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正社員で働きながら大学に通える?注意点や大学選びのポイントなども解説

正社員雇用で働きながら大学へ通う社会人大学生は、資格取得のため、自らの学びのためなどさまざまな目的を持っています。
しかし、自分自身がいざ正社員として働きながら大学に通えるかを考えたとき、仕事と勉強を両立させられるのか不安を抱く方は多いかもしれません。
職務を果たしつつ学業とも向き合うには、目標を見失わず自分のライフスタイルに合った大学を選ぶことが大切です。

本記事では、正社員で働きながら大学に通う場合の注意点と、自分に合った大学選びのポイントを解説します。

正社員で働きながら大学へ通うことは可能

正社員で働きながら大学へ通うことは可能

正社員として企業で働きながら大学に通うことは可能です。
一度は学生生活を終えて社会人になった人が、必要性を感じて再び学びの場へ戻り、新たに得た知識や技術を仕事に役立てる行為をリカレント教育と呼びます。

リカレント教育が推奨するのは、学ぶ期間を限定せず長い人生のなかで分散し「教育・仕事・教育」を繰り返す考え方です。
文部科学省も、リカレント教育の拡充を推進し、より社会人が学びやすい環境を整えるよう積極的に後押ししています。

文部科学省のデータによると、博士課程・修士課程・専門職学位課程へ入学する社会人の人数は、平成15年度以降多少の増減を繰り返しつつ、緩やかに上昇している状態です。
平成27年度には、約1.8万人の社会人が入学しています。

正社員で働きながら大学へ通う際の注意点

正社員で働きながら大学へ通う場合、仕事と学業をきちんと両立させるには以下3点に注意が必要です。

  • 目的を明確にして両立に励む
  • 職場の理解を得る
  • ライフスタイルに合わせた社会人募集がある大学を探す

それぞれのポイントを詳しく解説します。

目的を明確にして両立に励む

正社員が働きながら大学へ通うときは、学びの目的・目標を明確にしましょう。
正社員の責任を持って業務を遂行しつつ大学で学ぶ生活は、スケジュールに余裕がなくなり、思った以上のストレスがかかる可能性があります。

「なぜ学びたいのか」「学んだ知識を仕事へどのように活かしたいのか」を明確にし、学びへの意欲を保つようにしてみてください。

職場の理解を得る

正社員が働きながら大学で学ぶためには、必要なときに協力・支援を受けられるよう、職場からの理解を得ることも大切です。
例えば、突然の残業や出張が入ってしまうと、登校日に出席できず挫折してしまう可能性があります。

学びたい意思を職場に理解してもらい、帰宅時間や勤務スケジュールの配慮を得られれば、正社員で働きながらでも学びやすくなるでしょう。

ライフスタイルに合わせた社会人募集がある大学を探す

リカレント教育が推進されている現在、働きながら学びたい人を受け入れるため、社会人学生を募集する大学もよく見られるようになりました。
積極的に社会人学生を受け入れている大学は、働きながらでも学びやすいよう、社会人向けのカリキュラムやスケジュールを整えています。

社会人のライフスタイルに合ったカリキュラム・スケジュールを備えている大学なら、正社員で働きながら無理なく通えるでしょう。

正社員で働きながら大学に行く際の学校選びのポイント

正社員で働きながら大学に通う場合、次のポイントを押さえた学校選びが重要になります。

  • 開講形態は通信制・夜間・昼夜から選ぶ
  • 取得できる資格や卒業条件を確認する
  • 正規入学以外の学び方も視野に入れる

自分に適した開講形態を選ぶことはもちろん、取得をめざす資格や学びたい内容によっては、必ずしも正規入学が必要になるわけではありません。
各ポイントの詳細を解説します。

開講形態は通信制・夜間・昼夜から選ぶ

働きながら大学で学びたい人には、通信制やオンライン大学、夜間(大学二部)コース、昼夜コースなどが備わった学校がおすすめです。
各コースの特徴を知り、学校選びの参考にしてみましょう。

通信制・オンライン大学の場合

通信制・オンライン大学は、基本的に学校へ通わず学べるため、忙しい社会人学生でも学びやすいのが特徴です。
通信制・オンライン大学にも、放送大学やeラーニング、オンライン受講などさまざまな種類があり、自分の学びたい方法を選べます。

