運転免許は、履歴書の免許・資格欄に記入されるものとして一般的な免許です。
しかし、「正式名称を知らない」「そもそも記載は必要なのか」など、記入する際の疑問点も多いのではないでしょうか。
今回は、履歴書へ運転免許を記入する際の正しい書き方について解説します。
正しく記入する際の見本やポイント、また注意点を確認していきましょう。
目次
履歴書に運転免許の記入は必須?
履歴書の資格記入欄には、応募職種と関連するものを優先して記入します。
そのため、応募先が運転免許を必須とする仕事であれば必ず記入をしましょう。
ただし、運転する機会がない職種であっても運転免許を持っている場合は記入することが一般的です。
応募先の業務内容と関連度の高い資格から順に記入していき、運転をしない職種の場合はそれらのあとに運転免許を記入しましょう。
ここからは記入が必要な免許・資格と、記入すべきでないものについて紹介します。
履歴書に書くべき資格
- 運転免許
- 応募先と関連する免許・資格
- 語学系資格
- 国家資格
先述のとおり、応募先と関連度の高い免許・資格は必ず記載しましょう。
特に、未経験の職種にチャレンジする場合は、関連性の高い資格の有無が採用のポイントとなるケースもあります。
例えば、医療事務に応募する場合は、メディカルクラークなど関連資格を取得しているならば、優先的に記入してください。
外資系の企業に応募するのであれば、就職後に外国語を扱うことが予想されるため、語学系の資格を優先的に書くと良いでしょう。
ほかにも、国家資格を取得している場合は記入しておきましょう。
過去の職種を照明することができるほか、難関資格であれば勉強熱心であることをアピールできます。
履歴書に書かないほうが良い資格
業務と無関係の資格を書いてしまうと、ミスマッチだと判断される可能性があります。
そのため、内容によっては趣味・特技の欄に記入しましょう。
また、簡単に取得できる資格も書かないことが一般的です。
検定や語学系資格はレベルによって書くべきでない場合もあり、英検5級、TOEIC500点などはマイナスイメージにつながります。
履歴書に運転免許を正しく記載する手順と見本
履歴書に運転免許を記入する場合、いくつかのポイントをおさえておくことが必要です。
正しい書き方と見本を手順に沿って確認しましょう。
正式名称と年月日を確認
履歴書には正しい名称と取得年月日を記載します。
取得年月日は、免許証の左下の欄に記載されています。
住所欄の下に記載されている交付日は、取得日とは異なるので注意しましょう。
また、一般的に運転免許証と呼ばれている普通自動車免許の正式名称は、「普通自動車第一種運転免許」です。
それ以外の正式名称は、後述する正式名称一覧を参照してください。
運転免許の正式名称一覧
自動車や二輪車の免許は15種類あり、免許証左下の取得日の右側に記載されています。
それぞれの正式名称は以下のとおりです。
略称 | 正式名称 |
---|---|
普通 | 普通自動車第一種運転免許 |
中型 | 中型自動車第一種運転免許 |
準中型 | 準中型自動車免許 |
大型 | 大型自動車第一種運転免許 |
原付 | 原動機付自転車免許 |
普自二 | 普通自動二輪車免許 |
大自二 | 大型自動二輪車免許 |
小特 | 小型特殊自動車免許 |
大特 | 大型特殊自動車免許 |
普二 | 普通自動車第二種運転免許 |
中二 | 中型自動車第二種運転免許 |
大二 | 大型自動車第二種運転免許 |
大特二 | 大型特殊自動車第二種免許 |
け引 | 牽引自動車第一種運転免許 |
け引二 | 牽引自動車第二種運転免許 |
オートマ限定の場合「(AT限定)」と記入
オートマ限定の場合は、その旨も記載しておきましょう。
応募先によっては確認されることもあります。
オートマ限定であっても免許の名称自体は変わらないため、正式名称の後ろに付け足す形で「普通自動車第一種運転免許(AT限定)」と記入しましょう。
なお、マニュアルの場合はMTやマニュアル可など特別な記載は不要です。
運転免許は一番上に記入、その他は時系列
運転免許証は、資格記入欄のいちばん上に記載します。
それ以外の資格は、取得年月日が古い順に記載してください。
ただし、業務に直接関連のある資格を複数持っている場合は優先順位を決め、必要のないものは運転免許であっても省略するなど、臨機応変な対応をしましょう。
西暦・和暦の表記を統一
取得年月日の表記は、和暦・西暦のどちらでも構いませんが、1枚の履歴書のなかで統一されている必要があります。
学歴・職歴欄の表記と、資格記入欄の表記が同じになるようにしましょう。
