
残業が多くなる理由は、業務量に対する人手不足やマネジメント体制の問題、業務の属人化、社員のスキル不足、残業が当たり前の社風など、いくつか考えられます。
残業が多くなる理由はさまざまですが、根本的な原因を把握し、適切な対策を打つことが大切です。
本記事では、残業が多くなる理由を詳しく解説するとともに、理由に応じた対処法を紹介します。
目次
残業が多くなる理由とは?
残業が多くなる理由はさまざまですが、大きく分けると以下の5つが考えられます。
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
業務量に対して人手が不足している
業務量に対して人手不足に陥っている場合は、残業時間が多くなります。
例えば、10人の人員が必要なところに5人しか人員が配置されていなければ、当然労働時間を延ばさなければ作業は終わりません。
一部の業界では人手不足が深刻化していることもあり、業界全体の問題であるケースもあります。
また、特定の部署や社員に業務量が集中している場合もあります。
仕事に対する責任感が高い人ほど、より多くの業務量を抱えがちになるケースもあるのです。
人員の割り振りなどを適切にすることが大切だといえるでしょう。
マネジメント体制が整っていない
マネジメント体制が整っていない場合も、業務効率が悪くなり、残業が発生します。
適切な業務管理が行えておらず、常に仕事が多かったり、効率が悪いワークフローを採用していたりするケースも多いのです。
また、勤怠や工程の管理が整っていない場合は、かかっている工数や残業時間が可視化されておらず、残業が発生しやすい状態になっている可能性があります。
業務が属人化している
業務が属人化し、特定の社員しか業務情報を持っていない場合は、残業が発生しやすくなります。
誰が何の業務をどのように行っているかがわからないので、協力体制を作れないのです。
また、作業をしている側も自分にしかできない業務と考えており、大量の仕事を抱え込んでしまうケースもあります。
属人化を解消し、情報共有を進めることが重要だといえるでしょう。
業務が社員個人のスキルに合っていない
割り当てられている業務が従業員のスキルに合っていない場合は、残業が発生します。
従業員個人の経験や能力に合わない業務は、勤務時間内では対応できず、結果的に残業が発生してしまうのです。
また、残業が多く発生していると研修などの時間も取れず、スキルアップの機会も減少します。
スキルと業務が見合わない状態が長期的に継続する事態にもなりかねません。
残業が当たり前の社風である
残業が当たり前、残業が美徳であるというような昔ながらの考え方の社風がある場合は、残業を強制されているケースがあります。
人事評価として「残業している=頑張っている」と評価される体質では、残業が減らないのは当たり前です。
また、残業で稼ぐことが定着している企業では、生活費を稼ぐためにだらだら残業するケースもあるでしょう。
事実、残業代が増えることを理由に残業時間を増やしたいと考えている人も、少数ながらいます。
残業代を稼ぐためにわざと残業している社員がいる可能性も考えられるのです。
理由に応じた残業時間削減方法の例
残業が多くなる理由はさまざまですが、理由に応じた対策を打つことで、残業時間を削減することが可能です。
ここからは、理由ごとの残業時間削減方法を紹介します。
業務量が原因の場合
業務量が原因の場合は、重要な業務とそうでない業務を一つずつ洗い出していくことが大切です。
そもそも自社で行う必要のない作業は、アウトソーシングを利用して負担を減らすなど、業務効率を高めるようにしましょう。
また、システム導入などを行って自動化を図れないかもチェックすることが重要です。
勤怠管理システムなどを導入して勤務状況を可視化することで、残業をしづらい流れに変えていくこともできるでしょう。
マネジメント・組織の仕組みが原因の場合
マネジメントや組織の仕組みが原因の場合は、残業を申請制にするなど適切な管理が行える組織づくりをすることが大切です。
残業を申請制にすることで、残業状況を適切に管理できるようになります。
残業申請のフォーマットには、残業理由や残業時間を記載することが一般的です。
これを利用して、理由によっては残業を許可しないなどのルールを定めることで、残業がしづらい組織づくりができます。
ただし、紙の書類は逆に作業負荷が増えるため、クラウド上で管理できるシステムなどを導入するのがおすすめです。
システム導入により、効率的な残業管理を実現できるでしょう。
従業員のスキルが原因の場合
従業員の能力を管理し、向上させることで、残業を削減する方法もあります。
特にマンパワーが必要になる業界では、一人ひとりの業務の幅が広がり、スキルが向上することで、より生産性が高くなり、残業を削減できるでしょう。
しかし、特定の人物に業務が集中するような属人化が起きないように配慮することも必要です。
例えば、業務に必要なすべての作業をリストアップし、各従業員がそれぞれの作業をどれくらい習熟しているかをリスト化して貼り出します。
これにより、誰にどの作業を依頼すべきかが明確になり、マネジメント層も誰のどの能力を伸ばす必要があるかがわかるでしょう。
各自にどの作業のレベルアップが必要なのかを、週単位や月単位など定期的に確認し、教える人も教わる人も取り組みやすい環境を整えることが大切です。
能力管理と育成により、残業削減を実現できるでしょう。
社風が原因の場合
社風が原因の場合は、従業員が相談しやすい環境を整備することが大切です。
みんなが残業しているから当たり前と思ってしまい、不満を相談できない状態で放置していると、退職してしまう可能性もあります。
人事部で相談窓口を設けたり、社内カフェスペースを設置したりして、気軽に話せる空間を用意しましょう。
匿名のアンケート調査を実施するのも有効です。
状況に合わせて、サーベイツールなどを導入するのも良いでしょう。
残業理由に合わせた対策で労働環境を改善しよう
残業が多くなる理由はさまざまです。
業務量に対する人手不足やマネジメント体制の問題、業務の属人化、社員のスキル不足、残業が当たり前の社風など、根本的な原因を把握して対策することが重要です。
理由に応じた適切な対策を打つことで、残業時間を削減し、労働環境を改善することができるでしょう。
業務効率化のためのシステム導入や、従業員の能力管理と育成、相談しやすい環境づくりなど、さまざまな方法を組み合わせて取り組んでいくことが大切です。
残業削減に向けて、継続的な改善を進めていきましょう。