特定の単位のみ対面授業で取得しなければならないものの、基本的には在宅で都合の良い時間に学べるため、働きながらでも無理なく続けやすいでしょう。

夜間コース(大学二部)の場合

大学二部と呼ばれる夜間コースは、夕方以降から始まる講義へ出席する方法です。
仕事の終業時刻が決まっていて、定時で帰宅できる方であれば、夜間コースのある大学が通いやすいでしょう。

ただし、大学の1コマは90分単位、一日の講義数は2〜3科目あるため、18:00講義スタートなどのコースだと帰宅時間が遅くなる可能性もあります。
また、講義に間に合うよう仕事を切り上げなければならず、職場の理解と協力体制は欠かせません。

昼夜コースの場合

昼夜コースは、働きながら学ぶ社会人に配慮し、平日夜間と週末昼間の時間帯を組み合わせたカリキュラムです。
例えば、平日は夜間18時以降の講義へ出席し、週末は昼間の講義で学んで単位を取得します。

近年では、夜間コースを昼夜コースへ変更し、フレックス制の名称で導入する大学も見られるようになりました。
土日休みの職場に勤めている方は、昼夜コースで学ぶのも良いでしょう。

その他社会人でも学びやすいコース事例

上記で紹介した方法以外にも、働きながら学びたい正社員に適したコースがあります。
例えば、週末の講義のみで単位が取れるコースなら、対面授業のみでも比較的通いやすいでしょう。

また、駅周辺に社会人向けのサテライトキャンパスがある大学だと、仕事帰りの対面授業も苦になりません。
自分のライフスタイルに合わせて、学びやすいコースを選んでみましょう。

取得できる資格や卒業条件を確認する

大学を卒業するには、単位取得や必須科目の対面履修など、一定の条件を満たさなければなりません。
通信大学で単位は取得できても、仕事で対面授業に出席できなければ卒業が難しいということもありえます。

大学を選ぶときは、単位取得・卒業するための条件を確認し、働きながら卒業資格を得られるかどうかよく確認してみてください。

正規入学以外の学び方も視野に入れる

正社員で働きながら学ぶ方法は、正規入学だけではありません。
公開講座へ出席するほか、聴講生で大卒資格を取得する人もいます。

ここでは、正規入学する以外に社会人学生が大学で受講する方法を見てみましょう。

科目等履修生・聴講生の場合

科目等履修生・聴講生は、自分が受けてみたい・学びたい科目のみを履修する方法です。
科目等履修生になるためには、高卒もしくは高卒と同程度の学力が必要で、講義を受けて試験に合格すれば、大学の単位を得られます。

聴講生は、学びたい科目のみ受ける点は科目等履修生と一緒ですが、単位取得を目的としていません。
科目等履修生も聴講生も、授業料のコストを抑えられる点が大きなメリットです。

公開講座で学ぶ場合

公開講座は、大学が一般公開している講座に出席し、必要な知識を学ぶ方法です。
扱われるテーマは、学術的講座から芸術・スポーツまで幅広く、気軽に参加できることから、必要に応じて公開講座で学ぶ社会人も少なくありません。

公開講座には、各都道府県の自治体や大学が主催し、無料で受けられるものもあります。
気になる人は、大学のホームページや自治体の広報をチェックしてみましょう。

正社員で働きながら大学に通う際の入試形態

大学の入試には、主に次の3つの方法があります。

  • 一般入試
  • AO入試
  • 社会人入試

上記のうち、正社員で働きながら大学へ通いたい人におすすめなのは、社会人入試です。
社会人入試の受験資格は、高卒・高卒認定以外に「社会人経験〇年以上、年齢〇歳以上」などの大学ごとに条件があります。
また、面接や書類審査・小論文に重点を置いているため、比較的受けやすいのが特徴です。

一般入試・AO入試を受けることも可能ですが、現役受験生と同様の学力が求められたり、個性や資質が大学と合わなかったりする可能性もあります。
社会人となった現時点の自分に合った入試形態を選び、大学合格をめざしましょう。

