「正社員として入社したにも関わらず、社会保険に加入できなかった」
「社会保険の未加入は違法ではないの?」
社会人の社会保険について、上記のような悩みを持っている人もいるでしょう。
本記事では、正社員が社会保険なしで働くことが認められるのかどうかを解説したうえで、加入しないことによるデメリットや、加入していない場合の対処法などを紹介していきます。
目次
正社員が社会保険なしで働くことは認められる?
正社員が社会保険なしで働くことは原則認められていません。
また、パート・アルバイトなどの非正規雇用で働く人も、一定の条件を満たす場合は加入が必要になります。
一定の条件に当てはまる会社・従業員は社会保険に加入しなくてはならない
社会保険への加入は、従業員を雇用するすべての会社に義務付けられています。
そこで働く正社員も全員が必ず加入しなければなりません。
ただし、会社が社会保険に加入していても、非正規雇用や時短労働者は、強制加入の対象にならない場合があります。
個人事業所であっても、従業員を5人以上雇っていれば強制加入の対象です。
また、強制加入の対象ではない事業所であっても、従業員の過半数の同意があれば、申請手続きをすることで任意適応事業所となり、社会保険に加入できます。
社会保険の被保険者になれない人とは?
パート・アルバイトなどの非正規雇用で働く人は、以下の条件をすべて満たさない限り、社会保険に加入することができません。
- 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
- 所定内賃金が月額8.8万円以上
- 2ヵ月を超える雇用の見込みがある
- 学生ではない
なお、上記の加入要件は、2022年10月より変更されたものです。
加入条件が変更されたことで、これまで加入の対象ではなかったにも関わらず、加入せざるを得なくなったケースも見受けられるため、非正規雇用で働く人は現在の加入要件を確認しておきましょう。
正社員が社会保険に加入していないとどうなる?
正社員が社会保険に加入していないと、会社側に以下のような罰則が課せられます。
- 6ヵ月以下の懲役、または50万円以下の罰金
- 過去2年間にさかのぼって保険料の徴収
- 従業員負担分の保険料を事業所側が負担する可能性もある
- 延滞金の発生
会社が社会保険に加入していない場合の対処法
自社が社会保険に加入していないことに気付いた場合は、然るべき窓口に相談してください。
早めに相談することで「失業保険を受給できない」「国民年金に加入しなければならない」などの不利益を避けることができます。
社会保険は雇用保険、労災保険、健康保険(介護保険)、厚生年金保険に分けられ、相談窓口もそれぞれ異なります。
各保険の相談窓口は以下のとおりです。
- 雇用保険:ハローワーク
- 労災保険:労働基準監督署
- 健康保険(介護保険):全国健康保険協会(協会けんぽの場合)
- 厚生年金保険:年金事務所、専用電話窓口
ただし、4つの窓口すべてに相談をするのは負担が大きいため、一括で弁護士に相談する方法もあります。
弁護士を探す際には、労働問題に強い弁護士を選ぶと良いでしょう。
正社員が社会保険なしのケースは違法のためただちに対応を
正社員は社会保険への加入が必須となっており、違反すると会社側に罰則が課せられます。
違法に加入していなかった場合、最も不利益を被るのは従業員の側なので、疑問に感じたら然るべき窓口や弁護士に相談を持ちかけましょう。