公務員の面接・書類選考を通過するには、明確な志望動機を伝える必要があります。
しかし福利厚生や収入の安定をそのまま志望動機に挙げてしまうと、自分中心の考えを持っているととらえられる、志望先への印象が悪くなる可能性が高いです。
では、公務員の志望動機で印象を良くするにはどうすれば良いのでしょうか。
今回は、公務員の志望動機で印象を良くするコツとNG例を合わせて解説します。
目次
公務員の志望動機をまとめるには?
公務員の志望動機をまとめるためには、まず仕事への具体的な理解が必要です。
公務員の面接では、配属先や仕事内容の希望を質問されることがあるでしょう。
希望を問われた際には、漠然と配属先や仕事内容を答えるだけでなく、希望する理由や採用後の目標を添えることが大切です。
例えば、自治体で福祉関係の仕事を希望している場合には「福祉関係の仕事を通じて、地域包括ケアの促進に携わりたい」など、地域貢献への気持ちを理由にするのも良いでしょう。
他にも、地方公務員を希望している場合には「より住みやすい社会にする取り組みをしたい」など、普段の生活で感じている自治体の改善点があれば、そこに貢献したい気持ちを表現する志望動機に言い換えられます。
ただし、自治体の改善点を挙げる際には、ただの指摘にならないように注意しましょう。
明確な志望動機を挙げるためにも、志望先の仕事を具体的に理解しておく必要があります。
公務員の志望動機で好印象を与えるコツ
公務員の志望動機で好印象をめざす際には、社会人なのか新卒なのかなどの立場によって、とるべきアピール方法が異なります。
例えば、社会人で志望先と前職の業務が関連する場合には、自身の経験で貢献できることをアピールすることが可能です。
ここからは、公務員の志望動機で好印象を与えるコツを、立場ごとに詳しく解説します。
【社会人・未経験】公務員を選んだ理由をアピール
社会人で公務員の仕事が未経験の場合には、公務員を選んだ理由で仕事への熱意をアピールします。
前職の経験や興味を持った理由に注目して、志望動機に言い換えましょう。
自身の経験から活かせる可能性をアピールする
社会人で公務員の仕事が未経験の場合には、現時点で自分ができることを伝えて、公務員の仕事に貢献できる可能性をアピールしましょう。
他業種での実績だとしても、採用ニーズに合っている内容であれば、採用担当者に有用な人材であるという良い印象を与えられます。
例えば、「コスト削減が課題のプロジェクトに携わった経験で、効率的に業務を推進できる」や「福祉関係の仕事に携わった経験で、高齢化対策に貢献したい」などです。
前職で培った経験と熱意を組み合わせることで、印象の良い志望動機にまとめられます。
興味を持った理由を明確にアピールする
志望先の仕事と前職との関連性が低い場合には、公務員に興味を持った理由を志望動機に言い換えましょう。
そのためにも、まずはなぜ公務員に興味を持ったのかを明確にします。
公務員の仕事に興味を持った理由は、普段の生活に関連させて考えると良いでしょう。
具体的には「自分が住民として生活するうえで、提供する立場になりたいと考えるようになった」や「生まれ育った地域に貢献したい」などです。
さらに明確な志望動機にするには、公務員でなくてはいけない理由を考えておきましょう。
なぜなら、面接の際に民間企業ではなく公務員を志す理由を聞かれる可能性が高いためです。
【社会人・経験者】即戦力をアピール
社会人で経験者の場合には、志望先で即戦力になれることをアピールしましょう。
志望者が社会人の場合、採用担当者は必要なスキルを備えた人材であるかどうかを基準に採用を判断します。
そのためには、仕事への熱意だけでなく、資格や経験、実績などを加えて志望動機をまとめましょう。
資格・経験で貢献できることをアピールする
前職で取得した資格や経験が志望先の仕事内容に活かせそうな場合は、具体的に伝えることで積極的にアピールしましょう。
