就業をめざす人のなかには、労働者全体での正規雇用と非正規雇用の割合が気になる人もいるでしょう。
この記事では、正規雇用と非正規雇用の割合や違いを解説しています。
正規雇用と非正規雇用での賃金の違いも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
正規雇用と非正規雇用の割合は?
日本の正規雇用と非正規雇用の割合が何パーセントかを、総務省発表の統計データより紹介します。
非正規雇用を詳しく知りたい人は、下記記事も参考にしてください。
非正規雇用の割合は36.9%
令和4年度の総務省「労働力調査」によると、日本の就業者の36.9%が非正規雇用、63.1%が正規雇用です。
非正規雇用者は全体で2,101万人おり、そのうちの1,474万人がパート・アルバイトに従事しています。
つまり、非正規雇用全体の約7割がパート・アルバイトとして働いていることになります。
女性の非正規雇用が圧倒的に多い
非正規雇用者の割合は、男性よりも女性のほうが圧倒的に多いです。
女性では正規雇用が46.4%で非正規雇用が53.4%と、働く女性の半数以上が非正規雇用として働いています。
女性の非正規雇用者を年齢別に見ると、以下のとおりです。
年齢 | 正規雇用の割合 | 非正規雇用の割合 |
---|---|---|
15~24歳(在学中を除く) | 71.7% | 28.3% |
25~34歳 | 68.6% | 31.4% |
35~44歳 | 51.6% | 48.4% |
45~54歳 | 45.1% | 54.9% |
55~64歳 | 34.4% | 65.6% |
年齢が高くなるにつれて正規雇用の比率が下がっていることがわかります。
女性で年齢が上がるごとに非正規雇用が多くなる理由としては、結婚や出産により正規雇用から非正規雇用に切り替えている人が多いことが考えられます。
また55歳以上の場合は、「女性は家庭内で働くもの」といった世代的な価値観に基づいている可能性もあるでしょう。
男性は30代~50代の9割が正規雇用
男性は77.8%が正規雇用で22.2%が非正規雇用となっており、女性よりも正規雇用の割合が多いです。
年齢別に見ると、いわゆる働き盛りと言われる35歳~54歳までは9割以上が正規雇用です。
年齢 | 正規雇用の割合 | 非正規雇用の割合 |
---|---|---|
15~24歳(在学中を除く) | 80.1% | 19.9% |
25~34歳 | 85.7% | 14.3% |
35~44歳 | 90.7% | 9.3% |
45~54歳 | 91.4% | 8.6% |
55~64歳 | 74% | 26% |
最も正規雇用率が高い世代は45~54歳であり、55~64歳では早期定年退職制度の利用などで非正規雇用の割合が増えていると考えられます。
正規雇用と非正規雇用の割合の推移
正規雇用と非正規雇用の割合の推移を過去5年間で見ると、非正規雇用に若干の減少傾向が見られます。
年次 | 正規雇用 | 非正規雇用 |
---|---|---|
2018年 | 62.1% | 37.9% |
2019年 | 61.7% | 38.3% |
2020年 | 62.8% | 37.2% |
2021年 | 63.3% | 36.7% |
2022年 | 63.1% | 36.9% |
上記のとおり、大幅に非正規雇用が減少しているわけではないですが、非正規雇用の正社員転換も進んでおり、今後も横ばい、あるいは減少していくと考えられます。
また、非正規雇用の待遇改善についても、内閣府男女共同参画局で大きく推進していることもあり、今後に期待できるでしょう。
正規雇用と非正規雇用の賃金の違い
正規雇用と非正規雇用では、賃金格差が非常に大きいです。
下表は厚生労働省が発表した「令和4年賃金構造基本統計調査」に掲載されている雇用形態別の平均的な賃金の違いです。
年齢階級 | 正規雇用 | 非正規雇用 |
---|---|---|
~19歳 | 18万5,000円 | 17万100円 |
20~24歳 | 22万1,000円 | 19万6,200円 |
25~29歳 | 25万5,900円 | 21万2,300円 |
30~34歳 | 28万8,400円 | 21万5,500円 |
35~39歳 | 32万3,500円 | 21万3,300円 |
40~44歳 | 34万7,500円 | 21万7,600円 |
45~49歳 | 36万6,300円 | 21万2,800円 |
50~54歳 | 38万7,500円 | 21万1,900円 |
55~59歳 | 39万6,200円 | 21万6,700円 |
60~64歳 | 32万9,800円 | 25万4,300円 |
上表のとおり、非正規雇用は正規雇用と比較して、どの年齢階級でも収入が低いことがわかります。
年齢が上がるにつれて賃金の差は大きくなり、55~59歳では正規雇用の平均賃金が39万円超なのに対して、非正規雇用は21万円程度と18万円もの違いがあります。
55~59歳の非正規雇用者は、同世代の正規雇用者の54.6%分の賃金しか受け取っていません。
より多く賃金を望むなら正規雇用をめざそう
日本の就業者においては、非正規雇用よりも正規雇用の割合が多くなっています。
非正規雇用は正規雇用と比較して賃金が低く、大幅な昇給も見込めないため、より多く賃金を稼ぎたい場合は正規雇用をめざすのがおすすめです。
年々、非正規雇用の割合は減少し正規雇用が増えているため、この機会に転職をめざしてみるのも良いでしょう。