
仕事をするうえで、残業を強いられる場面は多々あります。
しかし、最近では働き方改革の影響もあり、残業をしたくないと感じる人が増えました。
本記事では、なぜ残業をしたくないと感じるのか、その理由と対処法について詳しく解説します。
目次
「残業したくない」というのはおかしい?
年代や時代背景とともに残業のあり方も変化しています。
Z世代における残業実態調査によると、「残業をしたくない」が8割近く占め、「残業したい」は2割にとどまっています。
また、識学が実施した「残業に関する調査」でも、全体の約80%の人が残業を避けたいと思っていることがわかりました。
こうした意識変化と国の働き方改革推進により、企業も制度の見直しを迫られています。
それぞれが持つ「残業をしたくない」具体的な理由を知り、適切な対応をとることが大切です。
残業したくない主な理由
人それぞれ残業をしたくない理由は異なります。
ここでは、残業をしたくない代表的な理由を3つ紹介しましょう。
人間関係や職場の雰囲気が悪い
職場の人間関係や雰囲気が悪いと、早く帰りたいと感じるのは自然なことです。
上司や同僚とうまくコミュニケーションが取れない、パワハラやセクハラなどのハラスメントがある、といった状況では、残業せずに早く職場を離れたいと考えるのも当然でしょう。
また、職場の衛生環境が悪かったり、快適に作業できる環境でなかったりする場合も、残業を避けたいと感じる理由になり得ます。
評価につながらない仕事で残業したくない
残業している時間や努力が正当に評価されない場合、残業に対するモチベーションは下がります。
自分の頑張りが認められず、残業代も適切に支払われないのであれば、残業を避けたいと考えるのは当然のことです。
一方で、残業が人事評価に反映されたり、キャリアアップにつながる重要な仕事だったりする場合は、残業も厭わない人もいるでしょう。
不本意な仕事をアサインされた
自分が希望していない仕事、やりたくない仕事を無理矢理アサインされた場合、残業への意欲は湧きにくいものです。
「なぜ自分がこの仕事をやらなければならないのか」という不満や疑問を感じ、残業を拒否したい気持ちになるでしょう。
会社としてやるべき仕事だと説明されても、自分の意向と一致しない場合は、残業に対する心理的ハードルは高くなります。
残業したくないのに仕事が終わらない原因
残業したくないのに、なぜ仕事が終わらないのでしょうか。
ここではその原因について見ていきます。
残業が当然の風潮でせざるを得ない
職場に「残業をするのが当たり前」「みんな残業しているから自分も残業しなければ」といった風潮があると、個人の意思に関わらず残業せざるを得なくなります。
また、上司や同僚が残業しているなかで、自分だけ定時で帰るのは肩身が狭く、居心地が悪いと感じる人もいるでしょう。
このような「残業が美徳」とされる環境では、効率化や生産性向上のインセンティブが働きにくく、長時間労働が蔓延する原因になりえます。
業務システムが確立されていない
業務の非効率化や人員不足も、残業が発生する原因の一つです。
本来なら短時間で済む仕事も、手作業で行ったり、システムが整備されていなかったりすると、時間がかかってしまいます。
また、業務の偏りによって特定の人に仕事が集中したり、そもそも人員が足りていなかったりすると、残業が常態化しやすくなります。
イレギュラーな仕事が多くて仕事が進まない
急な仕様変更や追加の依頼、トラブル対応など、イレギュラーな仕事が多いと、計画どおりに業務を進めることが難しくなります。
本来やるべき仕事が後回しになり、残業が発生してしまうのです。
また、他部署や取引先など、自分ではコントロールできない要因で仕事が停滞することもあるでしょう。
イレギュラーな仕事を減らすためには、業務のルール化や、適切なスケジュール管理が求められます。
残業したくない場合に、拒否するとどうなる?
