アルバイトを辞める際は、直接会って退職の意思を伝えるのが一般的です。
しかし、やむを得ない事情によりメールでしか伝えられないケースもあるかもしれません。
メールで退職を伝える場合、マナーや書き方に配慮し、相手への感謝の気持ちを忘れないことが大切です。
本記事では、アルバイトを辞めることをメールで伝えるときのマナーと、メール作成時に役立つ具体的な例文を紹介します。
また、退職について直接話す機会を設ける場合のアポの取り方も、あわせてチェックしてみましょう。
目次
アルバイト辞めるときはメールではなく対面が基本
アルバイトを辞めるときには、職場の上司と直接会って退職の意思を伝えるのがマナーです。
メールで一方的に退職の意思を伝えた場合、退職日や引き継ぎに関する相談がしにくくなるほか、人間関係にわだかまりが残った状態で辞めることにもなりかねません。
また、メールだけでは自分の気持ちが正確に伝わらない可能性もあります。
アルバイト退職の申告をメールで行うのは、特別な場合に限った手段であることを十分に理解しましょう。
メールでアルバイトを退職しても良いケース
メールでアルバイトを辞めることを伝えても良いケースとして、以下のような状況が考えられます。
- 病気やケガなどで出社が困難
- 報告すべき上司などとタイミングが合わない
- 職場とのトラブルにより直接の会話が難しい
- あくまで対面で話す前提での意思伝達の場合
体調不良やケガによりアルバイトへの出勤が難しいときには、メールで辞めることを伝えても、事情を汲んでもらえるでしょう。
また、担当者とスケジュールが合わず、意向を伝えられないうちに退職希望日を迎えてしまいそうなケースも該当します。
あるいは職場でハラスメントを受けるなどのトラブルが生じている、強い引き留めに遭うことが予想されるといった場合にも、メールでの退職申告を検討して良いかもしれません。
ただし、いずれの状況においても、メールで済ませてしまう前に電話をかけてみることをおすすめします。
それでも連絡が取れない場合は、メールでの退職もやむを得ないでしょう。
アルバイトを辞めるときのメールの書き方とポイント
アルバイトを辞めることをメールで伝えるときには、以下の4つに注意しましょう。
- 直属の上司に送信する
- 誤字脱字や言葉遣いに気を付ける
- 退職日や退職理由を記載する
- 感謝の気持ちを伝える
直属の上司に送信する
アルバイト退職のメールは、まず直属の上司や責任者に向けて送信しましょう。
どれだけ仲の良かったアルバイト仲間などがいたとしても、上司や責任者より先に退職を知らせるのは控えてください。
万が一、噂が広がり間接的に上司へ退職の意向が伝わってしまうと、上司が管理能力を疑われることになり、ネガティブな印象を与えかねません。
人間関係にわだかまりを残さず退社できるように、退職の意思を最初に伝える相手には十分注意しましょう。
誤字脱字や言葉遣いに気を付ける
退職のメールを送る際は、誤字脱字や言葉遣いに重々気を付ける必要があります。
正しい言葉遣いは、社会人として最低限のマナーです。
語尾を「です・ます調」で統一するとともに、尊敬語や謙譲語も意識して上司に敬意を表したメールを作成しましょう。
また、誤字脱字が多いメールは相手に誠意が伝わりにくくなります。
雑に書き上げた印象を与えるだけでなく、何を伝えたい文章なのかさえ、わかってもらえないかもしれません。
メールを書き終えたら何度か読み直し、正確に文意が伝わるか確認してください。
退職日や退職理由を記載する
メールには、退職希望日と退職理由を明記しましょう。
辞めたいという意思だけではなく、退職を希望する日もはっきりと記載しておくことが大切です。
突然辞めてしまうとアルバイト先の欠員補充が間に合わず、迷惑がかかってしまいます。
少なくとも、退職日の1ヵ月前には辞める意向を伝えましょう。
退職理由は伝えられる範囲でメールに記載したほうが、話を進めやすくなりますが、「一身上の都合」としても問題ありません。
感謝の気持ちを伝える
メールの最後には、アルバイト先でのサポートに感謝している旨を忘れずに記載しましょう。
退職希望日が迫っている場合は、角を立てないためにも謝罪の言葉も入れておくと印象が良くなります。
退職によって、アルバイト先の従業員の出勤が増えたり、新人への指導が必要になったりする可能性もあります。
同じ職場の人のフォローがあったからこそ、これまで仕事を続けられたという感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
【シーン別】アルバイトを辞めるときのメールの例文
アルバイトを辞める際に役立つメールの例文を、シーン別に紹介します。
- 一般的な定型文
- 詳しい理由を記載するときの例文
- 即日で辞める意思を伝えるときの例文
例文を参考に、ご自身の言葉でメールを作成してみてください。
一般的な定型文
退職理由を詳しく伝えたくない場合、メールには「一身上の都合」と記載しましょう。
メールでアルバイトを辞めるときの定型文は、以下のとおりです。
退職のご相談(自分の名前)
【本文】
