特定社会保険労務士／AFP／2級ファイナンシャル・プランニング技能士／第一種衛生管理者
やまもと社会保険労務士事務所 代表
【プロフィール】
企業の情報システム、ならびに人事部門で28年の実務経験あり。クラウドソフトなどを推進している「システムのわかる社会保険労務士」です。
労働相談、人事労務管理、就業規則作成、給与計算が得意です。労働相談は、労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができます。各種手続きは電子申請対応ですので全国対応可能です。 また、各種サイトでの人事労務関係記事の執筆や監修も行っています。
新しい職場で働き始めると、実際の業務内容や職場の雰囲気が自分に合わないと感じることもあります。
特に試用期間中は、会社と社員の双方が適性を見極める大切な期間です。
試用期間中に退職しようと考え、「退職届は必要なのだろうか」「どのように退職の意思を伝えれば良いのだろうか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、試用期間中の退職に際して、退職届の必要性や提出時期、書き方のポイントについて詳しく解説します。
目次
試用期間中に退職する場合、退職届はいらない？
試用期間中に退職する場合、退職届を提出する必要があるのでしょうか。
一般的に、試用期間中であっても労働契約を交わしている社員であることに変わりはありません。
そのため、会社の就業規則に従って退職届を用意するのが通例です。
ただし、会社都合での退職の場合は、退職届は必要ありません。
試用期間中の退職は何日前に伝える？
試用期間中に退職する際は、どのくらい前に伝えるべきでしょうか。
退職を決断して企業側に願い出る際は、民法により退職予定日の2週間前までに申し出を行うことになっています。
民法の第627条第1項によると、当事者が雇用の期間を定めなかったときは、いつでも解約の申入れをすることができます。
ただし、解約の申入れの日から2週間を経過することによって雇用が終了すると定められているのです。
つまり、試用期間だからといって、原則即日退職はできません。
試用期間中における退職届の書き方
試用期間中に退職届を書く際は、退職理由によって書き方が異なります。
ここでは、代表的な退職理由別の退職届の書き方を紹介します。
社風が合わない場合
社風が合わない場合は、人間関係や雰囲気についての理由をぼかしたほうが、トラブルの心配がありません。
例えば、入社前に想像していた社内のイメージと実際のイメージがかけ離れており、試用期間であるが退職という結論に至ったといった内容で書くと良いでしょう。
社風が悪いのではなく、あくまで自分には合わないという内容を伝えることが大切です。
業務内容にミスマッチがある場合
実際に仕事をしてみると、業務内容にミスマッチがあることが判明するケースがあります。
例えば、入社前に聞いていた内容よりも多岐にわたる業務に、ギャップを感じているという内容で書くと良いでしょう。
入社前に想像していた業務内容と、実際の業務内容が大きく異なることを伝えたうえで、自分には合っていないという内容を述べます。
体調不良の場合
仕事をしていくうえで、体調や体力面に不安を感じることもあるでしょう。
例えば、これまで体と相談しながら無理のない範囲で業務をこなしてきたが、長時間の勤務が難しくなっているという内容で書くと良いでしょう。
できるだけストレートかつシンプルに退職を申し出ることが大切です。
家庭の事情の場合
ご家族の介護やパートナーの転勤にともなう引越しなど、家庭の事情で退職しなければならなくなった場合は、率直に伝えましょう。
例えば、勤務時間や業務内容の変更を願い出ることも考えたが、介護との両立は難しいと判断し、退職を決意したという内容で書くと良いでしょう。
家庭の事情が建前である場合は、具体的な理由は言わず端的に伝えることが重要です。
試用期間中に出す退職届について知って参考にしよう
試用期間中に退職する場合でも、退職届の提出は必要です。
会社の就業規則に従って退職届を用意し、退職予定日の2週間前までに申し出ましょう。
退職理由によって退職届の書き方は異なりますが、社風が合わない場合や業務内容にミスマッチがある場合は、理由をぼかすことがポイントです。
体調不良や家庭の事情が理由である場合は、率直に伝えることが大切です。
試用期間中の退職は、しっかりと準備をして臨むようにしましょう。
転職情報かる・けるは、転職や就職を目指している人の「知りたい」に応えるメディアです。
全国80,000件以上の求人を扱う弊社スタッフが、編集部として情報発信！
“いい仕事が見つかる・いい仕事を見つける”ための、有益なコンテンツをお届けします。
とは?