名称の後ろに1文字分あけて「取得」と記入
免許の正式名称を書いた後ろに、「取得」と記入します。
このとき、名称のあとに1文字分のスペースを空けて書くことがルールです。
右下に「以上」と記入
免許や資格をすべて書き終えたら、右下部分へ「以上」と記入します。
ただし、「以上」は絶対に記入しなければならないものではありません。
複数の免許や資格を持っていて書くべき内容が多い場合、そちらを優先して記入します。
履歴書に免許を記入する際の注意点
履歴書の免許・資格欄は採用時に必ずチェックされる項目のため、間違いがあってはいけません。
正しく記入するにあたっての注意点を、2点解説します。
2017年(平成29年)3月以前に取得している場合
2017年(平成29年)3月12日の道路交通法改正により、新たな運転免許証の種類として、準中型が追加されました。
準中型は、車両総重量7.5トン未満の児童車を運転できる免許証です。
従来の制度において、5トン未満の自動車は、普通自動車第一種免許を所持していれば運転できました。
しかし、準中型の追加にともない、2017年3月12日以降に普通自動車第一種免許を取得した人が運転できる自動車は、3.5トン未満に変更されました。
2017年3月11日以前に取得した普通自動車第一種免許では、従来どおり5トン未満のトラックを運転することが可能です。
運転区分が就業内容に関わる場合、2017年3月11日以前に取得した方は、「普通自動車第一種免許(現行制度・5t限定 準中型免許)」といった記載をすると良いでしょう。
「取得」「合格」の使い分け
履歴書に運転免許を記入する場合、名称のあとに「取得」と記載しますが、免許や資格によっては「取得」ではなく「合格」と表記することがあります。
取得は、免許がないと業務を行えない資格に用いる言葉です。
具体例としては、医師、税理士、教師、自動車の運転などが該当します。
また、TOEICといった点数の出る試験も取得と記入するルールです。
合格は、一定の基準を満たすことで得られる場合に用います。
英検や簿記など合格証・認定証が発行されるケースで使用する言葉です。
履歴書に免許を記入する際のよくある疑問
最後に、免許について記入する際のよくある疑問4点と、その回答を紹介します。
免許や資格がない場合は?
免許や資格を一切持っていない場合は、空欄にはせず「特になし」と記載します。
空欄のままにしていると、採用担当者は資格がないのか記入漏れなのか判断ができません。
また、空欄では雑な印象を与えてしまう恐れもあります。
履歴書に空欄をつくらず、ないことを明確に示すために、その旨を記入しましょう。
書ききれない場合は?
複数の資格を取得していて免許・資格欄に書ききれない場合、応募先との関連性を考えて記入する優先順位をつけましょう。
求人の応募条件に「必須」と記載ある資格は、絶対に記入しなければなりません。
くわえて、「取得している方歓迎」と記載してあるものを持っているケースでも必ず記入しましょう。
例えば、経理の仕事に関する募集で「簿記3級以上の合格者歓迎」とある場合、それを優先して記入すると採用担当者へのアピールになります。
反対に、業務にまったく関係のない免許や資格は省いても構いません。
ペーパードライバーの場合は?
ペーパードライバーであっても、免許を持っていることに変わりはないため、履歴書に記載しても問題ありません。
ただし、応募先で運転する可能性があるケースや、通勤に車を使わなければ難しい場合は、就業までに運転できる状態にしておきましょう。
また、面接時に運転スキルについて確認された場合、正直にペーパードライバーである旨を伝えることが大切です。
面接時に取り繕っても、就業してから実際に運転するシーンが出た場合、トラブルに発展する危険性があります。
取得予定の場合は?
応募先の業務に関係する資格であれば、取得予定や勉強中のものを記載することも可能です。
これらの免許について記入する場合、年月は空欄のままにし、正式名のあとに「取得予定」や「取得に向けて勉強中」の文言を追加します。
また、すでに受験は済んでいて結果待ちの場合など、合格見込みが出ているのであれば、正式名称の後ろに「令和5年3月取得予定」など具体的な日付を記載しましょう。
免許欄を正しく記載して好印象な履歴書に
履歴書に運転免許を書く際は、名称や取得年月日を正しく記入する、和暦・西暦を統一する、取得年月日順に記入するなどのポイントをおさえることが大切です。
また、免許や資格が多すぎて書ききれない場合は、業務との関連性によって優先順位をつけて記入します。
ポイントを押さえた履歴書で、内定獲得をめざしましょう。