転職を考えるうえで、資格の取得をめざす方もいるでしょう。
しかし、資格を取ろうと考えたときに、数あるなかから転職に活かせる資格を見つけるのは大変な作業です。
そこでこの記事では、業界別に転職に活かせる資格をまとめました。
転職先の業界が決まっていないという方にも参考になるように、どのような職種にも活かせる万能な資格もご紹介しています。
目次
転職における資格の重要性とは?
転職をするときに資格があると、どういったメリットがあるのでしょうか。
ここでは、転職における資格の重要性と、就職活動における有資格者のメリットを解説します。
関連資格の取得で転職が有利に
転職先の職業に活かせる資格(関連資格)があると、転職が有利になる可能性があります。
転職などの中途採用に際して、企業は応募者が即戦力になるかどうかを重視する傾向があるためです。
関連資格を取得することで専門知識の有無やスキルを証明し、能力のアピールが可能です。
未経験者の転職はやる気のアピールに
未経験業界への転職では、転職先の職業に活かせる資格を取得しておくことで、学ぶ姿勢をアピールできます。
また、資格取得により基礎知識が身につくため、未経験の業務でもスムーズに働きはじめることができるメリットもあります。
しかし、必ずしも資格の取得が有利に働くとは限りません。
資格の取得に多大な時間や労力を費やすよりも、面接対策や書類の見直しを行ったほうが効率的に転職を進められるケースもあるため、注意しましょう。
業務独占資格は転職に強い
業務独占資格を持っている人にしかできない業務がある場合、資格の取得は転職に有利に働くでしょう。
また、職種によっては、有資格者が一定数いないと営業できない場合もあります。(必置資格)
例えば、業務独占資格としては、宅地建物取引士や薬剤師、電気工事士などの資格が挙げられます。
これらの資格は、求人に応募する際に「必須条件」や「応募条件」として書かれている場合があり、資格を取得しておくことで転職にも有利となるでしょう。
どの職種でも役立つ万能な資格5選
転職をする際に、業界を問わずどの職種にも活かせる万能な資格があります。
ここで紹介する5つの資格はさまざまな業界で活かせるため、転職を考えるならば取得しておくと良いでしょう。
普通自動車免許
普通自動車免許を取得しておくと、仕事で車を使用する職種に活かすことができるでしょう。
例えば、営業職で取引先の企業までの移動手段が車しかないというケースも考えられます。
また、普通自動車免許が必須となっている職種も存在します。
TOEIC
TOEICは、英語力をアピールするのに役立つ資格です。
グローバル化が進む現代社会では、TOEICの点数を英語力の判断基準にしている企業も多く、点数が高いほど就職活動に有利に働く可能性があります。
英語力が求められる人気業界をめざすなら、TOEICでは600点以上を狙うと良いでしょう。
ファイナンシャルプランナー(FP)
ファイナンシャルプランナーは、資金計画を立てるスキルがあることを証明する資格です。
年金や保険、税金関連やローンなどお金にまつわる幅広い知識が求められる資格で、お金の面から家計に関するアドバイスを行います。
金融機関、不動産、住宅メーカーなどの業界で役立ちます。
MOS(Microsoft Office Specialist:マイクロソフト オフィス スペシャリスト
MOS(Microsoft Office Specialist:マイクロソフト オフィス スペシャリスト)は、パソコンに関係する資格のうちの一つで、Excel、Word、PowerPointなどの操作スキルを証明する資格です。
事務職を中心として、広告代理店やメーカーなど、パソコンを使用する企業などで役立てられる資格です。
ITパスポート
ITパスポートは、情報処理に関する知識の入門となる国家資格です。
AIやIoT、セキュリティやネットワーク関連の内容など、ITに関する幅広い基礎知識を身につけることができます。
事務職で役立つ資格7選
事務職で役立つ資格には、下記の7つの資格が主に挙げられます。
事務職への転職やスキルアップを考えている方は、参考にしてください。
秘書検定
秘書検定は、企業の役職についている人をサポートする技能を認定する資格です。
また、社会人として必要な一般常識やマナーを身につけていることを証明する資格でもあり、受付業務などでお客様や取引先の方と接する機会のある事務職に活かせます。
