面接の際、面接官が重視しているポイントの一つが言葉遣いです。
正しい言葉遣いで受け答えができることは、面接官に好印象を与える一つのカギともいえるでしょう。
言葉遣いに間違いが多いと、印象を損ねてしまう場合もあります。
ここでは、面接の際に気を付けたい言葉遣いのポイントやマナー、注意点をまとめました。
就職活動を控えている方、また敬語での話し方に不安のある方はぜひ参考にしてみてください。
目次
面接時の正しい言葉遣い
面接の場において、言葉遣いは面接官の印象を左右する可能性のある大事なポイントです。
正しい言葉遣いをしっかり理解し、使えるようにして面接に臨みましょう。
敬語表現の違いを理解する
敬語には5種類あります。
目上の人に対して使う「尊敬語」、相手を敬い自分の行為を控えめに表現する「謙譲語」(謙譲語Ⅰと謙譲語Ⅱに分類される)、文末を「です・ます」でまとめる「丁寧語」、言葉の前に「お」「ご」を付けて丁寧な言葉にする「美化語」の5つに分類されます。
このうちの謙譲語は、相手または第3者を立てて使う「謙譲語Ⅰ(伺う・申し上げる)型」と、自分の行為を相手に対して丁重に述べる「謙譲語Ⅱ(参る・申す)型」に分けられます。
面接の際は、それぞれの違いをしっかり理解し、正しく使い分けることが重要です。
面接で特に注意したい3種類の敬語を詳しく見ていきましょう。
基本は「です」「ます」の丁寧語を使用
丁寧語とは、「です」「ます」「ございます」などの表現です。
文末を丁寧語で結ぶことにより、聞き手への敬意が表せます。
ビジネスの場では、丁寧語が使用されているため、面接でも丁寧語で話すのが基本中の基本です。
面接官が聞き取りやすいように、語尾の最後まではっきりと発音することを意識 してみましょう。
自分の名前を伝えるときは、「〇〇と申します」、なにか理由を聞かれたら、「〜だからです」と丁寧にわかりやすく話しましょう。
尊敬語と謙譲語を使い分ける
尊敬語と謙譲語の使い分けも敬語の重要なポイントです。
尊敬語とは、相手の動作を自分より高め、相手への敬意を表現する敬語です。
一方謙譲語は、自分の動作を謙遜して相手に敬意を表現する敬語です。
「食べる」は、尊敬語では「召し上がる」、謙譲語では「いただく、頂戴する」となります。
ポイントは、尊敬語は相手の動作に対して使い、謙譲語は自分の動作に対して使うことです。
面接官とのやり取りのなかで正しく使えるように、頻出する言葉の敬語を正しく使い分けられるようにしておく必要があります。
一人称を正しく使う
一人称とは「わたくし、わたし、ぼくら」など、話し手を指します。
面接時に使う一人称は、男女ともに「わたくし」か「わたし」です。
「わたくし」のほうがフォーマルな言い方になります。
面接では無理に「わたくし」を使わなくても、問題はないでしょう。
面接に限らず、仕事の場では頻繁に使う表現です。
ビジネスマナーとして、失礼のない一人称がつねに使えるようにしておく必要があります。
面接時に間違えやすい言葉遣い
志望動機や自己紹介を事前にしっかりと準備していたとしても、説明するときの言葉遣いに間違いがあると、面接官に悪印象を与えてしまうこともあります。
あらためて言葉遣いや話し方を点検してみましょう。
つい使いがちなNG表現
日頃、ご家族・友人間で使っている言葉遣いは、面接の場ではふさわしくない言い方かもしれません。
普段使い慣れている言葉が、失礼な表現ではないかを見直しておくのもおすすめです。
<NG表現>
- 「なるほど」「たしかに」
面接官の言葉に同意する場合は、「おっしゃるとおりです」「はい、そうですね」などを使うと良いでしょう。 - 「ごめんなさい」「すみません」
謝罪の意を示すときは、「申し訳ございません」「申し訳ありません」が適切です。 - 「~になります」
書類などを面接官に手渡すときは、「こちらになります」ではなく「こちらです」と伝えます。
