正社員の転職活動は、退職を希望する時期の何ヵ月前から始めれば良いのでしょうか。
転職活動を最適な時期に、計画的に進めることができれば、転職先にも現職にも迷惑がかかりにくく、スムーズな転職が可能になります。
本記事では、正社員の転職活動は何ヵ月前から始めれば良いのかを、注意点を交えながら解説していきます。
目次
転職活動を何ヵ月前から始めるか
正社員が円満に転職するためには、各種手続きや現在担当している業務の引き継ぎなど、いくつかの手順を踏む必要があります。
ここでは、転職に向けたスケジュールの組み方について、具体例を交えながら見ていきましょう。
転職準備は現職を辞める何ヵ月前から始めるべき?
転職活動は、早ければ退職希望日の6ヵ月前、遅くとも3ヵ月前には始めましょう。
転職を実現するまでには、求人への応募や選考、現職の退職に向けた手続きなど、多くの過程を経なければなりません。
そのため、はっきりとした転職時期が決まっていない場合も、転職の意思が固いのであれば、はじめにスケジュールを組んでから取り組んだほうが良いでしょう。
転職活動の開始から現職を退職するまでの一般的な流れとしては、下表のようになります。
何ヵ月前から転職活動を始めるのか、決める際の参考にしてください。
スケジュール1(1〜2週間) | ● 転職活動のための事前準備 |
スケジュール2(2〜6週間) | ● 応募する求人を決める ● 履歴書・職歴書の作成 ● 求人へ応募する |
スケジュール3(4〜8週間) | ● 応募企業の選考 ● 内定の獲得 |
スケジュール4(3〜4週間) | ● 退職準備 ● 最終出勤日 |
スケジュール5(2〜4週間) | ● 有休消化 ● 退職 ● 入社準備 ● 入社 |
最初の1~2週間ですべきこと
就職活動を始めてから最初の2~4週間は、下準備の期間です。
この期間では、転職する理由や転職して実現したいことを明確にし、転職活動の軸を作りましょう。
キャリアの棚卸しも併せて行うと、のちの過程で行う履歴書や職務経歴書の作成がスムーズになります。
次の2~6週間で求人に応募する
転職活動の確固たる軸を作ることができたら次の2~4週間で、その軸に即した求人を見つけ出し、履歴書や職務経歴書などの必要書類を揃えて応募します。
必要書類を作成する段階では、自分の強みと企業の需要の一致点を見つけてアピールすることが重要です。
そのためには、企業研究を綿密に行い、企業が求める人材像をはっきりと理解しておく必要があります。
複数の企業に同時並行で応募する場合は、思いのほか時間がかかるかもしれません。
4~8週間で選考を通過し、内定を獲得する
求人に応募したら、次の4~8週間で選考を受け、内定を獲得しましょう。
面接に向けては、志望理由や自己PRといった定番の質問に対する回答を用意しておくことはもちろん、面接本番を想定した模擬面接を重ねていくことで、当日緊張せずに臨めるようになるでしょう。
また、転職活動の面接では、採用された場合にいつから入社できるのかも尋ねられます。
事前にスケジュールをしっかりと組み、引き継ぎや有給消化にかかる日数も想定できていれば、適切な入社可能時期を回答できるはずです。
現職で働きながらの面接対策が難しい人は、4週間よりも長く対策期間をもうけ、万全の体制で面接を受けられるようにしてください。
就業規則の期間に則って退職意思を伝える
会社に退職意思を伝えるタイミングは、原則として就業規則に則りましょう。
多くの企業では退職意思を伝えるタイミングについて「1ヵ月以内」「3ヵ月以内」などの規定を設けているので、規定どおりのタイミングで直属の上司に退職の意思を伝えます。
民法では、退職の意思表示から2週間が経過すれば、雇用契約を解除できるとしていますが、2週間で適切な引き継ぎを行うのは困難であるケースがほとんどです。
「パワハラ・セクハラを受けている」「退職させてくれない」といった問題が現職にあり、円満な退職がはじめから困難な場合は、民法が規定する期間を優先してもかまいませんが、円満な退職をめざすのであれば、就業規則に規定されたタイミングまでに退職の意思を伝えましょう。
入社まで最大何ヵ月待ってもらえる?
転職先の入社日は、相手企業側と自分の退職スケジュールのすり合わせで決まります。
企業側も応募者の状況を把握しているため、ある程度の期間なら入社を待ってもらえるでしょう。
ただし、どのくらいの期間待ってもらえるかは、採用した企業の判断次第です。
正社員で現職の勤務を続けている人は、引き継ぎや手続きに時間がかかるため、1〜2ヵ月待ってくれるケースは珍しくありません。
しかし、3ヵ月を超えると難色を示す企業もみられ、4ヵ月以上待ってもらうのはほぼ無理でしょう。
何かしらの理由があり、2ヵ月超も入社日を待ってもらわなければならない人は、面接で企業側とよく相談してください。
6ヵ月前から転職準備する場合
前述のとおり、転職活動は転職希望日の3~6ヵ月前から始めるべきですが、急ぐ事情がないのであれば、6ヵ月間を目安に長期的なスケジュールを組み、余裕をもって進めるのが理想です。
ここでは、長期的なスケジュールで転職活動に望む際のポイントを紹介します。
6ヵ月以上転職活動にかけるメリット・デメリット
6ヵ月以上の期間を設けて転職活動する場合、企業選びや自己分析に時間をかけられることがメリットです。
現職の退職を最終目標にせず、自分のスキルや経歴を見直し、将来的なキャリアプランを立てて行動すれば、ステップアップにつながるでしょう。
ただし、じっくり時間をかけた転職活動は、メリットばかりではありません。
転職の意思があるにも関わらず、長い時間をかけても転職先が決まらない状況は、短期間でスケジュールを組んだ場合よりも、精神的に追い込まれやすくなる傾向があります。
長期戦覚悟の場合ほど、転職準備はしっかりと
6ヵ月以上の時間をかけた転職活動は、長期戦になるため念入りな事前準備が大切です。
準備をせず、転職活動の軸があいまいなまま応募数だけを多くしても、期待したような結果は得られないでしょう。
長期戦で時間に余裕があるからこそ、じっくりスキルの棚卸しをしたり、転職エージェントを利用してアドバイスを受けたりすれば、満足のいく転職が期待できます。
30代の転職はより慎重に
30代以降の転職活動は、現職で責任のあるポストに就いていたり、家族の理解を得なければならないケースが多く、20代よりも慎重な行動が求められるでしょう。
特に引越しをともなう転職の場合は、家族全員の生活を大きく変えてしまう可能性があるため、事前にしっかりと相談しなければ、あとあとトラブルにつながるおそれがあります。
30代の転職に関する情報は、以下のページでも詳しく解説しています。
転職準備は遅くとも退職の3ヵ月前、理想は6ヵ月前には始めよう
転職活動の開始時期は、事前準備でやるべきことをチェックし、逆算して決めましょう。
遅くとも3ヵ月前に退職の準備を始めるのがおすすめです。
落ち着いて転職活動を進めるのであれば、6ヵ月前から始めるのが理想的です。
転職希望日から逆算し、無理のないスケジュールを組むことがポイントです。