秘書検定には、筆記試験の他に面接試験があるため(準1級から)、就活などの面接対策としても有効です。
行政書士
行政書士は、法律に関する知識や書類を作成するスキルがあることを証明できる資格です。
事務職のなかでも、官公庁などの公的書類を作成する機会が多い役所関係や総務関係で活かせるでしょう。
税理士
税理士は、税務や財務などに関する知識があることを証明できる国家資格です。
試験は、会計学に関する内容と、所得税など税金や法律に関する内容から出題されます。
税理士は、税理士事務所だけでなく会計事務所や税務署などで働く際に有効な資格で、税理士だけが行える業務もあるため、業務独占資格となっています。
日商簿記検定
日商簿記検定は、経理を中心に簿記や会計など、経営管理に役立つ知識を証明できる資格です。
事業の収益性を把握したり、原価率を計算し分析ができる資格として、3級を取得すると多くの企業から評価されます。
日商簿記検定は、経理や財務に転職するときに役に立つ資格といえるでしょう。
公認会計士
公認会計士は、企業や学校法人など事業者の監査証明を行うために必要な資格です。
この監査業務は公認会計士にしか行えない業務のため、公認会計士は会計監査を行う業務独占資格といえます。
監査業務のほかに、会計や税務、コンサルティングを行っている公認会計士もいます。
社会保険労務士
社会保険労務士は、雇用や労務に関する手続きやアドバイスを行う資格です。
具体的には、社会保険に関する書類の作成や、労働関係の法律に関する調停手続きの代理業務などを行います。
企業においては、主に人事部署などで役に立つ資格です。
中小企業診断士
中小企業診断士は、相談を受けた企業の経営を「どうすれば改善できるのか」といったアドバイスをする国家資格です。
企業と金融機関の橋渡しを行う資格として、経営やコンサルティング関係の職業で活かせるでしょう。
IT業界で役立つ資格3選
IT業界で役立つ資格には、主に下記の3つの資格があります。
IT業界への転職やスキルアップを考えている方は、参考にしてください。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、ITエンジニアの登竜門となる国家資格です。
情報技術の背景となる原理や技能など、ITに関する幅広い知識を身につけることができます。
基本情報技術者試験を活かせる職業としては、プログラマーやシステムエンジニア、Webデザイナーなどが挙げられます。
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、基本的な情報セキュリティマネジメントのスキルを認定する資格です。
サイバーテロなどから企業の内部情報が漏洩しないように守り、企業において、安全かつ積極的にITの利用ができるように促します。
情報セキュリティマネジメント試験は、IT業界だけでなく、営業、総務、人事、経理など幅広い職種で活用できるでしょう。
情報処理安全確保支援士
情報処理安全確保支援士は、個人情報や会社の企業秘密の漏洩を防ぐための、ITに関するセキュリティ知識が問われる国家資格です。
サイバーセキュリティ対策ができ、システム導入やシステム開発において、セキュリティの観点からサポートします。
セキュリティエンジニアとして、セキュリティアナリストやセキュリティコンサルタントなどの職種に活かせる資格です。
不動産・建築業界で役立つ資格4選
不動産や建築業界で役立つ資格には、下記の4つの資格が主に挙げられます。
不動産や建築業界への転職やスキルアップを考えている方は、参考にしてください。
電気工事士
電気工事士は、電気工作物工事を行うときに必須になる国家資格です。
内線工事や外線工事、配線工事を行ったり、変電設備の点検などを担当します。
また、テーマパークのアトラクション機材の保守管理なども、電気工事士の資格を持っている人が行います。
電気工事士の資格は、主に建築業界で役立つ資格といえるでしょう。
宅地建物取引士
宅地建物取引士は、不動産取引で必要となる資格です。
この資格を持った人が不動産会社にいないと不動産契約を結ぶことができないため、業務独占資格となります。
宅地建物取引士の試験には、民法や税金関連の内容が含まれています。
よって、不動産会社以外の建築会社や金融機関にも重宝される資格です。
管理業務主任者
