退職時に、上司や同僚へプレゼントや粗品を贈ることは必須ではありません。
しかし、勤めてきた会社を退職する人が、お菓子などを持って挨拶まわりをしたり、お礼とともにプレゼントを贈ったりすることは、よくある光景です。
お世話になった方たちへのギフトを実際に選ぶとなると、値段や商品などもさまざまで迷うことも多いでしょう。
退職時に職場の人に贈るプレゼントや粗品の選び方、渡し方のマナーについてポイントを押さえて解説していきます。
目次
退職時に粗品を渡すのはマナー?
一般的に退職時にプレゼントを配ることは、必須ではありません。
しかし粗品やプレゼントを用意する人が多いことから、社会人としてのマナーととらえている人が、少なからずいる可能性も考えられます。
その会社の社風や勤続年数にもよりますが、退職時に粗品を渡すことが慣習になっている企業も多いです。
また、在職中に接する機会があまりなかった人にも、粗品があれば挨拶をするきっかけになり、新たな人脈につながる可能性も考えられます。
決められたルールはありませんが、これまでの感謝を伝える目的で粗品やプレゼントを渡すのも良いでしょう。
渡さなくても、ネガティブな印象を持たれることはありませんが、粗品やプレゼントを残すことで、退職時に顔を合わせられなかった人にも思い出してもらうことができるので、印象はよくなるでしょう。
上司・先輩
特にお世話になった上司や先輩には、個別にプレゼントを渡しても良いでしょう。
その場合、予算は相手に気を遣わせない金額を意識することが大切です。
お菓子などを配る場合は、職位の高い人から順番に配ります。
もし、離席しているなど不在の場合は、机の上にメッセージを書いたメモとともに置いても構いません。
同僚
個別にプレゼントを渡す際、人数が多く一人ひとりに渡すことが難しい場合は、個包装のお菓子を配るなど、無理のない範囲で渡せるものを選びましょう。
勤務時間帯が合わないなど、タイミングを合わせるのが難しい場合は、事前に渡したり共有スペースに置いたりして、いつでも手に取れるように工夫してみましょう。
あまり関わりがなかったなどの理由で、渡す予定のない同僚がいる場合、プレゼントを用意した同僚には社外で渡すなどの配慮も必要です。
取引先
取引先に退職の挨拶をする際は、直接出向くことが好ましいですが、難しい場合はメールや挨拶状でも構いません。
取引先の会社へは、社内で配れるお菓子がおすすめです。
箱入りのものを選び、ばら売りのお菓子や袋入りのお菓子は避けたほうが良いでしょう。
高級感があり格式の高いイメージのある箱入りのお菓子であれば、大切な取引先にも失礼がありません。
値段は2,000〜3,000円前後のもの、もしくは1包装100〜300円程度のものが目安です。
退職時に渡すものは?選び方とポイント
プレゼントや粗品を配る範囲や、渡す人数が決まったら、実際にギフトを選びます。
誰にどのようなものを選べば良いのか迷うところですね。
価格や包装など選び方のポイントを押さえて、無理のない範囲で喜ばれるギフトを選びましょう。
ポイント①:渡すものは一人100〜500円程度が妥当
上司や先輩の場合は2,500〜4,000円、同僚の場合は100〜500円程度が目安です。
予算オーバーにならないように、事前に渡す人数をしっかり確認しておくことが大切です。
渡す人数によって、一人あたりの単価を調整しましょう。
退職時のプレゼントは、もらう側が「気軽に受け取れる」ことがポイントです。
あくまでも気持ちなので、値段に決まりはありません。
しかし、あまりに高価なものだと、相手に気を遣わせてしまう可能性があるので気をつけましょう。
ポイント②:小分けができて個包装してあるもの
個別で渡すお菓子などは、仕事の合間に食べられるよう、小分けができるものや個包装されているものがおすすめです。
個包装のお菓子ならクッキーやチョコレートが、定番で食べやすいでしょう。
手やデスクが汚れないものを選ぶ配慮もあると親切です。
