厚生労働省が副業・兼業を推奨するガイドラインを発表したことをきっかけに、労働環境を見直す企業が増えています。
これにより、契約社員として働きながら副業を始めたいと考える方もいるでしょう。
契約社員は、企業と直接雇用契約を結ぶ働き方です。
直接契約しているため、そもそも副業が可能なのか不安になるかもしれません。
本記事では、契約社員が副業やパート・アルバイトでダブルワークをしても良いのか解説します。
副業が禁止だった場合の対処法、副業をする際の注意点も併せて確認してみましょう。
目次
契約社員は副業やダブルワークで掛け持ち可能?
契約社員の方が副業やダブルワークをすることは、法律上問題ありません。
労働者が労働時間以外をどう過ごすのかは、労働者自身の自由です。
しかし、副業を行うことで企業にデメリットがある場合は、労働者の副業を制限できます。
そのため、正社員と契約社員問わず、リスクを避けるために副業を禁止している企業も少なくはありません。
もし副業をしたいのであれば、勤務先の就業規則のなかで副業に関する制限がないか確認しておきましょう。
また正社員・契約社員が副業可の企業でも、許可制を採用している場合があります。
いずれにせよ、契約社員の方がWワークを始める際は、会社の判断を仰いでおくと安心です。
契約社員とパート・アルバイトの扱いの違いについては、以下の記事をご参照ください。
契約社員が副業禁止な理由は?
契約社員の副業を禁止する背景には、主に3つの理由があります。
法律上問題ないとしても、就業規則で正社員・契約社員問わず副業ができないと定められている場合は、それに従いましょう。
自社での業務が疎かになる
企業が副業を禁止する理由の1つ目は、自社における社員の業務が疎かになる可能性があるためです。
社員が副業に集中しすぎてしまうと、自社の業務効率が落ちる可能性があります。
また、自社の労働時間外でさらに副業に取り組むとなれば、体力面の負担も考えられるでしょう。
副業の疲れから睡眠不足になったり体調を崩したりすれば、本業にも影響が出ます。
自社の業務が疎かにならないよう、副業を禁止せざるを得ない企業があるのも事実です。
情報漏洩のリスクがある
副業を禁止する理由の2つ目は、自社の情報漏洩のリスクがあるためです。
新たに副業を始めるとなれば、自社の経験や知識を活かしたものが取り組みやすいでしょう。
そうした場合、本来知られることのない自社の情報が他の企業に知られる可能性が考えられます。
情報が漏洩することで他社が競合となり、自社の損害につながるかもしれません。
副業を禁止するのには、企業を守る目的もあります。
名誉・信用を損なう可能性がある
副業を禁止する理由の3つ目は、企業の名誉・信用を損なうリスクを避けるためです。
副業にできる内容はさまざまですが、なかには社会的に良しとされないものや犯罪につながるものもあります。
万が一そうした副業を自社の従業員がしていたとなれば、企業の名誉と信用を失いかねません。
すべての社員がどのような副業をしているのか把握するのは難しいため、会社の信用を守るために副業自体を禁止にする企業もあります。
契約社員で副業が禁止な場合の対処法
契約社員として副業を始めたくても、上記のような理由から会社の就業規則で禁止されている場合もあります。
だからといって、必ずしも副業を諦めなければならないわけではありません。
まずは直接上司などに確認をとってみましょう。
就業規則を作成したときは副業禁止だったものの、現在は問題ないケースも考えられます。
なかには、条件を守れるのであれば副業をしても問題ないという場合もあるでしょう。
業務に手を抜くつもりはないこと、情報漏洩には十分配慮することを伝えてみてください。
副業の具体的な業務内容・時間などを伝えて、本業に支障がないことを説得する手もあります。
それでも副業はダメと言われる可能性はあるため、契約社員としての給料が厳しい場合、転職を視野に入れるのも良いでしょう。
契約社員が副業をする際の注意点
契約社員として副業収入を得た場合、確定申告を行わなければなりません。
契約社員の給与以外の所得が1年間で20万円を超えたときは、確定申告が必要です。
副業収入を確定申告しなければ、無申告加算税が課される可能性もあります。
本業の給与所得だけのときは、確定申告をする機会がありません。
うっかり忘れてしまわないように注意しましょう。
また、副業が禁止されているのにも関わらず黙って副業を行った場合は、懲戒処分になる恐れもあります。
副業で収入を増やすはずがメインの収入を失いかねないため、就業規則には従うのが基本です。
契約社員で副業をする場合は就業規則を確認してから
契約社員として働きながら副業をしたいと思ったとき、行動へ移す前にまずは就業規則を確認しましょう。
副業禁止の企業でこっそりパート・アルバイトを掛け持ちしていて、それがあとから発覚した場合、契約社員でも懲戒処分などのトラブルになるかもしれません。
副業が禁止の場合は、直接会社と話をするほか、転職を検討する方法もあります。
収入アップをめざしたい方も、あくまでも勤務先のルールを守って働きましょう。
正社員の方が副業する場合については、こちらの記事をご覧ください。