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退職の意思を上司にメールで伝えても良い?可能なケースと注意点を解説

退職を申し出る際、通常であれば直接上司に伝える人がほとんどでしょう。
しかし、どうしても直接上司に話すことができない事情を抱えている方もいるのではないでしょうか?

そのような場合、メールで上司に退職の申し出をすることを検討するかもしれません。
そして、「メールでの退職申告は受け入れられるのか?」と不安に思うことでしょう。

今回の記事では、退職の意思表示をメールで上司に伝えることは可能なのか、また退職の意思を伝える際のメール例文について紹介していきます。

メールによる上司への退職申し出は可能?

メールによる上司への退職申し出は可能?

上司に退職の申し出をメールで行うことは可能なのでしょうか?

法律的な視点とマナー的な視点の両面からみていきましょう。

【法律上】退職の申告方式に規定はない

法律(民法)では、退職の申告について以下のように定めています。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
2 期間によって報酬を定めた場合には、使用者からの解約の申入れは、次期以後についてすることができる。ただし、その解約の申入れは、当期の前半にしなければならない。
3 六箇月以上の期間によって報酬を定めた場合には、前項の解約の申入れは、三箇月前にしなければならない。

引用元:民法 | e-Gov法令検索

この記載からわかるように、雇用期間の定めがない場合は退職の申告はいつでも可能であり、退職の申告方法については特に定められていません。
つまり、法律上は退職の申告はどのような方法でも可能であり、メールでの退職申し出も有効となります。

【マナー上】メールでの退職申告は避けたほうが無難

しかし、実際には社内規定で退職届の提出などが義務付けられており、特別な事情がなければ、社内規定に則って退職届を提出した日を退職の申告日として考えることが一般的です。

また、退職の申告は会社にとって重大な話です。
いきなりメールで「3/31付けで退職します」などと伝えてしまうと、上司は驚いてしまうと同時に、仕事に対する誠意を感じることができずに、今までの信頼を損ねてしまう可能性があります。

そのため、メールでは退職の話を持ちかけるアポイントの取得にとどめ、退職の申し出は上司に直接話すようにしましょう。
アポイントに関しては、面談が可能な場所を確保し、30分ぐらい話せる日時を調整しましょう。

アポイントを取得する場合のメール例文:

件名:面談のご相談

お疲れ様です。
田中です。

お忙しい中恐れ入りますが、直接ご相談させていただきたいことがあり、30分ほど面談のお時間を頂いてもよろしいでしょうか?
日時は、以下の3候補で考えておりますが、ご都合等いかがでしょうか?

・3月15日 14時から
・3月16日 13時から
・3月20日 10時から

ご確認のほどよろしくお願いいたします。

田中

上司にメールでの退職の申し出が可能なケースもある

個人的な事情により、どうしても上司に直接退職の意思を伝えることができないケースもあるでしょう。
以下のケースに当てはまる場合は、上司に対して最大限の配慮を行ったうえで、メールで退職の申し出を行うことも問題ありません。

入院している場合

入院しており外出が困難なケースであれば、上司もメールで退職の申し出を受け入れてくれるでしょう。
入院の詳細などはプライベートな事情であるため、今置かれている状況を上司にすべて話すことは困難かもしれません。

しかし、退職の申し出とともに、メールでの退職の申し出になってしまった理由や経緯についても簡単に添えておくと、上司も納得しやすいでしょう。

心身の不調により出社できない場合

退職する人のなかには、仕事のストレスなどによる心身の不調によって退職を決めた人もいるでしょう。
仕事を頑張り続けてしまった結果、夜眠れない・食欲がないなどの状況に陥ってしまったり、精神的なストレスで体調を崩してしまったりした方もいるかもしれません。

そのような場合は、まず自分自身の体調の回復を最優先として大丈夫です。
無理に会社に出社しようとせず、メールなど自分に負担のかかりにくい方法で退職の意思を伝えましょう。