紅茶のティーバッグやインスタントのコーヒーなども、好きな時に飲めるので、もらう側もうれしいギフトです。
配る人数が多い場合は、全員に行き渡る数が入っているか、しっかり確認しましょう。
ポイント③:賞味期限がなるべく長いもの
食べものの場合、あまり日持ちせず数日で賞味期限が切れてしまうものもあります。
なるべく賞味期限が長いものを選びましょう。
目安としては、賞味期限が1週間以上あるものが良いです。
賞味期限が短いと、後日食べようと取っておいた場合、賞味期限が切れてしまう場合もあります。
また、休暇を取っていたり出張中だったり、数日出社しない人もいるかもしれません。
ポイント④:簡単なメッセージを付ける
退職時のプレゼントや粗品は、これまでお世話になった感謝の気持ちで贈るものです。
マストではありませんが、メッセージカードなどを添えることで、より気持ちが伝わり、良い印象につながります。
これまでの感謝の気持ちや思い出、体調への気遣いやこれからの活躍を応援する内容など、
簡潔に書きます。
文章をシンプルにまとめ、小さなメッセージカードや付箋に書いて添えるのが良いでしょう。
退職時に渡すと喜ばれる粗品
退職時に贈るものは、セットになっていて小分けにできるものや、個包装になっているものが手に取りやすくて喜ばれます。
「退職 プレゼント 小分け」「退職 お礼 プチギフト」などで検索すると、通販サイトでも販売しています。
お菓子・スイーツ
パックに入ったお菓子が代表的で、配りやすく手やデスクが汚れないのでおすすめです。
クッキーやチョコレート、せんべい、どら焼きなど、個包装のものが良いでしょう。
常温保存可能なお菓子を選ぶことも、手に取りやすく喜ばれるポイントです。
匂いの強いものや、噛むと音のなるもの、カットが必要なホールのバームクーヘンやパウンドケーキなどは避けたほうが良いでしょう。
ドリンク
ドリップコーヒーや紅茶のティーバッグがセットになっているものは、ギフト用に華やかでおしゃれなデザインの包装がされているものも多くあります。
コーヒーは有名店のものから万人受けする定番のものまで、さまざまです。
紅茶も定番のものだけでなく、華やかな風味を楽しめるフレーバーティーなどもあり、珍しいものを入れておくと貰った人の楽しみが増えるかもしれません。
妊娠中や授乳中の人がいる場合には、ノンカフェインのものを選ぶなど配慮すると良いでしょう。
日用雑貨・消耗品
タオルやハンカチ、メモ帳やペンなどの日用雑貨は、実用的で長く使えるため、喜ばれる商品です。
入浴剤や石鹸、ハンドクリームなどの消耗品は、あらかじめ香りの好みなどを調べておくと、貰った人も使いやすくて喜ばれるでしょう。
使えばなくなってしまうものはあとに残らず、もらった人の負担になりません。
【相手別】退職時に配るもの・挨拶方法
職場でお世話になった人には、プレゼントや粗品を持って退職の挨拶をしたほうが、印象はよくなります。
順番としては、まず所属部署のトップ、次に直属の上司、先輩の順番に挨拶します。
そのあと忙しくなさそうなタイミングを見計らって、お世話になった他部署の上司・先輩の順に挨拶をするのが良いでしょう。
同じ業界への転職であれば、評判が流れることがあるかもしれませんし、またどこかで一緒に仕事をする機会があるかもしれません。
退職時には、気持ちよく職場を去ることで、清々しく新たなスタートを切ることができるでしょう。
感謝の意を込めて退職時に渡すプレゼントを選ぼう
退職時の挨拶でお菓子などを用意するのは必須ではありませんが、慣例となっている職場が多いです。
個別で渡す場合は一人あたり100〜500円前後、上司や先輩には2,500〜4,000円前後、取引先には2,000〜3,000円前後の商品が目安です。
渡す人数や予算によって、金額を調整して無理のない範囲でギフトを選びましょう。
メッセージカードを添えると、より感謝の気持ちが伝わります。
退職時の贈り物は、これまでの感謝を伝える手段の一つとして取り入れてみてください。