履歴書に書かなければならない項目に「扶養家族欄」があります。
「扶養家族欄」には何を書けば良いのか、そもそも扶養家族とは誰なのかなど、疑問がある人もいるのではないでしょうか。
この記事では、扶養家族の定義や履歴書に扶養家族を書く理由、ケース別の書き方を解説します。
これから面接を受けたり、履歴書を書いたりする人は参考にしてみてください。
目次
履歴書の書き方|配偶者・扶養家族欄の基本
まずは履歴書の扶養家族欄に関連する、以下の3項目の書き方を紹介します。
- 配偶者の有・無
- 扶養家族
- 配偶者の扶養義務
配偶者の有・無
配偶者欄は、「有・無」の2択になっていることがほとんどで、どちらかに「◯」を付けます。
婚姻関係にある妻や夫がいる場合はもちろん、配偶者には事実上の婚姻関係も含むため、戸籍上の届出を出していない内縁関係にある相手がいる場合も、「有」に◯を付けましょう。
扶養家族数
扶養家族の人数には、あなた(被保険者)を除いた「扶養しているご家族の人数」を書きます。
上記イラストのように、配偶者を除くと書かれている場合は、配偶者を除いた人数を書きましょう。
扶養家族がいない場合は、0人と記入します。
配偶者の扶養義務
配偶者がいない場合は「無」を選び、配偶者がいる場合は以下の2点から扶養義務を判断します。
- 配偶者が自ら健康保険に加入していないか
- 配偶者が被扶養者として認定されているか
配偶者が自ら健康保険に加入していたり、配偶者が被扶養者から外れていたりする場合には、配偶者の扶養義務は「無」となります。
そもそも履歴書にある扶養家族とは?
扶養家族とは、あなたの収入で生計を立てているご家族のことで、被扶養者といいます。
扶養家族の定義は、「健康保険法」と「税法」のそれぞれに基づく2種類がありますが、履歴書に記入する扶養家族は、「健康保険法」のものが一般的です。
以下で、履歴書に扶養家族欄がある理由や扶養家族の適用範囲、収入条件を解説します。
履歴書に扶養家族欄がある理由
履歴書に扶養家族欄がある理由は、健康保険や所得税などの事務的な手続きが必要かどうかを判断するためであり、選考の合否には影響しません。
採用後のトラブルを防ぐためにも、正しい情報を書きましょう。
扶養家族の適用範囲
扶養家族とみなされる範囲は、同居の有無によって異なります。
【同居の必要がない親等】
3親等以内の親族で、本人(被保険者)の直系尊属や配偶者(事実婚と同様の人も含む)、子、孫、兄弟姉妹は、同居の有無を問わず扶養家族となり得ます。
具体的には、上記条件に該当する親族のうち、生計を被保険者に頼っている者です。
つまり、別居の父母や子に仕送りをしてその生活を支えている場合も、扶養家族に当てはまります。
【同居している必要がある親等】
被保険者と同居しており、被保険者の収入によって生計を立てている以下のどちらかに該当する人も扶養家族です。
- 被保険者の3親等以内の親族
- 被保険者の配偶者で、事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
義父母(配偶者の父母)や甥・姪などは、同居して生計を一にしている場合に限り、扶養家族とみなされます。
別居して仕送りをしているだけでは、その生活を支えていても扶養家族とみなされません。
収入条件
扶養家族の認定を受けるには、収入条件を満たすことが必要です。
収入条件は、その者が同居か別居かによって異なります。
【同居している場合】
認定対象者が被保険者と同居していて、以下の2条件を満たす場合は、被扶養者となります。
- 認定対象者の年収が130万円未満(60歳以上または障がい者は180万円未満)
- 認定対象者の年収が、被保険者の年収の半分未満(例えば、被保険者である父親の年収が400万円、子どもの年収が190万円の場合、子どもの年収は父親の半分未満のため被扶養者の対象。)
【同居していない場合】
認定対象者が被保険者と同居していない場合は、以下の2条件を満たすと被扶養者となります。
- 認定対象者の年収が130万円未満(60歳以上または障がい者は180万円未満)
- 認定対象者の年収が、被保険者からの仕送りなどの援助による収入額より少ない(例えば、一人暮らしをしている子どもの年収が60万円、被保険者である父親から年間50万円の仕送りがある場合は、子どもの年間収入額は110万円で130万円未満のため被扶養者の対象。)
【ケース別】履歴書の扶養家族欄の書き方
ここまでで解説した内容にそって、履歴書の扶養家族欄の書き方を、世帯別・収入別に具体的に見ていきましょう。
扶養家族の考え方を理解して履歴書に正しく記載しよう
履歴書に記載する必要のある、扶養家族欄の書き方を解説しました。
扶養家族欄は採用の合否選定のためではなく、所得税などの事務手続きに必要な項目です。
採用後にトラブルを防ぐためにも、扶養家族の考え方を理解して、履歴書には正しい情報を記載しましょう。