再就職手当とは、一定の条件を満たした人が、早期に再就職した場合に受け取れる手当のことです。
失業手当とは異なり、その目的や支給のタイミング、計算方法などにも違いがあります。
失業後に、まとまったお金を一括で受け取れるので、前もって自分がいくら受給できるのかわかると安心です。
再就職手当でもらえる金額はいくらなのか、簡単に計算できることをご存じでしょうか?
再就職手当の計算方法について確認してみましょう。
目次
再就職手当の計算方法は?
再就職手当の支給額は、「基本手当日額」「所定給付日数の支給残日数」「支給率」がわかれば、以下の計算方法で算出することができます。
基本手当の日額や、失業手当が支給される残りの日数などにより、受給できる金額は異なります。
支給率は60%もしくは70%のいずれかで、どちらが適用されるかは所定給付日数の支給残日数によって以下のように決まります。
所定給付日数と基本手当日額
失業手当の1日の支給金額を「基本手当日額」といいます。
所定給付日数とは、基本手当をもらえる日数のことです。
所定給付日数と基本手当日額は、雇用保険受給資格者証の表面に記載があります。
再就職手当の受給にあたり、基本手当日額には上限があります。
離職時の年齢が60歳未満の場合は6,190円、60~64歳の場合は5,004円が上限です。
例えば、失業手当を受けている60歳未満の人で、受給資格者証の基本手当日額欄に7,000円と記載されていても、それはあくまで失業手当の給付日額であり、再就職手当支給時には上限の6,190円が適用されることになります。
支給残日数
支給残日数とは、失業手当が受け取れる残りの日数のことです。
所定給付日数から再就職する前日までの期間で、失業手当を受け取れる残りの日数を指します。
再就職手当の支給率はこの支給残日数によって決まり、残日数が多いほど再就職手当の金額は高くなります。
支給残日数は、失業手当を申請した際にもらえる「雇用保険受給資格者証」の裏面で確認できます。
支給率60%・70%
再就職手当の支給率には60%と70%があり、どちらが適用されるかは、支給残日数によって決まります。
支給残日数が3分の1以上ある場合は60%、3分の2以上ある場合は70%の支給率が適用されます。
例えば、所定給付日数が90日、待期期間満了後から再就職先で働きはじめる前日までの日数が55日ならば、「90-55=35日」となり、35日が支給残日数となります。
上表の支給残日数で「30日以上」に当てはまるため、支給率60%が適用になることがわかります。
再就職手当の支給額のシミュレーション
再就職手当の受給金額を実際に計算してみましょう。
Aさんのケース
離職時の年齢が「60歳未満」、「基本手当日額6,190円(満額)」、「所定給付日数90日」
【Aさんが失業手当受給中に再就職した場合】
失業手当受給開始の30日後に再就職した場合、支給残日数は60日となり、支給率は70%が適用されます。
6,190円×60日×0,7%=259,980円
となり、この場合の再就職手当の支給額は259,980円です。
【Aさんが失業手当受給開始前に再就職した場合】
失業手当の支給開始前に再就職した場合、支給残日数は90日残っていることになるので、上記とシミュレーションと同様、支給率は70%が適用されます。
6,190円×90日×0,7%=389,970円
となり、この場合の再就職手当の支給額は389,970円です。
再就職手当を計算する際に知っておくべき注意点
再就職手当を受給するにあたり、前職の退職理由が会社都合か自己都合かによって、所定給付日数の開始日が異なります。
下図のように、会社都合退職で所定給付日数が90日の場合では、受給資格決定から7日間の待期期間後から所定給付日数となり、すぐに受給が開始されます。
しかし、自己都合による退職の場合は、待期期間の後2ヵ月の給付制限が設けられ、支給が始まるのは待期期間が終了した2ヵ月後です。
さらに、その給付制限2ヵ月のうち最初の1ヵ月は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介で就職した場合に限り再就職手当が支給されます。
この期間に求人サイトなどを通じて自分で就職先を見つけた場合には、再就職手当が支給されないため注意が必要です。
再就職手当がどの程度もらえるのか計算してみよう
再就職手当は申請の手続きを行い、ハローワークの調査を通過したあと、約1週間から10日前後で受け取ることができます。
事前に自分がいくら受け取れるのか知りたい人は、ぜひシミュレーションを試してみてください。