたいと考えています。
仕事内容に魅力を感じた場合②
【例文】地域に密着した不動産サービスを行っている貴社で、営業事務としてサポートをしながら地域貢献がしたいと考えております。
私は高校時代、文化祭実行委員をしており、文化部の展示に関する連絡と管理を主に担当しました。
過去にない取り組みとして、さまざまな部活が共同で作成する展示を企画し、各部活の要望を聞きながら調整を行いました。
実行委員の活動を通じて学んだことは、全員が最大限の力が発揮できるようにサポートすることの重要性です。
貴社では地域に根ざしたサービスを展開しています。
高校時代に身につけた協調性やサポート力を活かし、営業事務として営業活動を支えることで、地域社会にも貢献したいと思い、志望いたしました。
社風に魅力を感じた場合①
【例文】貴社の「福祉を通じて自分らしい生活ができる環境づくりをする」という理念に共感し、志望いたします。
私は、両親が祖母の介護をしていたことから介護の大変さを感じており、高校時代は介護施設への読み聞かせのボランティアとして、老人ホームなどを訪問した経験があります。
ボランティア先で相手の力になれたときに喜びを感じ、また日々の生活に楽しさをプラスすることの重要性を実感しました。
貴社の介護施設は、入居者が自分らしい生活を送れるよう、イベントやレクリエーションが充実しており、興味を持ちました。
ボランティアで学んだ経験を活かしながら、自分らしい生活ができる環境づくりの手助けをし、入居者から信頼される職員になりたいと考えます。
社風に魅力を感じた場合②
【例文】貴社の、全員で意見を出し合って物作りをしていく姿勢に魅力を感じ、志望いたします。
私は高校時代、バスケットボール部でキャプテンを勤め、全員が主体的に活動できるよう、練習メニューのアイデアを持ち寄り、自分たちで内容を考えました。
意見がまとまらないこともありましたが、全員で話し合いながら作り上げて練習を重ね、3年の夏には過去最高の成績である県ベスト8まで勝ち上がりました。
貴社の説明会で、一つの製品を作り上げるにあたって、他部署などの意見も取り入れながら取り組むと伺い、魅力を感じています。
入社後は、お客様が喜ぶ製品を作れるよう、部活動で協力してきた経験を活かしてさまざまな意見を交わしながら業務に取り組みたいと考えています。
履歴書の志望動機は高校生らしい内容でやる気や意欲をアピール
高卒の就活では、中途採用や大卒のように専門的な知識を重視されるわけではありません。
基本的なコミュニケーション能力や、仕事への高い意欲を期待されています。
志望理由では、その企業に入社したい理由を明確に伝えることが大切です。
さらに、企業が求める人物像に適するよう、部活やアルバイト経験などから自分をアピールしましょう。
本記事で紹介した例文を参考にしながら、高校生ならではの、自分らしい志望動機を作成してください。