メールの正しい書き方は、ビジネスマナーが備わっているかどうかの指針になります。
しかし、ビジネスメールの送受信経験がなければ、どのようなマナーがあるかを知らなくても不思議ではありません。
本記事では、ビジネスマナーをしっかりと考慮したメールの書き方と、送る際の注意点を解説します。
メールに関するビジネスマナーで失敗したくない人は、ぜひ参考にしてください。
目次
ビジネスメールのマナー|基本的な書き方
まずはビジネスメールの基本的な書き方を、以下の7つの項目に分けて紹介します。
- 宛先
- 件名
- 宛名
- 挨拶文
- 本文
- 締めの挨拶文
- 署名
宛先
宛先欄にTO、CC、BCCという文字を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
ビジネスマナーでは、この3種の宛先欄を正しく使い分けることが大切です。
ここでは3つの違いを解説します。
まず、「TO」はメールに対応してほしい相手の宛先を入れるものです。
「CC」は複写という意味のCarbon Copy(カーボンコピー)の略で、情報を共有したい人の宛名を入力します。
CCの宛先は受信者にも表示されるため、連絡先や情報共有が発覚しても問題ない場合に使いましょう。
「BCC」は見えない複写という意味のBlind Carbon Copy(ブラインドカーボンコピー)の略で、CCと同じく情報を共有したいときに使用します。
BCCとの違いは、宛先がメールの受信者に表示されないことです。
BBCの宛名は、受信者に送ったことを知られたくない相手とも情報を共有したいときに使うと良いでしょう。
どの宛先欄も複数の宛先を入れることが可能です。
件名
ビジネスメールでは、具体的でわかりやすい件名を書くことが大切です。
一日に何通もメールが届く場合、件名で優先順位を振り分ける人もいるでしょう。
わかりにくい件名を使うと、迷惑メールとして扱われる可能性もゼロではありません。
件名では「おはようございます」などの挨拶や「お願い」などの具体的な内容がわからない言葉を避け、内容が一目でわかるようにしましょう。
- 良い例「第3回定例会の内容確認」
- 悪い例「ご確認」
宛名
ビジネスメールでは、用件を書く前に宛名を書くようにしましょう。
宛名は名前だけではなく、「会社名、部署名、役職、氏名、様」の順に書きます。
会社名は「(株)」などと省略せず「株式会社」と書き、担当者名に敬称をつけましょう。
担当者が不明で部署しかわからない場合には、部署名に続いて「御中」と書きます。
社内メールでは会社名は必要ありませんが、部署が違う人には部署名から書きましょう。
挨拶文
宛名のあともすぐには用件に入らず、まずは挨拶文を書きます。
挨拶文には以下のようなものがあります。
はじめましての場合 | ・初めてメールさせていただきます。
・初めてご連絡しております。 |
2回目以降 | ・いつもお世話になっております。
・お世話になります。 |
久しぶりの場合 | ・ご無沙汰しております。 |
社内メールの場合 | ・おつかれさまです。 |
挨拶文のあとに、自分の会社名と氏名を記載して名乗るようにしましょう。
本文
本文を書くときに詳しく書こうとして、ボリュームが増えることがあるかもしれません。
しかし、できる限り簡潔に書くことが、読みやすさにつながります。
ビジネスメールでは意図が伝わるように書くことが大切なので、できるだけわかりやすさを重視しましょう。
おすすめは、結論から書くことです。
まず結論が書いてあると、相手は内容を想像して読みやすくなります。
また、用件が多い場合は箇条書きを利用するのも一つの方法です。
パッと見て読みやすいように文節ごとに改行し、全体のバランスを整えましょう。
締めの挨拶文
本文を書き終えたら、末尾には締めの挨拶文を書きます。
最初に心遣いをすることで、お互いが気持ち良くやりとりできるでしょう。
締めの挨拶例は以下のとおりです。
● 何卒よろしくお願い申し上げます。
● 引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
● ご不明な点がありましたら、お気軽にご連絡くださいませ。
● お手数をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
● お忙しいところ恐れ入りますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
● ご多忙と存じますが、ご連絡いただけますと幸いです。
● ご確認よろしくお願いいたします。
署名
メールの最後には、自分の連絡先情報を記した署名を付けましょう。
署名に含めるべき情報は以下のとおりです。
- 会社名
- 部署名
- 氏名
- 電話番号
- FAX番号
- 住所
- メールアドレス
- 会社ホームページのURL
メールソフトのなかには、設定しておけば自動的に署名が付く機能があるものもあります。
忘れないためにも、事前に設定しておくと良いでしょう。
自分の連絡先情報はいわば名刺のようなものです。
ビジネスマナーとしてしっかりと作成しておきましょう。
ビジネスメールの注意点
ここからはビジネスメールの注意点として、以下の4つを紹介します。
- 添付ファイルを正しく送る
- 送信前に最終チェックを行う
- インラインにはお詫びを添える
- スマートフォンから送る場合は改行をする
添付ファイルを正しく送る
添付ファイルを送る場合は、細心の注意を払う必要があります。
まずは容量や形式、安全性が正しいかをチェックしましょう。
例えば、容量が大きすぎる場合は相手先が受信できず、トラブルにつながる可能性もあります。
サイズの大きなファイルはファイル圧縮ソフトを利用したり、ファイル転送サービスなどで送ったりすれば安心です。
添付ファイルが開かない事態を想定し、ファイルを添付していることを本文中で相手に伝えておくことも大切です。
送信前に最終チェックを行う
送信前には、必ず最終チェックを行うようにしましょう。
宛先が間違っていると届かないため、メールアドレスはしっかり確認します。
また、敬語の使い方が正しいかどうかもチェックしたいポイントです。
よく聞く「ご苦労様です」は目上の人が使う言葉であり、目下の人が使うのはマナー違反なので、必ず「おつかれさまです」を使うようにしましょう。
その他にも、話し言葉にあたる口語はビジネスメールには向いていないため、使わないのが基本です。
細かい箇所までチェックすることで、相手とのやりとりがスムーズになり、信頼関係を築ける可能性が高まります。
インラインにはお詫びを添える
インラインとは、相手から送られてきたメールの文章を引用しながら返信することです。
インラインを使用する際には、まず文章を引用して返信することのお詫びを添えましょう。
インラインを使用することに不快感を覚える人がいる可能性があるからです。
一言「インラインで回答させていただきます」や「インラインで失礼します」などの言葉を添えるだけで、ぐっと印象が良くなるでしょう。
インラインを使用する際には、文頭に「>」をつけるのが基本です。
もし文章に誤字脱字があった場合でも、インラインでは修正せずにそのまま使うようにします。
スマートフォンから送る場合は改行をする
ビジネスメールはスマートフォンから送っても問題ありません。
なぜならば、どの端末からメールを送ったのか、受信者からは確認ができないからです。
ただし、スマートフォンからメールする際には注意したいことがあります。
それは、パソコンとスマートフォンでは見え方が異なる点です。
スマートフォンの画面では見やすい文章だとしても、パソコンで見ると文字が詰め込まれすぎていたり、改行がおかしかったりすることがあります。
適度な改行を入れ、相手がストレスを感じずに読める文章を作成しましょう。
ビジネスマナーとしてメールの書き方を覚えよう
日頃からビジネスメールを送受信していないと、メールでのビジネスマナーを知らなくても当然です。
とはいえ、相手はそのような状況を知る由もないため、単に失礼な人間だと受け取られる可能性もあります。
ビジネスマナーとしての正しいメールの書き方・送り方は、知ってさえいれば難しいことではありません。
ぜひ今回の記事を参考にして、正しいメールの書き方を覚えましょう。