正社員は、雇用や収入の安定や社会的信用の高さなど、多くのメリットがあります。
一方で、業務量が多すぎたり、社内の人間関係が悪かったりといった理由から、正社員を辞めたいと考える人もいるでしょう。
本記事では、正社員を辞めた場合のメリットとデメリットを紹介します。
正社員が辛くて辞めたいと思っている方は、今後の働き方を考えるうえでの参考にしてください。
目次
正社員を辞めたいと思ったら辞めても良い
健康以上に優先するべき仕事はありません。
心身に深刻な悪影響が出ているようであれば、正社員であっても辞めることを検討したほうが良いでしょう。
特に「眠れない」「食欲がない」「良いことがあっても心が動かない」などの症状が出ている場合は、うつ病が疑われます。
辞めることを考えると同時に、医療機関を受診し、医師に相談してください。
正社員を辞めたい理由として多く挙げられるものとしては、仕事量の多さや、人間関係の問題などがあります。
正社員を辞めたあとの働き方
正社員を辞めたあとの働き方としては、別の会社で正社員になる以外にも、以下のような働き方があります。
- 契約社員
- 派遣社員
- フリーランス・個人事業主
- パート・アルバイト
契約社員
契約社員とは、雇用期間が決まっている「有期労働契約」を締結している社員のことです。
契約社員は、正社員と同様にフルタイムで働くことを基本としますが、仕事内容や勤務地を契約で明確に定めるため、望まない業務を割り振られたり、転勤を強いられたりすることがありません。
一方で契約期間が決まっているため、契約満了時に更新せず終了となる場合は、新たな仕事を探す必要があります。
派遣社員
派遣社員とは、人材派遣会社と雇用契約を結び、企業へ派遣される社員のことです。
給与の支払いや福利厚生などは、雇用契約している派遣会社によって異なります。
派遣社員は、仕事を紹介された際に業務内容を詳しく聞くことができるため、自分の経験やスキルを活かせる仕事を選択できることがメリットです。
一方で、雇用や収入が不安定なことや、責任ある仕事を任せてもらえないことなどがデメリットとして挙げられます。
フリーランス・個人事業主
フリーランスとは、企業に属さずに個人で仕事を請け負う働き方を指します。
ライターやプログラマー、カメラマン、デザイナーなど多様な職種があるのが特徴です。
自分のライフスタイルに合わせた働き方が可能となる一方で、労働時間や最低賃金などの法律は適用されません。
また、国民保険の手続きや確定申告なども自分で行わなければなりません。
パート・アルバイト
パート・アルバイトは、自分の希望を反映したシフト制で働くことが多く、ライフスタイルに合わせて働ける点がメリットといえます。
しかし、給与は時給制で労働時間に収入が依存しているため高収入が望めないことや、裁量権を持たせてもらいにくい点がデメリットです。
正社員を辞めるメリット
正社員を辞めるメリットは、以下のとおりです。
- 希望するライフスタイルで働ける
- 責任から解放される
- 人間関係の悩みが減る
希望するライフスタイルで働ける
正社員を辞めると、希望するライフスタイルで働ける可能性が高まります。
例えば、以下のような希望を実現しやすくなるでしょう。
- 土日は休みたい
- 人と関わらずに、一人で黙々と働きたい
- 働く場所や時間を自由に決めたい
- 残業はできる限りしたくない
- 家族の時間を大切にしたい
責任から解放される
正社員で働いていたときに、重くのしかかっていた責任から解放されるのもメリットです。
正社員は業務範囲が広く、常に結果を求められます。
また、年齢や勤続年数を重ねると、プロジェクトリーダーや後輩の人材育成など重要な仕事を任せられることも増えるでしょう。
責任ある仕事はやりがいがある一方、大きなプレッシャーやストレスにもなります。
正社員を辞めることで、肩の荷がおりたと感じる人も多いでしょう。
人間関係の悩みが減る
正社員を辞めると、人間関係の悩みが減ることもメリットの一つです。
正社員の職場では、人間関係の悩みは珍しくありません。
自分に落ち度がなくても、人によって態度を変える人や、理不尽に怒る人、他人の悪口やうわさ話をする人などによって、理不尽に悩まされることは多いでしょう。
正社員を辞めると、こうした社内の人間関係から解放されます。
正社員を辞めるデメリット
一方で、正社員を辞めるデメリットは以下のとおりです。
- 収入が減る可能性がある
- 社会的信用が低下する
- 正社員としての再就職が難しくなることもある
収入が減る可能性がある
正社員を辞めると、収入が減る可能性があります。
仮に月給が変わらなくても、正社員以外では賞与や昇給がないケースがほとんどです。
またフリーランスや週の労働時間が20時間未満のパート・アルバイトの場合など、今まで会社が払ってくれていた社会保険料を全額負担しなければなりません。
収入が減り出費が増える可能性があるため、年収が下がる可能性が高いです。
社会的信用が低下する
正社員を辞めるデメリットの一つは、社会的信用が低下することです。
社会的信用が低下すると、住宅や車のローンが通らなくなったり、クレジットカードの審査や賃貸物件の入居審査が厳しくなったりすることがあります。
正社員の社会的信用は、さまざまな雇用形態のなかでも特に高いです。
正社員から他の働き方へ変える際には、社会的信用が低下する覚悟がいるでしょう。
また、直近で何らかの審査を受ける際には、審査を受けたあとに正社員を辞めたほうが無難です。
正社員としての再就職が難しくなることもある
正社員を辞めて異なる雇用形態で働いていると、正社員としての再就職が難しくなることもデメリットの一つです。
ブランクが長いと、再就職が不利になったり、給与や待遇面において不利な形で交渉が進む可能性もあります。
正社員以外の働き方をしている期間の実績や経験、スキルは証明が難しく、企業が中途採用の正社員に求める、即戦力としての能力をアピールしにくいためです。
正社員を辞めたいと思ったらメリット・デメリットを理解して今後の働き方を検討しよう
心の底から仕事が苦痛な場合は、正社員であっても、辞めることを含めて検討したほうが良いでしょう。
特に、心身に深刻な不調が起きている場合、そのまま働き続けると将来的に働けなくなったり、日常生活に支障が出たりするおそれがあります。
ただし、正社員を辞めることにはメリットとデメリットの両方があります。自分がどのような働き方を望んでいるのかを整理して、今後の働き方を検討してみましょう。