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ビジネスマナーに則した電話対応とは?電話の受け方・かけ方を例文つきで解説

ビジネスにおける電話対応に、不安を感じている方は少なくないでしょう。
電話にまつわる正しいビジネスマナーを身につければ、トラブルを防ぎ自身や会社の印象を良くすることにもつながります。

そこで今回は、電話におけるビジネスマナーの基本について解説したうえで、受ける際、かける際のポイントを例文付きで見ていきます。

ビジネスマナーにおける電話対応の基本

ビジネスマナーにおける電話対応の基本

ビジネスシーンでは、電話対応が会社のイメージを左右することもあるため、正しいビジネスマナーを身につけておくことが重要です。
ここでは、電話対応の基本を4点紹介します。

会社の代表である意識を持つ

電話をかけた相手は、対応する人が新入社員か、ベテラン社員かなどはわかりません。
そのため、電話対応での印象はそのまま会社全体の印象になるのです。
電話対応の際は会社の代表である意識を持ちましょう。

また、電話は顔が見えないコミュニケーションであるため、声色や話し方など、相手に失礼がないように心がけることが大切です。

明るくハキハキと話す

電話ではお互いの表情が見えないため、話し方や声色によっては暗い印象を持たれます。
さらに、回線状況などによっては、音がこもって聞こえる、声が聞き取りづらくなるといった問題も起こります。

電話口での印象が悪くならないよう、明るくハキハキと話すことがポイントです。
相手が聞き取りやすいかを意識し、普段より高めのトーンではっきりと明瞭に話すと、心証の良い話し方になります。

正しい敬語を使う

正しい敬語は、ビジネスマナーの基本です。
尊敬語と謙譲語の間違いや、二重敬語、誤った表現を使ってしまうと、イメージダウンにつながります。

さらに、電話特有のルールもあるため、注意が必要です。
例えば、電話に出た第一声として「もしもし」を使用してはいけません。
「お電話ありがとうございます、株式会社○○でございます」といった言葉を使いましょう。

また、質問や依頼をする際や、断るときにクッション言葉を添えると、相手への思いやりや配慮を伝えることができます。
具体的には、尋ねるときに「差し支えなければ」、依頼するときに「恐れ入りますが」、断るときに「申し訳ありませんが」といった言葉を使うと良いでしょう。

常に電話に出る準備をしておく

いつ電話がかかってきても対応できるよう、電話のそばにメモ用紙と筆記用具を置いておきましょう。
電話がかかってきてからメモとペンを用意していては、スムーズな対応ができません。

また、転送や保留、音量調整といった電話機の基本的な操作方法を確認しておくことも大切です。
相手のボリュームが小さいなどがあった際、焦らないようにしましょう。

【例文あり】ビジネス電話の受け方の流れ(手順)

【例文あり】ビジネス電話の受け方の流れ(手順)

ビジネス電話を受ける際は、以下に挙げる5つのポイントを頭にいれておくだけでも、ほとんどのケースでスムーズに対応することができます。
ここでは、受け方の流れについて例文を交えながら見ていきましょう。

1.3コール以内で電話をとり、会社名・名前を名乗る

電話がかかってきた際には、2~3コール以内で電話をとることが鉄則です。
これは多くの会社で実践されているビジネスマナーであり、電話をかけた側も3コール以上待たされる場合は遅いと感じるケースがあります。
もし3コール以上鳴ってしまった場合は、「お待たせいたしました」と電話の冒頭にお伝えすると、丁寧な印象につながるでしょう。

電話をとったら会社名と名前を名乗ります。
部署名も名乗るなど会社によって細かなルールがあるため、確認しておくことが大切です。

【例文】

  • お電話ありがとうございます。A株式会社の○○でございます。
  • お待たせいたしました。A株式会社B事業部の○○でございます。

2.相手の名前・用件をメモし、復唱・確認する

相手が名乗ったらすぐに会社名と名前をメモし、用件も一緒に記しておきましょう。
このとき、必ず復唱することで、名前や用件の聞き間違いを防ぐことができます。

もし相手の言葉が聞き取れない場合は「お電話が遠いようなので」とクッション言葉を使い、再度相手に確認しましょう。

【例文】

  • いつも大変お世話になっております。A株式会社の○○様でいらっしゃいますね。
  • 恐れ入ります。お電話が遠いようなので、もう一度御社名と御名前をおっしゃっていただけますでしょうか?