二重敬語
二重敬語とは、一語に対し二重に敬語が使われているものです。
以下の表現は、よくある間違ったフレーズです。
<NG表現>
- おっしゃられて(おっしゃる+れる)
- ご覧になられる(ご覧になる+られる)
- お話になられる(お話になる+られる)
- 拝見させていただく(拝見する+いただく)
二重敬語を多用すると、正しい敬語を知っている聞き手は違和感や不自然さを感じてしまいます。
普段聞きなれている言葉が二重敬語に当たらないか、面接前に一度確認しておくのをおすすめします。
失礼にあたる敬語
多くの人が敬語表現になっていると勘違いしている言葉遣いに、例えば「了解しました」があります。
「わかりました」の敬語表現は「承知いたしました」「かしこまりました」です 。
面接官の要望を受け入れる旨を伝える場合は、こういった表現を使いましょう。
面接時の受け答えのマナーとポイント
おさえておきたい面接時の受け答えのマナーとポイントを紹介します。
活用したい言葉遣い
面接では、緊張して言葉に詰まることがあるかもしれません。
また、面接官の質問の意味が理解できなかったり、よく聞き取れなかったりして困ることがあるかもしれません。
そういうときに役立つのがクッション言葉です。
クッション言葉を活用して、会話をスムーズに進めましょう。
面接官に質問や意見するときは「クッション言葉」を活用
クッション言葉とは、言いにくいことを伝える際、前置きとして添える言葉のことです。
「(たいへん)恐れ入りますが」「申し訳ございませんが」「差し支えなければ」など、シーンに合ったクッション言葉を前置きしてから、言いたいことを言うのが望ましいでしょう。
面接官に突然意見や質問を投げかけると、きつい印象を与えてしまったり、失礼になってしまったりします。
クッション言葉を挟めば、相手への配慮や思いやりを示すことができます。
面接官の質問の意味がわからず聞き返したいとき
面接官の質問の意味が理解できなかったり、緊張して聞き逃してしまったりすることがあるかもしれません。
そのようなときは、素直に聞き返すのが良いでしょう。
聞き返す際は、先ほど紹介したクッション言葉を使うのが基本的なマナーです。
- たいへん恐れ入りますが、○○についてお答えすればよろしいでしょうか?
- 申し訳ございません。緊張してお話を正しく理解できなかったので、たいへん恐縮ですがもう一度質問をお聞きしてもよろしいでしょうか?
あくまでも謙虚に自分に非があることを前提にしてお願いすると良いでしょう。
正しい言葉遣いと話し方で好印象に
正しい言葉遣いで受け答えができていると、面接官への印象が良くなり、会話がスムーズに運びます。
しかし、言葉遣いだけが面接の印象を決めるわけではありません。
声の大きさやトーン、速さにも気を配りましょう 。
面接官が聞き取りやすいように話すことも忘れてはなりません。
「えっとー」「あー」などクセのある話し方に注意
話し始める前や、質問の答えを考えているときに「えっとー」「あー」などを使ってしまう人は、代わりに「はい」「そうですね……」などに置き換え話し始めると良いでしょう。
また、「わたくしはぁー」「○○でぇー」など語尾を伸ばした話し方 や、「〜みたいな感じで」 「っていうか」 などカジュアルな話し言葉は、面接の場にはふさわしくありません。
自分の話し方のクセを知りたい場合は、録音をして確認するのがおすすめです。
事前に自分の話し方のクセを知り、普段から改善していくことが大切です。
面接時の言葉遣いは事前にしっかり確認しておこう
ここまで面接時の言葉遣いについて紹介しました。
正しい言葉遣いは面接対策の基本です。
普段使い慣れている言葉が正しいものなのか、自分の話し方のクセはどのようなものなのか、いまいちど確認し改善していくことが大切です。
面接を成功に導くためにも正しい言葉遣いを身につけ、自信をもって面接に挑みましょう。