「アルバイト先から住民票の提出を求められたが、理由を知りたい」
「個人情報を渡すことに抵抗がある」
アルバイトの採用が決まった際に住民票の提出を求められ、上記のように戸惑っている人もいるのではないでしょうか。
雇用主は、労働者の住民票を管理・保管する義務があります。
そのため、アルバイトとして採用された方は住民票を提出しなければいけません。
この記事では、住民票を提出しなければいけない理由や、住民票の発行方法について解説しています。
アルバイト先に住民票を提出する理由が知りたい方や、手軽に住民票を発行する方法が知りたい方は、参考にしてください。
目次
アルバイト先への住民票の提出は必須?
アルバイトの採用が決まった際に、住民票の提出を求められることがあります。
その際は必ず提出しなければいけません。
理由は以下のとおりです。
- 身元の証明になる
- 18歳未満を雇用する際は年齢確認できるものの保存が義務付けられている
順番に説明していきます。
身元の証明になる
アルバイト先が住民票の提出を求めるのは、正確な身元を把握するためです。
もしも正確な身元を把握せずに、未成年を22時以降まで働かせたり、風俗業で働かせたりしてしまうと、雇用主が罰せられてしまいます。
履歴書は自分で記入するので、ごまかそうと思えば可能ですが、住民票は自治体が管理している公的な書類であるため、正しい住所や生年月日が確認できます。
また、アルバイトで働いていた人が急に出勤しなくなった場合も正しい住所を把握していれば連絡を取ることができるでしょう。
住民票の住所が実家のままで現住所と違っていたとしても、実家に連絡できるため安否確認が可能です。
なお、住民票に記載されている情報は以下のとおりです。
- 名前
- 生年月日
- 性別
- 住所
- 住民となった年月日
- 世帯主の名前と続柄
18歳未満の雇用では年齢確認できるものの保存が義務付けられている
18歳未満を雇用する場合、住民票の保存が労働基準法によって義務付けられています。
そのため、18歳未満を雇う雇用主は、新しく採用した人に住民票の提出を依頼するのです。
労働基準法第五十七条では、以下のように記載されています。
使用者は、満十八才に満たない者について、その年齢を証明する戸籍証明書を事業場に備え付けなければならない。
アルバイトの住民票はどうやって入手する?
住民票には、以下の5通りの入手方法があります。
- 市区町村の役所で発行する
- コンビニのマルチコピー機で発行する
- 郵送で役所から送付してもらう
- スマートフォンアプリを利用して請求する
- 郵便局から発行を申請する
順番に説明していきます。
市区町村の役所で発行する
住民票の一般的な発行方法は、市区町村の役所で申請する方法です。
窓口で住民票の交付が請求できるのは「本人または本人と同じ世帯の人」と、法律で定められています」。
住民票を発行してもらうためには、以下の発行手数料と本人確認書類が必要です。
- 発行手数料:自治体により異なる(目安として300~400円程度)
- 本人確認書類:運転免許証・パスポート・マイナンバーカード・住民基本台帳カード(写真付き)・在留カードなど
本人確認書類は上記以外にも多数ありますが、いずれか1種類、もしくは2種類を提出すれば問題ありません。
上記以外の本人確認書類について、詳しくは各自治体のホームページを確認してください。
なお、自分で窓口に行けない場合は代理人による請求もできます。
自治体のホームページから委任状に記載する内容を確認し、必要事項を記載した書類を準備しましょう。
様式は決まっていないので便箋などを使用しても良いですし、ホームページのデータを印刷して提出することも可能です。
代理人に委任状・発行手数料・本人確認書類を渡し、代わりに発行手続きをしてもらいましょう。
コンビニのマルチコピー機で発行する
コンビニのマルチコピー機でも住民票を発行することができます。
発行可能時間帯や必要なものは下表のとおりです。
利用時間帯 | 6:30~23:00(一部市区町村を除く) |
利用できる市区町村 | 1204市区町村(2023年11月08日現在) 詳細はこちら |
必要な本人確認書類 | マイナンバーカード |
交付手数料 | 市区町村により異なる |
利用可能な店舗 | セブン-イレブン ローソン ファミリーマート セイコーマート イオン イオンスタイル ミニストップ ポプラ ウエルシア薬局など |
コンビニでの発行は早朝から夜遅くまで利用でき、土日祝日も使えるので非常に便利です。
交付手数料は市区町村により異なります。
多くの場合窓口での交付手数料より安くなっていますので、市区町村のホームページを確認してください。
郵送で役所から送付してもらう
必要書類を郵送することで、役所から住民票を送付してもらうこともできます。
その際に準備するものは以下のとおりです。
〇準備物品
- 交付請求書:様式は決まっていないため必要事項を記載した便箋でもOK
- 本人確認書類のコピー