行きたい大学が決まった正社員がすべきこと

下調べをしたうえで行きたい大学が決まったら、上司へ相談して職場での理解を求め、次の流れで行動します。

  • 志望校を決めて入試情報を確認する
  • 出願準備や試験対策をする
  • 出願・受験する
  • 合格発表や入学手続きなど

正社員で働きながら大学に通うまでの流れを、以下で詳しくチェックしてみましょう。

4月|志望校を決めて入試情報を確認する

4月頃に行うのは、情報収集と志望校決めです。
学ぶ目的に合わせて、各大学の学費や奨学金、社会人入試の有無、受講方法、単位取得条件など、詳細な情報を集めてそれぞれを比較しましょう。

あらかじめ行きたい大学が決まっている場合は、社会人向けのコースがあるか、入試資格に該当するかを確認し、志望校を絞っておきます。

7月|出願準備や試験対策をする

7月に入ったら、入試へ向けた試験対策や出願準備を行います。
社会人入試を受ける場合、試験内容は書類審査と小論文・面接が一般的です。
各大学の過去問を調べ、試験対策を始めましょう。

また、研究目的で大学院の入試を受ける場合、研究計画書や現職の上司の推薦状が必要なケースもあります。
事前に上司へ相談し、必要な書類をそろえておいてください。

9~11月|出願・受験する

9〜11月は、出願・受験の時期です。
詳細は各大学によって異なりますが、おおむね9〜11月頃が出願・受験のタイミングと考えて準備を進めましょう。

出願方法に関しても、「郵送のみ」「インターネットで出願可能」など各大学でさまざまです。
出願・受験日とあわせて、出願方法もよく確認してみてください。

翌1月|合格発表や入学手続きなど

合格発表が行われるのは、年明け1月頃です。
試験に合格したら、期限内に入学手続きを済ませましょう。

期限に間に合わないと、せっかく合格しても入学の意志がないと判断され、合格を取り消される可能性があります。
事前に入学金を用意し、合格したらすぐ手続きできるよう準備しておくと良いでしょう。

正社員で働きながら大学受験するにあたってよくある質問

正社員で働きながら大学受験するとき、仕事を辞めて学業に専念すべきか、大卒中退したのに再入学できるかなど、いろいろな疑問を抱くこともあります。
正社員の方が大学受験にあたって突き当たりやすい悩みと、その回答を見てみましょう。

仕事を続けるか悩みます

仕事を続けながら大学へ通うのは、スケジュールや体力に余裕がなくなるのではと不安を覚える方もいるかもしれません。
仕事を辞めてしまうと収入が途絶えるため、学費を調達しにくくなるのも事実です。

しかし、学ぶ目的を見失わなければ、仕事を続けながらでも大学へ通えます。
もし仕事を辞めたとしても25歳前後で卒業できる場合、社会人経験のある新卒者の立場で就職活動を進められるケースもあるため、企業へアピールできるでしょう。

仕事を続けた場合のメリットとデメリットを比較して、自分にとってどちらが良い選択か考えてみてください。

大学を中退した経験があるが再入学は可能ですか

大学に2年以上在籍し、62単位以上取得している人は、大学改革支援・学位授与機構を利用しましょう。
大学を中退していても、一定の年数・単位を取得していることを大学改革支援・学位授与機構へ申請し審査に合格すれば、不足分の単位を学ぶだけで大卒資格を取得可能です。

学ぶべき科目はめざす学部で異なりますが、大学を中退後、正社員で働き再入学をめざしている人は、まず大学改革支援・学位授与機構への申請から始めることをおすすめします。

正社員でも働きながら大学で学びたい気持ちがあるなら実現しよう

正社員として企業で働きながら大学に通う場合、自分のライフスタイルに合った学校を選ぶことがポイントです。
職場の理解や協力体制は必要ですが、社会人に配慮したコースがある大学なら、スケジュールの調整もしやすいでしょう。

また、仕事と学業を両立させるには、大学で学びたいと思った理由や目的を見失わず、目標へ向かう姿勢も大切になります。
社会人入試制度や大学改革支援・学位授与機構も上手に利用して、大卒資格取得を実現させてみてください。

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