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看護師のキャリアプランとは?キャリアプランの具体例や立て方について紹介

この記事の監修者
綿引亜衣
綿引 亜衣
【資格】
国家資格キャリアコンサルタント

【プロフィール】
総合人材サービス企業にて法人企業の採用支援、キャリアアドバイザー職に10年間携わる。名古屋での勤務経験があり、地域特性を踏まえた面接対策や、Uターン転職支援にも強みを持つ。これまで採用支援経験のある業界は広告・不動産・建設・消費財・通販業界など。その後求人サイトのマーケティング職を経て、現在は 総合人材サービス企業の広報業務に従事。

看護師の仕事は非常にやりがいがあり、患者さんとの深いつながりを感じられる一方で、体力的・精神的に厳しい面もあります。
日々忙しい業務に追われるなかで、キャリアプランを考えるのは簡単ではないかもしれません。

しかし、自分のめざすキャリアを実現するためには、将来を見据えたキャリアプランが不可欠です。
自分の看護観を見つめ直し、理想とする看護師像を明確にすることで、キャリアプランを立てる道が見えてきます。

本記事では、看護師がキャリアプランを立てる重要性やその方法、具体的なキャリアパスの例について解説します。

看護師のキャリアプランとは

看護師のキャリアプランとは

キャリアプランとは、自分がめざす仕事内容や働き方を実現するための具体的な行動計画のことです。
これには、短期的な目標から長期的な目標までを含みます。

例えば、将来看護部長のような管理職につきたいと考えている場合、看護師としての専門的なスキルだけではなく、部下を育成したり、病棟を統率するためのマネジメント能力も必要とされます。
管理職に必要なスキルを身につけるために、次のような具体的な行動計画を立てることが有効です。

  • 看護師3年目までに新人教育に参加する
  • 5年目までに委員会のリーダーに就任する
  • 7年目以降にマネジメント研修に参加する

このように、キャリアプランは目標達成に向けた道筋を具体的に描くものです。
「キャリアプラン」とよく似た言葉に「キャリアパス」があります。
キャリアパスとは、病院などの勤務先で示されるキャリアアップのための道筋や進路のことを指しますが、キャリアプランは個々の看護師が自分自身の目標に合わせて設定するものです。

看護師がキャリアプランを考える必要性

看護師がキャリアプランを考える必要性は、大きく分けて3つあります。

理想の看護師に近づける

キャリアプランを立てて実行することによって、理想の看護師像に近づくことができます。

看護師という職業は幅広く、勤務する場所や専門分野(診療科)によって求められるスキルや提供する看護の内容が異なります。
まずは自分自身の看護観を見つめ直し、どのような看護師になりたいかという目標を明確にすることが大切です。

理想とする看護師像を実現するためには、どのような知識や技術、経験が必要かを整理し、それをキャリアプランに組み込むことが重要です。
これにより、段階的に自分の目標に近づき、理想の看護師像を実現できるようになります。

仕事のモチベーションを高める

キャリアプランを明確にすることは、毎日の仕事へのモチベーション向上にも大きな影響を与えます。

日々の業務と将来のキャリアプランがどのように関連しているかを理解することで、ただ業務をこなすのではなく、業務の目的や意義を意識して取り組むことができます。
これにより、業務を通じて自分の成長を実感し、積極的に自己研鑽に励むことができるようになるでしょう。

このように、キャリアプランを持つことで、日々の仕事に対する意欲を高め、仕事に対する積極的な姿勢を保ちやすくなるのです。

転職の際に自己PRできる

キャリアプランを明確にしておくと、就職・転職活動の際に効果的に自己PRができます。

就職や転職の際には、志望動機を問われることがよくあります。
キャリアプランを事前に考えておくことで、志望理由を論理的かつ具体的に説明できるため、面接での説得力が増すのです。
また、自分のキャリアが応募先の求める人材像にぴったり合致していることをアピールすることも可能です。

このように、キャリアプランを持つことで、就職・転職活動を有利に進めることができ、希望する職場への道が開けやすくなります。

看護師のキャリアプランの例

看護師のキャリアプランの例

看護師のキャリアプランには、大きく分けて以下の3つの方向性があります。

  • スペシャリスト
  • ゼネラリスト
  • 看護マネジメント

それぞれのキャリアパスにおける概要や、めざす際に心がけるべきポイントを以下にまとめました。

スペシャリスト

「スペシャリスト」とは、特定の分野において高度なスキルや知識を持つ看護師のことです。
具体的には、「認定看護師」「専門看護師」がスペシャリストに該当します。

スペシャリストとして専門分野を持つことで、特定の領域に強みを発揮でき、患者さんに対して質の高い看護を提供可能です。
また、他のスタッフへの指導やコンサルティングも行うことができ、組織内での役割も大きくなります。

スペシャリストをめざす場合は、早い段階から自分の興味がある分野を見つけ、認定看護師や専門看護師の資格取得に向けて計画的に努力することが大切です。

ゼネラリスト

「ゼネラリスト」とは、特定の診療科や看護分野に縛られることなく、どのような領域の患者さんにも柔軟に対応できる看護師のことです。
ゼネラリストは、これまでの臨床現場での経験を活かし、どのような場面でも一定以上の看護ケアを提供できます。
そのため、幅広い知識や対応力が求められ、さまざまな患者さんに対応できる強みを持っています。