資格や経験をアピールする際には、採用後にどのように貢献できるのかを伝えることがポイントです。
民間企業で営業経験がある場合には、コミュニケーション能力の高さが公務員の仕事においても強みになると言い換えられます。
例えば「相手に配慮できるコミュニケーション能力で、住民の問い合わせにもスムーズに応対できる」などです。
資格や経験をアピールする際には、採用後にできることを添えて印象アップにつなげましょう。
退職理由を志望動機に言い換える
退職理由の内容を整理して伝えることで、退職理由と一貫性のある志望動機に言い換えられます。
なぜなら、企業が志望者に前職の退職理由を質問するのは、志望者のモチベーションの把握やミスマッチを防止するためだからです。
例えば、退職理由が給与の低さだった場合には、「前職では成果に対しての正当な評価が欲しいと感じていたが、志望先では叶えられる環境が整っていると感じられたため」と志望動機として伝えられます。
【新卒・未経験】熱意をアピール
新卒の場合は社会人としてのキャリアがないため、熱意や意欲をアピールします。
熱意としてアピールできるような志望動機が見つからない場合には、就職後にどのような仕事をして貢献していきたいのかを考えましょう。
また、志望先に熱意を伝える際には、公務員でなくてはならない理由を考えておくことも大切です。
公務員でなくてはならない理由には、生まれ育った地域に貢献したい気持ちや具体的な取り組みに興味があることなどが挙げられます。
公務員の志望動機でNGな例文
ここからは、公務員の志望動機でNGな例文を紹介します。
NGの理由も合わせて紹介するので、公務員の書類選考や面接を通過するためにお役立てください。
業務と方向性が異なるアピールをする
小学生の頃、母と〇〇市役所へ訪れたとき、入口で職員の方が親切に母を案内してくれました。
母がスムーズに用事を済ませられるように説明してくれていたのが印象的で、今でも記憶に残っています。
私も職員の方のように地域の方に貢献できる大人になるために、〇〇市役所の職員を志望します。
地域に貢献したい気持ちは公務員の志望動機で好印象につなげやすいですが、どのように貢献したいか具体性が乏しい場合には仕事への熱意をアピールできません。
上記の例でより良い志望動機とするためには、職員の方のどのような対応に心惹かれたのかを深掘りしましょう。
市の職員として貢献できる能力があることがアピールできれば、志望先への印象が良くなります。
転職の履歴書で待遇を志望動機にする
週末にしっかりと休暇を取ることで、平日は仕事に集中して取り組めると考えています。
〇〇市の職員として市民に役立てるよう情熱を持って働きたいです。
履歴書やエントリーシートで待遇を強調しすぎると、貢献の気持ちに欠ける人物だと思われる恐れがあるため、控えたほうが良いでしょう。
面接で前職の不満を話す
怒鳴ったり人間性を全否定したりするような上司でした。
さらに前職は残業が当たり前の職場で、職場環境からしても良い企業とはいえませんでした。しかし、〇〇市役所の職員の方は和やかな雰囲気で、前職の職場のような切迫した雰囲気を感じません。
雰囲気の良い職場で働きたいと思い、〇〇市役所の職員を志望いたしました。
志望動機や前職の退職理由を聞かれた際に不満を話した場合、辞めた職場の悪口をいう人物だという印象を与えてしまう可能性が高いです。
前職の退職理由を志望動機につなげる場合には、「自身の思い描くキャリアプランを達成するために、より最適な職場環境を探したいと思った」のように、ポジティブな印象に変えられるよう言い換えましょう。
公務員の志望動機は自分の強みを置き換えて表現してみよう
公務員の志望動機は、自分の強みと採用後にどのようなことができるのかを関連させて伝えることが大切です。
さらに、志望動機で好印象を狙う場合には、「なぜ公務員なのか」を深掘りしたうえで、採用担当者が納得できる志望動機を提示しましょう。