3.問い合わせ内容に対応

電話の問い合わせ内容が、その場で答えられる内容であるなら、すぐに対応しましょう。
しかし、自分一人では解決できない内容の場合、上司や担当者に相談してから折り返し連絡する旨を伝えなければなりません。

【例文】

  • 恐れ入ります。少々お時間を頂戴したいのですが、確認して折り返しお電話差しあげてもよろしいでしょうか。

また、社内の担当者へ取り次ぎを頼まれる場合があります。
その際は必ず電話を保留にし、担当者が席にいる場合は、内線または直接声をかけ伝言します。

【例文|取り次ぐ場合】

  • ○○でございますね、少々お待ちください。

もしも担当者が不在ならば、不在理由、折り返し電話をかける旨とその時間を伝え、相手の連絡先を確認します。
このとき、代理として用件を聞いておくと、折り返し対応がスムーズです。

【例文|担当者が不在の場合】

  • 大変お待たせいたしました。申し訳ございませんが、○○はただいま外出しておりまして、○時頃帰社予定です。折り返しお電話差し上げるよう申し伝えます。お電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか?
  • 差し支えなければ、代わりにご用件をお伺いして○○へ申し伝えます。よろしいでしょうか?

4.静かに電話を切る

対応が済んだら「お電話ありがとうございました、失礼いたします」と挨拶して切ります。
電話はかけた側から先に切ることがマナーです。

相手が切ったことを「プープー」といった音で確認してから、静かに受話器を置きます。
受話器を置く際は、フックスイッチを押しながら置くと静かに切ることが可能です。

5.担当者へ伝言する

上司や担当者に伝言を残す場合、メモやメール、社内チャットなどを使って、担当者へ伝えます。
時間が経つと報告漏れのリスクが高まるため、すぐに対応しましょう。

具体的には、以下のような内容を記載します。

  • 相手の会社名・名前
  • 対応日時
  • 用件
  • 折り返しの有無、必要があれば連絡先
  • 自身の名前

【例文あり】ビジネス電話のかけ方の手順(流れ)

【例文あり】ビジネス電話のかけ方の手順(流れ)

次に、自分からかける場合の流れを例文とともに解説します。

1.事前に用件を整理する

電話をかけるまえに、相手の名前や部署名、こちらの要件などを整理し、確認しておくと、やりとりがスムーズに進みます。

また、かける時間帯には要注意です。
就業開始直後と就業時間外、終業直前、昼食時など、相手にとって都合の悪いであろう時間は避けましょう。
どうしてもかけなければならない状況の場合は、「夜分に大変恐れ入ります」などの一言を添えることがポイントです。

2.自身の会社名と氏名を名乗る

電話をかけてつながったら、まずはこちらの会社名と名前を伝え、次に担当者への取り次ぎを依頼します。

【例文】

  • お忙しいところ失礼いたします。A株式会社の○○と申します。
  • ○○様はいらっしゃいますか?