ゼネラリストをめざす場合は、複数の診療科での経験を積み、さまざまな状況に対応できる知識やスキルを広げることが重要です。

看護マネジメント

「看護マネジメント」とは、部門全体を統括し、組織の運営に関わることです。
一般的には、看護部長や看護師長などの役職が該当します。
患者さんへのケアだけでなく、部門全体を一つの組織としてとらえ、スタッフが働きやすい環境を整えることが役割です。
また、組織全体の運営やスタッフの指導・育成、業務の効率化なども求められます。

看護マネジメントをめざす場合は、リーダーシップを発揮しながら、部下の育成や組織運営に関するスキルを学ぶことが大切です。

看護師のキャリアプランの立て方

看護師のキャリアプランの立て方は、現在の立場やめざす役職によって異なります。
自分の現状を把握し、どの方向に進みたいのかを明確にすることが重要です。
以下では、現在の立場やめざす立場に応じたキャリアプランの立て方について解説します。

看護師としてのキャリアアップをめざす場合

看護師としてのキャリアアップをめざす場合、まずはこれまでの看護経験を振り返るところから始めましょう。

これまでの仕事のなかでやりがいを感じたことや、反対に困難を感じたことを洗い出し、それを通して自分の適性や理想とする看護師像を客観的に見つめ直します。
自分がめざす看護師像を明確にしたあと、現在のキャリアを再評価し、そこからどのような行動が必要かを計画します。

例えば、認定看護師をめざす場合は、必要な研修や資格取得に向けて学習計画を立て、ステップアップに必要なスキルを磨くことが重要です。

看護学生から新卒で看護師になる場合

看護学生の場合は、まず看護師をめざすきっかけを振り返り、自分が達成したいキャリアについて考えることが大切です。

そのうえで、学校の先輩に臨床現場の話を聞いたり、病院の就職説明会に参加して情報を収集し、より具体的に看護師として働く姿をイメージします。
その過程で、自分の興味や希望に合ったキャリアを現実的に描くことができます。

例えば、小児看護に興味がある場合は、小児科のある病院への就職を検討したり、小児看護に特化した研修参加を計画に組み込むなど、専門性を高めるためのステップを踏んでいくことが重要です。

看護師からの転職を考える場合

看護師から看護師以外の職業へ転職を考える場合は、まずは自己分析を行い、自分の強みやスキルを明確にすることが重要です。
そのうえで、転職エージェントを活用するなどして、情報収集を行いましょう。

転職理由を深掘りすることで、転職先を選ぶ軸が明確になり、転職先で自分の強みをどのように活かせるかを考えることができます。

例えば、産業保健師(産業看護師・企業看護師)への転職を考える場合は、臨床経験を活かしたカウンセリングや、健康診断をはじめとする予防医療のありかたを考えることができます。

看護師がキャリアプランを立てる際のポイント

看護師がキャリアプランを立てる際のポイントは、以下の3つです。

  • 自己分析を行う
  • 情報収集を行う
  • 目標に向けて行動する

自己分析を行う

キャリアプランがまだ明確でない場合は、まず自己分析を行うことから始めます。
自己分析とは、これまでの経験やその際に感じた気持ちを整理し、自分の強みや弱み、価値観などを把握して、客観的に自分を理解するプロセスです。

自己分析の方法の一つに、「自分史」の作成があります。
小学校から高校までの各時期に経験したことを箇条書きにし、その時の感情や学びを振り返ることで、自分の成長や変化を明確にするものです。
このプロセスを通じて、適性や興味・関心が見えてきて、キャリアプランをより具体的に描くための土台を作ることができます。

情報収集を行う

キャリアプランを明確にするためには、さまざまな方法で情報収集を行いましょう。

理想とするキャリアに向けて、どのようなスキルや経験が必要なのかをしっかり把握することが大切です。
具体的には、先輩看護師に相談したり、転職エージェントと話をしたり、研修や勉強会に参加したりすることで、必要な情報を得ることができます。

情報収集を行うことで、キャリアプランをより具体的に描けるようになり、次のステップに向けての方向性が明確になります。

目標に向けて行動する

めざすキャリアが明確になり、実現に向けて必要な情報収集が完了したあとは、実際に行動するための計画を立て、その計画に沿って実行していきます。

行動計画を進めるなかで、定期的に自分の進捗を振り返り、必要に応じて計画を見直すことも大切です。
目標に向かって着実に行動し続けることで、理想の看護師像に近づき、キャリアを実現できるでしょう。

看護師のキャリアプランを立てて理想の看護師に近づこう

本記事では、看護師のキャリアプランとは何か、キャリアプランを立てる重要性、具体的なキャリアプランの例、そしてキャリアプランの立て方について解説しました。

看護師のキャリアプランを考えるのは簡単ではありませんが、自己分析を行い、情報収集を行ったうえで、目標に向けて行動していくことが大切です。

自分の理想の看護師像に近づくためには、計画的にキャリアを積んでいくことが必要です。
キャリアプランをしっかり立てて、理想の看護師をめざして一歩一歩進んでいきましょう。

執筆者について

転職情報かる・けるは、転職や就職を目指している人の「知りたい」に応えるメディアです。 全国71,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信! “いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。 https://x.com/karu_keru

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