退職の挨拶メールが届いたとき、返信するべきか悩む人も多いのではないでしょうか。
退職の挨拶メールへの返信が必要かどうかは、相手との関係性によって変わってきます。
今回は、退職の挨拶メールへの返信について、必要かどうかを判断する基準や、返信時のポイントなどを例文も交えながら解説していきます。
目次
退職挨拶のメールの返信は必要?
退職する人からの挨拶メールに対して、返信が必要かどうかを判断する基準や、返信する際のポイントを解説します。
関係性や状況によって返信が必要
退職挨拶のメールは形式的な面もあるため、返信は必須ではありません。
相手との関係性やメールが届いた状況によって、返信するかを判断してください。
以下のような場合は、返信して感謝の気持ちを伝えると良いでしょう。
- メールが個人宛で届いた場合
- 一緒に仕事をしていた人
- お世話になった人
- 社外の人でこれからも取引や関係性が継続する場合
これに対して、「CC」で届いた場合や、接点がなかった人の場合は返信しなくてもマナー違反にはあたりません。
返信するなら早めに
返信する場合は、メールが届いた当日中に返信するようにしましょう。
人によっては退職挨拶のメールを最終出勤日に送っている場合もあり、翌日に返信しても見てもらえないかもしれません。
最終出勤日まで日数がある場合でも、有給消化に入ってしまうとメールを確認できなくなるおそれがあるため、先延ばしにせず返信するように心がけましょう。
退職挨拶メールに対する返信のポイント
退職挨拶メールへの返信では、今までのお礼と今後を応援する気持ちを伝えます。
返信を作成するにあたっては、いくつかのポイントをおさえておきましょう。
以下に、誰に対しても使える一般的な例文をあげるので、ポイントと例文を照らし合わせながら確認してみてください。
件名:ご連絡ありがとうございます。
○○さん
お疲れ様です。経理部の△△です。
ご多忙の折に退職のご挨拶をいただきまして、ありがとうございます。
○○さんとは、同じプロジェクトチームで一緒にお仕事させていただき、本当に感謝しております。
プロジェクト成功に向けて壁を乗り越えてこれたのも、○○さんのおかげです。
退職されてしまうことは残念ではありますが、益々のご活躍をお祈りしております。
最後になりますが、くれぐれもお身体にはご留意ください。
長い間本当にお疲れさまでした。
経理部△△(署名)
件名を変える
一般的に退職挨拶のメールは「退職のご挨拶」などの件名で届きます。
「Re:」をつけてそのまま返信する形でも問題ありませんが、件名を返信用に変更するとより丁寧です。
変更後の件名は、お礼の内容であると一目でわかるようにしましょう。
「お礼」「退職のご連絡ありがとうございます」などとするのが一般的です。
メールのお礼
本文の冒頭では、メールをくれたことへのお礼を伝えます。
退職前の忙しい時期に連絡をくれたことに対し、「お忙しいなか」「ご多忙のところ」などの言葉で感謝を伝えましょう。
これまでの感謝・別れを惜しむ気持ち
お世話になったことへのお礼は、以下に挙げるような、具体的なエピソードを交えながら伝えることがポイントです。
- 同じプロジェクトで一緒に仕事をしていた
- 入社当時に直属の上司として指導してもらった
- 同じ部署でお世話になった
今後の活躍を祈る言葉
最後は相手の今後を応援する言葉で締めくくると良いでしょう。
- 益々のご健闘をお祈り申し上げます
- 益々のご健勝をお祈り申し上げます
- 益々のご活躍をお祈り申し上げます
上記のような言葉でメールを締めくくり、明るく送り出す気持ちを伝えましょう。
退職挨拶メールの返信における注意点
退職挨拶のメールに返信する際にも、マナーを守る必要があります。
ここでは、返信における注意点を2つ確認していきましょう。
退職理由や転職先を聞かない
退職理由、転職理由、転職先など、プライバシーに踏み込む質問をしてはいけません。
相手との関係性にもよりますが、こちらから根掘り葉掘り聞かないことが基本です。
退職や転職の理由は人によって異なり、現職でつらい思いをしている場合や、待遇や人間関係に不満を持っている場合もあります。
そのため、「なぜ転職するのですか?」など直接的な質問はしないことがマナーです。
また、転職先についての質問も避けましょう。
こちらもプライバシーに関わることであり、答えたくない人もいるため、あくまで相手から話してくれたら聞くといったスタンスがベストです。
「驚き」「残念」は伝えても問題ない
退職することに驚いた気持ちや、いなくなってしまい残念で寂しい気持ちは、言葉にして伝えても構いません。
残念な気持ちを伝えるのであれば、相手の活躍を祈る言葉の前に「退職されてしまうことは残念ではありますが」とつけると、寂しく残念に思っている気持ちと応援する気持ちをあわせて伝えられます。
また、突然の退職で驚いている場合、挨拶のメールをもらったお礼を伝えたあとに「突然のお話で驚きました」と付け加えても良いでしょう。
【例文】社内向け|退職挨拶メールに対する返信
社内の人から退職挨拶のメールをもらった際の返信について、相手別のポイントと例文をそれぞれ見ていきましょう。
お世話になった上司
上司に送る返信は、お世話になった具体的なエピソードを簡潔にまとめて記しましょう。
指導してもらった内容や、思い出のエピソードを盛り込むと、相手へより感謝の気持ちが伝わります。
また、目上の人に対しては名前に「○○課長」など役職をつけることが基本です。
○○課長
お疲れ様です。人事課の△△です。
ご多忙にもかかわらず、ご挨拶をいただき誠にありがとうございます。