なお、「いらっしゃいますでしょうか」は二重敬語になってしまうため、注意しましょう。

3.担当者へ取り次いでもらう

担当者へつながれば、再度名乗って用件を簡潔に伝え、今話していて問題ないかを確認します。

【例文|相手につながった場合】

  • いつもお世話になっております。A株式会社の○○と申します。○○の件でお電話させていただきました。ただいまお時間よろしいでしょうか。

相手が不在だった場合はあらためてかけ直す旨を伝えます。
ただし、先方から提案してくれた場合、折り返しや伝言を頼んでも問題ありません。

【例文|相手が不在だった場合】

  • あらためてご連絡差しあげます。
  • A社の○○から、○○の件で連絡があったとお伝えください。

4.電話を切る

用件が済んだら挨拶をして電話を切ります。
切るときは、かけた側から切ることがマナーのため、電話のフックスイッチを押しながら、静かに受話器を置きましょう。

【例文】

  • お忙しいところありがとうございました。失礼いたします。

困ったときのビジネス電話対応マニュアル

困ったときのビジネス電話対応マニュアル

クレーム電話など困惑してしまう場面もあります。
さまざまなケースに対処できるよう、困ったときの対応方法を確認しておきましょう。

クレーム電話を受けた場合

クレームが入った場合、以下の4点に注意して対応することがポイントです。

  1. 内容確認の前に謝罪をする
    まずは謝罪から入ることで、相手の話を聞く姿勢を示しましょう。
    【例文】お手間をとらせてしまい大変申し訳ございません
  2. 内容を丁寧に聞く
    相手の話を遮らず、メモをとって復唱しながら内容を確認します。
    【例文】お客様のご要望としましては、○○でしょうか
  3. 相手の悩みを解決する提案を行う
    必要に応じて上司や担当者の指示を仰ぎながら、解決できそうな内容があれば提案を行いましょう。
  4. 電話をくれたことに対してお礼を伝える
    時間を割いて貴重な意見をくれたことに対し、お礼を伝えます。
    【例文】貴重なご意見ありがとうございます。真摯に受け止め、改善に取り組んでまいります

このとき、相手を待たせる、言い訳をするといった対応は、二次クレームにつながるおそれがあるため避けるようにしましょう。

すぐに対応できそうにない場合

担当者に確認が必要な場合など、すぐに対応することが難しいケースもあります。
そうした場合、保留や折り返しの約束をして、誠実な対応をしましょう。

保留が30秒以上続くときは中間報告をして意向を確認し、一般的には折り返しをすることが適切です。

【例文】

  • ○○の件について確認いたします。恐れ入りますが、少々お待ちいただけますか?
  • 確認に時間がかかるため、こちらからおかけ直しいたします。よろしいでしょうか?

相手が名乗ってくれない場合

電話をかけてきた相手が名乗らなかった場合、クッション言葉を使って相手に配慮しながら、名乗ってくれるように促すことが必要です。

【例文】

  • 恐れ入りますが、御社名と御名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?

ビジネスの電話対応でよく使用する用語マニュアル

ビジネスの電話対応でよく使用する用語マニュアル

電話対応においては、よく使う敬語や言い回しがあります。
すぐに実践できるよう、確認して覚えておきましょう。

頻繁に使用する敬語

電話で使用する敬語は、相手に対して用いる尊敬語と、自分自身に用いる謙譲語の2種類です。
使い方を間違えると失礼にあたるため、よく使う言葉については覚えておきましょう。

   丁寧語 尊敬語 謙譲語
言う 言います ご覧になる 拝見する
聞く 聞きます お聞きになる 拝聴する、伺う
する します なさる、なされる させていただく、いたす
わかる わかります ご理解いただく、おわかりになる 承知する、かしこまる
休み 休みます 休まれる お休みをさせていただく
来る 来ます いらっしゃる   
伝える 伝えます お伝えになる 申し伝える
送る 送ります お送りになる 送らせていただく
受け取る 受け取ります お受け取りになる 頂戴する、たまわる
変える 帰ります 帰られる、お帰りになる おいとまする

頻繁に使用する言い回し

電話では頻繁に使用する言い回しが決まっています。
よく使う言い回しはテンプレートとして覚えておくことで、すぐに役立てることができます。

正しい言い回し
提案するとき いかがでしょうか?
用件を確認するとき どのようなご用件でしょうか?
お待たせしてしまったとき お待たせいたしました
待ってもらうとき 少々お待ちください
謝罪するとき 申し訳ございません
名前を確認するとき 御名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?
復唱する 復唱させていただきます
相手の声が小さいとき お電話が遠いようです
電話に出るとき お電話ありがとうございます
電話を切るとき 失礼いたします

会社の代表として正しいビジネスマナーの電話対応を

電話対応する際は、社歴や年齢など関係なく、自分が会社の代表だという意識が必要です。
ビジネスマナーをおさえ、失礼のない対応を心がけましょう。

電話におけるビジネスマナーは、いちど覚えてしまえば、それだけで電話対応の質を大きく高めることができます。
電話対応に苦手意識を持っている方も、この機会にビジネスマナーを確認してみてください。

執筆者について

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