仮に会社から退職届の提出を求められた際は、郵送することも可能です。
ご家族など周囲にも相談して可能であれば助けを借りながら、無理のない範囲で伝えましょう。

ハラスメントを受けている場合

上司からのハラスメントを受けており、直接の接触を避けたい場合も、退職申告はメールで行いましょう。
自分自身で上司から受けた態度がハラスメントに該当するのか、判断することが難しいかもしれませんが、されて嫌だった行為はハラスメントに該当する可能性があります。

余裕があれば、何かあったときのためにハラスメントの証拠を残しておくと、場合によっては会社都合で辞めることも可能となるでしょう。
ハラスメントには多様な種類がありますが、以下に一例を示します。

  • パワーハラスメント:職場での権力を掲げて嫌がらせを行う行為
  • セクシュアルハラスメント:身体に触る、性発言をするなどの行為と、それを受け入れないことにより不利益を発生させたり、職場環境を悪化させる行為
  • モラルハラスメント:必要な連絡をしない、会社内で陰口をいうなどの人格を否定して追い込む行為

【例文】退職メールの誠意を持った上司への伝え方

【例文】退職メールの誠意を持った上司への伝え方

退職の申告をメールで行う場合は、メールでの申し出となってしまったことに対してのお詫びを記載し、退職への理解を得られるよう上司に配慮しましょう。
また、メールの文面だけでは、退職の相談をしたいのか、退職を心に決めているのかわからない場合もあります。
そのため、退職の意思は決まっていることを示すために、退職希望日時までしっかりと明記しましょう。

退職メールに記載すべき内容とメール例文は以下のとおりです。

退職メールに記載すべき内容

  • 退職日時
  • 退職理由
  • メールでの退職申告になってしまった経緯とお詫び
  • 今までの指導に対する感謝
件名:退職のお願い

佐々木部長

お疲れ様です。
田中です。
突然、お休みをいただくことになってしまい、申し訳ございません。
このたび、3月いっぱいで退職させていただきたく、ご連絡を差し上げました。

現在お休みをいただいて療養しておりますが、体調の回復には時間がかかるとのことから、自分自身の体調を最優先にして過ごすために退職という決断に至りました。
メールでお伝えすることとなり大変恐縮ではございますが、現在入院中のため直接お伝えできない状況をご理解いただけますと幸いです。
佐々木部長には、在職中たくさんのご指導をいただき大変感謝しております。

また、退職にともないまして退職届などが必要な場合は、郵便にてお送りさせていただきますので、ご指示いただけましたら幸いです。
何卒、よろしくお願いいたします。

田中

上司へ退職メールを送るときの注意点

上司に退職メールを送る際は、以下の2点に注意しましょう。

直属の上司へ送る

直属の上司だからこそ伝えにくいと感じるかもしれませんが、退職の申告は最初に直属の上司に伝えましょう。
直属の上司ではない人に先に伝えてしまうことで、上司に伝える前に社内で話が広まり、上司が噂を耳にしてしまうかもしれません。
このことから、上司との関係が悪化してしまう可能性も考えられます。

最初に直属の上司にメールを送り、退職の申告を受け入れてもらえないときは、さらに上の管理職や人事部などに相談するようにしましょう。

退職希望日まで余裕をもって送る

先述したように、法律上では退職申告から2週間が経過すれば退職が可能ですが、実際は退職前に業務の引き継ぎなどが発生します。
そのため、社内規定で退職の申告期限を1ヵ月と定めていることもあります。

会社とのトラブルを回避するため、可能であればまずは社内規定を確認し守るようにしましょう。
規定を遵守したうえで、退職希望日まで余裕を持って退職メールを送ることをおすすめします。

上司への退職メールは最終手段として使おう

メールでの上司への退職申告は禁止されていませんが、特別な事情がない限り避けたほうが良いでしょう。

しかし、どうしても上司と対面で話すことが難しい状況にある場合は、上司に理解してもらえるよう事情などを伝えたうえで、退職メールを送ることも可能です。

その際は、少しでも円満な退職ができるよう今までの感謝の気持ちも忘れずに伝えましょう。

執筆者について

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