残業したくない場合に、残業を拒否するとどうなるのでしょうか。
ここでは、残業拒否に関する具体的なケースを見ていきます。
残業を拒否するとクビにされるのか
正当な理由があって残業を拒否した場合は、企業は処分できません。
人によって、体力や通勤時間、家庭環境などそれぞれの事情があります。
「残業は当たり前」「定時を過ぎてからが本当の仕事」といった型にはめた考え方は、安易です。
無理な残業、残業時間による私生活に影響、体調の限界などの場合は、働き方を見直す必要があります。
しかし、正当な理由がなく拒否した場合、雇用契約上の義務を果たしていないとして懲戒処分になることがあるため、注意する必要もあるでしょう。
残業を拒否できるケース
ここでは、残業を拒否できるケースを3つ紹介します。
体調や健康を害する恐れがある
会社には、労働者の安全や健康に配慮する義務があります(労働契約法第5条)。
体調不良や健康上の理由で残業が難しい場合は、残業を拒否できるでしょう。
無理に残業を続けることで、病気やケガのリスクが高まることもあります。
自分の体調と相談しながら、必要であれば医師の診断書を提出するなどして、残業免除を求めることが大切です。
妊娠・出産してから1年未満である
妊娠中や出産後1年以内の女性労働者は、残業や休日労働を拒否できます(労働基準法第66条)。
母性健康管理の観点から、法律で特別な配慮が定められているためです。
妊娠・出産は心身ともに負担が大きい時期であり、無理な残業は母体や胎児への悪影響も懸念されます。
安心して妊娠・出産・育児に専念できるよう、積極的に権利を活用しましょう。
育児・介護の必要がある
3歳未満の子供を養育する労働者や、家族の介護が必要な労働者は、残業を拒否できます(育児・介護休業法第16条の8、第16条の9)。
ただし、事業の正常な運営を妨げる場合など、例外的に残業が認められることもあります。
育児や介護は長期間に渡って継続的に行う必要があり、残業によって生活リズムが乱れるのは好ましくありません。
状況をよく説明し、職場の理解を得ながら、働き方の調整を図ることが重要です。
残業したくない場合の対処法
ここからは、残業したくない場合の対処法を紹介します。
社員とのコミュニケーションを取る時間を増やす
職場のコミュニケーションを充実させることで、残業を避けられる可能性があります。
「この業務は時間がかかりそうです」「この納期では厳しいかもしれません」と、早めに状況を報告しましょう。
コミュニケーションを増やせば、チーム内で特定の人に仕事が集中している状況を把握でき、作業分担の調整を依頼できます。
コミュニケーションが取れていれば、具体的なフォローもお願いしやすくなるでしょう。
業務効率化に取り組む
業務効率化に取り組むことも、残業を避けるうえで有効です。
まず自身の業務の実態把握から始めましょう。
日々の作業にかかる時間を記録し、どの業務に多くの時間を費やしているのか、非効率な部分はどこにあるのかを分析します。
毎朝その日の業務計画を立て、優先順位をつけて時間の使い方を最適化させることも大切です。
作業自体が非効率な場合は、手順書やテンプレートを作成し、作業時間の短縮を図りましょう。
上司に相談してみる
自分だけで解決するのが難しい場合は、上司に相談するのも一つの方法です。
業務量の多さや残業の必要性を伝えることで、業務の見直しや人員の調整をしてもらえるかもしれません。
自分の仕事の問題点や改善案を提示しながら、一緒に解決策を探ってもらいましょう。
上司からのアドバイスで、新しい視点や効率化のヒントが得られることもあります。
雇用契約や就業規則を確認する
そもそも自分に残業義務があるのかどうか、雇用契約書や就業規則を確認してみましょう。
労働基準法では、残業について労使協定(36協定)の締結が必要と定められています。
36協定で定められた範囲を超える残業は、違法な時間外労働となるのです。
自分の残業時間が適正なものかどうか、会社の方針を確認してみるのも良いでしょう。
専門家に相談してみる
会社との交渉が難航したり、違法な長時間労働を強制されている場合は、労働問題に詳しい専門家に相談するのも一つの手段です。
社会保険労務士や労働問題に強い弁護士などに、自分の状況を説明して、アドバイスを求めましょう。
客観的な立場から見た意見は、問題の整理に役立ちます。
会社との交渉の進め方についても、的確な助言が得られるはずです。
退職も検討する
さまざまな努力をしても、職場の残業体質が改善されない場合は、退職を視野に入れるのもやむを得ないかもしれません。
自分の健康や生活を犠牲にしてまで、無理に残業し続ける必要はありません。
転職によって、より自分に合った働き方ができる環境を探すことも一つの選択肢です。
ただし、退職は慎重に検討すべき事項です。
まずは職場の改善に向けて、上司への相談や人事部への相談など、できることは尽くしましょう。
残業を減らせるような対策を考えよう
本記事では、残業したくない理由として、人間関係や職場の雰囲気、評価につながらない仕事、不本意な仕事のアサインなどを挙げました。
また、残業が終わらない原因は、残業が当然の風潮、業務システムの未確立、イレギュラーな仕事の多さなどが考えられます。
正当な理由があれば残業を拒否できますが、理由がない場合は処分の可能性もあるので注意が必要です。
対処法としては、コミュニケーション強化、業務効率化、上司への相談、契約内容の確認、専門家への相談、退職などが選択肢として考えられます。
残業したくない理由を理解し、具体的な対処法を実践することで、できるだけ残業をしない環境をめざしましょう。