管理業務主任者は、マンションの管理委託契約に関する重要事項や、管理事務報告を行うために必要な国家資格です。
また、管理業務主任者は、マンションの管理会社などで、契約に関する重要事項の説明や記名、捺印などの業務を独占して行う業務独占資格となっています。
よって、勤務先としては、マンションの管理会社や不動産会社などが挙げられます。
不動産鑑定士
不動産鑑定士は、不動産の鑑定評価に欠かせない業務独占資格です。
不動産に関する専門知識を活かし、不動産の購入を検討している方に対して最適な利用方法をアドバイスするコンサルティングなども行います。
不動産鑑定士は、不動産鑑定事務所や金融機関、コンサルティング会社などで役立つ資格です。
医療・介護業界で役立つ資格5選
医療や介護業界で役立つ資格には、主に下記の5つの資格があります。
医療や介護業界への転職やスキルアップを考えている方は、参考にしてください。
医療事務関連試験
医療事務関連試験は、医療行為についている診療報酬点数を計算したり、病院やクリニックで会計業務を行う資格です。
2年に1度法律改定があるため、その都度、診療報酬点数の変更点を把握しなければなりません。
医療事務関連試験の資格は、病院やクリニック、健診センターや調剤薬局などの事務業務で活かせる資格です。
社会福祉士
社会福祉士は、福祉の相談・援助に関する高度な専門知識を有する国家資格です。
身体または精神などに障がいのある方の日常生活や福祉に関する相談に乗り、福祉サービスを利用できるように調整するなど、援助を行うことが主な業務内容となります。
社会福祉士の資格は、地域包括支援センターや高齢者施設、自治体の福祉課などで活かせます。
ケアマネジャー
ケアマネジャーは、介護保険サービスを受けられるようにケアプランを作成する資格です。
高齢者やご家族の介護に関する相談に乗り、要介護認定の書類作成の代行を行います。
ケアマネジャーの勤務先としては、居宅介護支援事業所や特別養護老人ホームなどが挙げられます。
保育士
保育士は、保育園や幼稚園で子どもの成長を援助する資格です。
保育をするためには専門的な知識や技術が必要で、保護者のサポートも行える専門性が求められます。
保育士の資格は、保育園や幼稚園の他に託児所やベビーシッターなどにも活かせます。
登録販売者
登録販売者は、医薬品の販売を担う専門資格です。
資格を取得すると、第2類および第3類医薬品販売が可能となりますが、薬剤師のように薬の調合や処方はできません。
登録販売者の勤務先としては、ドラッグストアや調剤薬局が挙げられ、自分で薬店を経営することもできます。
飲食・サービス業界で役立つ資格3選
飲食やサービス業界で役立つ資格には、主に下記の3つの資格があります。
飲食やサービス業界への転職やスキルアップを考えている方は、参考にしてください。
調理師
調理師は、調理技術の取得はもちろんのこと、食品衛生学や栄養学などの知識を有していることが証明できる国家資格です。
調理師として就労する場合には、新メニューの考案や新たな調理法の発明、食材や食品の衛生管理、調理などの業務があります。
調理師は、飲食店やホテル、学校給食調理センター、病院などで勤務します。
栄養士
栄養士は主に健康な方を対象に栄養に関する指導や給食の運営を行う、都道府県知事の免許を受けた資格です。
栄養士には、スポーツ施設での栄養アドバイスや、地域行政の場で栄養バランスや食生活改善に向けたアドバイスを行うなどの業務があります。
主な勤務先としては、学校給食センターや医療施設、福祉施設や研究機関などが挙げられます。
販売士
販売士は、消費者のニーズに沿った物を販売する資格です。
小売業や流通業の発展に関わり、消費者に満足してもらえるような商品やサービスを提供することが主な業務内容です。
よって、販売士の資格は、スーパーやデパート、高級百貨店などで役立つとされています。
転職に強い資格を取得して転職活動を有利にしよう
転職活動を行ううえで、資格の取得は、これまで携わってきた業務内容に関する知識やスキルを証明するアピール材料になります。
また、未経験の職種でも、転職に活かせる資格を取得しておくことは、向上心のアピールになるでしょう。
業務独占資格を取得していれば、資格を有する人にしかできない業務がある職業において、転職活動を有利に進められる可能性があります。
特定の業種に特化した資格も数多くあるため、自分が取得できそうなものからチャレンジしてみるのも良いかもしれません。