○○課長には入社当時から、時に厳しく、時に優しくご指導いただき、大変お世話になりました。
初めて担当したプロジェクトの際には、○○課長のご指導があったからこそ、成功をおさめることができました。
○○課長が退職されるとのこと、寂しい気持ちではありますが、ご指導いただいたことを忘れず、今後も頑張っていきます。
新天地での、ご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。
これまで○年間、大変お世話になりました。
ありがとうございました。
人事課△△(署名)
同僚
同僚の場合、基本的なマナーは守りつつも、上司に送るような文章よりも多少くだけた内容にして構いません。
○○さん
お疲れ様です。経理部の△△です。
お忙しいなか退職のご挨拶をいただきまして、ありがとうございます。
同期として研修から一緒に励ましあってきた○○さんが退職すること、本当に寂しい気持ちです。
初めてのコンペに向けて激論を交わしたこと、何度も食事に行き愚痴を言い合ったこと、今でも鮮明に覚えています。
いつも明るい○○さんと仕事ができたこと、とてもうれしく思っています。
○○さんの新天地における益々のご活躍をお祈りしています。
また落ち着いたら飲みに行きましょう。
○年間ありがとうございました。
経理部△△(署名)
後輩・部下
後輩や部下の場合、退職後の生活や働き方に対する不安を解消できるよう、長所や成長した事柄に、具体的なエピソードを添えつつ、応援する気持ちを伝えましょう。
なお、近しい後輩や部下であれば、ある程度フランクな表現を使っても構いません。
○○さん
お疲れ様です。営業課の△△です。
お忙しいなか、退職のご挨拶をいただきありがとうございます。
○○さんの入社当時、一緒に営業研修へ行ったことを今でも鮮明に覚えています。
目標達成のため日々努力する姿勢は、○○さん自身の成長だけでなく、チーム全体に良い刺激をもたらしていました。
退職されることを非常に寂しく思いますが、新たな目標に向かって突き進んでください。
新天地でも、益々のご活躍をお祈りしています。
○年間ありがとうございました。
お身体にはお気をつけください。
営業課△△(署名)
定年退職者
定年まで勤めあげた人に退職挨拶メールの返信をする場合は、長年の勤務に対するねぎらいと、それに対する尊敬の気持ちを記しましょう。
くわえて、最後に今後の健康を祈る言葉を添えると、より丁寧な印象です。
○○部長
お疲れ様です。人事課の△△です。
このたびはご多用のところ、退職のご挨拶をいただきまして、ありがとうございます。
○○部長には、入社当時からビジネスマナーをはじめ、多くのことを学ばせていただきました。
○○部長にご指導いただいたからこそ、ここまで頑張ってくることができました。
長年にわたり会社へ貢献されてこられたこと、尊敬の念でいっぱいです。
長年のご勤務、お疲れさまでございました。
今後の第二の人生が充実した日々になりますよう、○○部長のご健勝をお祈り申し上げます。
お身体にはくれぐれもお気をつけください。
ありがとうございました。
人事課△△(署名)
親しくない相手
社内のあまり接点がない相手や、親しくない相手に返信する場合、無理やりエピソードを入れる必要はありません。
基本的な返信のポイントをおさえながら、日々の業務で間接的にでも関わったことに対して「お世話になりました」という感謝の気持ちを伝えましょう。
○○さん
お疲れ様です。人事課の△△です。
ご多用のなか、退職のご挨拶をいただきありがとうございます。
退職されるとのこと、大変驚いております。
○○さんには日頃からお世話になっており、多くのことを勉強させていただきました。
新天地における、益々のご活躍をお祈り申し上げます。
お身体にはお気をつけください。
これまで大変お世話になりました。
ありがとうございました。
人事課△△(署名)
【例文】社外向け|退職挨拶メールに対する返信
クライアントや顧客から退職挨拶のメールをもらった場合も、まずは今までの感謝を伝えましょう。
後任の話があった場合はその内容にも言及します。
また、ビジネスの相手として今後も転職先などを介してやり取りが続く可能性もあるため、「機会があれば今後も宜しくお願いいたします」などの言葉を添えておくこともポイントです。
なお、相手が定年退職する場合は、社内の定年退職者へ送る内容と同じようなポイントをおさえて返信しましょう。
○○株式会社○○様
平素より大変お世話になっております。
△△株式会社の△△でございます。
このたびはご多用の折、退職のご連絡を頂戴し、誠にありがとうございます。
○○様には、○○プロジェクトの頃からご一緒にお仕事をさせていただき、お世話になりました。
私の力不足でご迷惑おかけしてしまうこともありましたが、○○様には多くのサポートをしていただき、大変助けられました。
ご一緒にお仕事ができなくなり残念ではありますが、今後はご後任の××様にお力添えをいただき、尽力してまいります。
今後益々のご活躍をお祈り申し上げます。
お身体にはお気をつけください。
またお目にかかる機会がありましたら、宜しくお願いいたします。
ありがとうございました。
営業課△△(署名
退職挨拶メールにはマナーを心得た返信で気持ちよく送り出そう
退職挨拶のメールに対する返信は、相手によっては最後のやりとりになるケースもあります。
絶対に返信が必要なわけではありませんが、お世話になった相手には返信するようにしましょう。
返信する場合は、相手との関係によって、マナーやおさえておくべきポイントも異なります。
ビジネスメールとしてのマナーを守り、今までの感謝と今後に対する応援の気持ちを込めて、気持ちよく送り出しましょう。