- 手数料:自治体により異なる(目安として300~400円程度)、定額小為替を同封
- 返信用封筒:請求者の住所・氏名を記入し切手を貼ったもの(急ぐ場合は速達と表記し速達分の切手を追加で貼ること)
上記の準備物品が揃ったら、市区町村のホームページに掲載されている宛先に送りましょう。
郵送で請求する場合は、手元に届くまで一週間程度かかります。
最寄りにコンビニ交付を行っている場所がない場合や、役所の開庁時間にいけない場合に利用しましょう。
スマートフォンアプリを利用して請求する
一部の自治体では、スマートフォンアプリを利用して請求できます。
〇準備物品
- マイナンバーカード
- 署名用電子証明書暗証番号(6桁以上)
- NFCまたはFelicaに対応したスマートフォンとアプリ
- クレジットカード
株式会社グラファーのアプリに対応した自治体では、手数料と郵送手数料を負担すれば、役所から郵送で住民票を受け取ることができます。
ただし、速達での郵送には対応していないので、すぐに住民票が欲しい方はコンビニ交付や役所の窓口で請求しましょう。
決済方法はクレジットカードのみです。
郵便局から発行を申請する
郵便局から住民票の発行を依頼する方法を紹介します。
大分県宇佐市では、市役所の本庁・支所・出張所から2km以上離れている郵便局でのみ手続きすることが可能です。
また、宇佐市の郵便局からの手続きは本人か同じ世帯の人が住民票の写しを発行できます。
住民票の写しの発行には300円必要です。
必要な本人確認書類の一例を紹介します。
- 運転免許証
- パスポート
- マイナンバーカード
- 住民基本台帳カード(写真付き)
上記以外にも、官公署が発行した、顔写真付きで有効期限内の証明書であれば、本人確認書類と認められます。
なお、市町村により本人のみ発行が認められる場合もあるので、対応している郵便局が近くにある場合は事前に条件や手数料などを確認しておくと良いでしょう。
アルバイトの住民票に関するよくある質問
アルバイトの住民票に関するよくある質問と、その回答をそれぞれ紹介します。
- アルバイト先に提出するのに住民票の代わりになるものはありますか?
- 住民票の写しを提出するように言われたので住民票をコピーしたら良いですか?
- アルバイト先の会社に本籍が書かれている住民票が必要な場合どうしたら良いですか?
アルバイト先に提出するのに住民票の代わりになるものはありますか?
住民票は個人情報が多く記載されているため、提出するのに抵抗がある人もいるでしょう。
そういった場合は、住民票記載事項証明書を提出してください。
最近は個人情報保護の点から、住民票ではなく住民票記載事項証明書の提出を求めるアルバイト先も増えています。
住民票記載事項証明書とは、住民票の記載事項の一部を抜粋し、住民票記載事項と間違いないことを証明する書類です。
一般的に住民票記載事項証明書で証明する内容は以下の4種類です。
- 住所
- 氏名
- 生年月日
- 性別
住民票の提出に抵抗がある方は、店長に住民票記載事項証明書でも可能か確認してみましょう。
住民票の写しを提出するように言われたので住民票をコピーしたら良いですか?
アルバイト先から「住民票の写し」の提出を求められた際は、窓口で発行された書類をそのまま提出してください。
住民票の「写し」=コピーではありません。
窓口で発行され、手渡された書類自体が住民票の写しです。
コピーした書類は「住民票の写しのコピー」になり、公的な証明書ではなくなります。
そもそも住民票は住民基本台帳として市区町村で保管されているため、原本の請求はできません。
窓口で請求できるのは住民基本台帳の情報を写した書類です。
そのため、住民票の写しの提出を求められた際は、窓口で受け取った書類をそのまま提出してください。
アルバイト先の会社に本籍が書かれている住民票が必要な場合どうしたら良いですか?
アルバイト先へ本籍が書かれている住民票の提出が必要な場合は、なぜ本籍が必要か問い合わせてください。
厚生労働省では、雇用主が労働者を採用する際に必要のない情報を収集しないよう喚起しています。
本籍を把握することで差別につながる可能性もあるので、本籍が必要ないのであれば、本籍不要の住民票や住民票記載事項証明書を提出しましょう。
アルバイト先への住民票提出には便利な発行方法が増えている
アルバイト先への住民票提出は、以下の2つの理由があり必要です。
- 身元の証明になる
- 18歳未満を雇用する際は年齢確認できるものの保存が義務付けられている
住民票は一般的に市区町村の役所の窓口で発行してもらいますが、他にも以下のような方法で入手することが可能です。
- コンビニのマルチコピー機で発行する
- 郵送で役所から送付してもらう
- スマートフォンアプリを利用して請求する
- 郵便局から発行を申請する
なかでもコンビニのマルチコピー機を利用する方法は、窓口が閉まっている時間でも住民票が手に入るため、おすすめです。
便利な発行方法を利用し、アルバイト先に住民票を提出してください。