〇〇店長
お疲れさまです。
アルバイトの(自分の名前)です。
突然のご連絡で恐れ入りますが、一身上の都合により、〇月〇日をもって退職させていただきたいと考えております。
本来なら直接お伝えすべきところですが、お会いできる機会がなかなかなく、メールにて報告させていただきました。
これまでみなさまには大変お世話になり、感謝ばかりです。
お忙しい時期にご迷惑をおかけすること、深くお詫び申し上げます。
退職日までのシフトは精一杯勤めさせていただきますので、何卒よろしくお願いいたします。
(自分の名前)
詳しい理由を記載するときの例文
退職理由を伝えても問題ないケースとしては、以下のようなものがあります。
- 就職活動・学業が多忙
- 家庭の事情
- 心身の不調
これらの理由でアルバイトを辞める場合には、事情を伝えたほうがスムーズに話し合いを進められるでしょう。
退職のご相談(自分の名前)
【本文】
〇〇店長
お疲れさまです。
アルバイトの(自分の名前)です。
私事で大変恐縮ですが、〇月〇日をもって退職させていただきたいと考えております。
(退職理由)により、アルバイトとの両立が難しくなってしまったためです。
突然のご報告でみなさまにはご迷惑をおかけすることとなり、誠に申し訳ございません。
また、本来であれば直接ご報告するべきところですが、メールでのご連絡になってしまったこと深くお詫び申し上げます。
これまでお世話になったみなさまには、大変感謝しております。
本当にありがとうございました。
残り少ない期間ではありますが、最後まで精一杯務めさせていただきますので、何卒よろしくお願いいたします。
(自分の名前)
即日で辞める意思を伝えるときの例文
アルバイトの退職を希望する場合、法律上2週間前にはその意思を伝えていなければなりません。
ただし民法628条では、「やむを得ない事情があれば即日での契約解除も可能」と定められています。
やむを得ない事情に該当するのは、以下のような場合です。
- 病気やケガで出勤が困難
- ご家族の体調不良や転勤など家庭の事情
- いじめやハラスメントなどで出社が苦痛
- 求人内容で明示されていた業務や待遇と相違がある
これらの理由で即日退職を希望する場合は、上司が納得できる理由をメールに明記しておいてください。
退職のご相談(自分の名前)
【本文】
〇〇店長
お疲れさまです。
アルバイトの(自分の名前)です。
メールでのご連絡、失礼いたします。
(退職理由)のため、アルバイトを続けることが困難になりました。
勝手な申し出で恐れ入りますが、本日付けで辞めさせていただけませんでしょうか。
在職中はみなさまに大変お世話になり、幸甚の至りです。
急なご連絡でご迷惑をおかけしてしまい恐縮ではございますが、何卒よろしくお願いいたします。
(自分の名前)
アルバイトを辞める際に電話やメールでアポを取る方法
アルバイトを辞めるにあたって、直接上司と対面で話す機会を作りたいときには、あらかじめ電話やメールを使ってアポイントを取っておきましょう。
メールや電話で上司のアポを取る際の例文を紹介します。
メールでアポイントを取るときの例文
メールを使ってアポを取るときは、自分の都合が良い日程をあらかじめ伝えておくと、日程調整がスムーズです。
退職のご相談(自分の名前)
【本文】
〇〇店長
お疲れさまです。
アルバイトの(自分の名前)です。
突然のお知らせで申し訳ございませんが、〇月〇日で退職させていただきたく存じます。
なかなかお会いできる機会がなく、ひとまずメールにてご連絡いたしました。
詳細は対面でお話したいのですが、少しお時間をいただくことは可能でしょうか?
私が対応可能な日程は、〇月〇日から〇月〇日までです。
ご多忙のところ恐れ入りますが、ご確認のほど何卒よろしくお願いいたします。
(自分の名前)
電話でアポイントを取るときの言い方
電話でアポを取る際には、以下の2点に注意が必要です。
- 相手が忙しくない時間帯に電話をかける
- 伝える内容を整理しておく
電話をかけることで仕事中の相手の手を止めてしまうことを念頭に置き、配慮の言葉を述べるようにしましょう。
アルバイトの(自分の名前)です。
今、少しお時間いただけますでしょうか?
(退職理由)のために、アルバイトを続けられなくなりました。
大変申し訳ないのですが、〇月〇日で退職したいと考えております。
詳細は会ってお話ししたいので、お忙しいところ恐れ入りますがお時間を取っていただければ幸いです。
私は〇月〇日か〇日であれば、いつでも問題ありません。
では〇月〇日の〇時、よろしくお願いいたします。
失礼いたします。
メールでアルバイトを辞めるときは正しい手順で
アルバイトを辞める場合、メールではなく直接職場の上司に会って伝えるのが礼儀です。
ただし、個人または家庭の事情などにより、出社が困難なケースもあるでしょう。
あるいは職場側に非があり、メールでの退職申し出を余儀なくされることも考えられます。
いずれのケースでも、まずは電話での連絡を試みるのがベストです。
電話が通じなければ、最終手段としてメールで退職の意思を伝えましょう。
メール作成の際は、感謝の気持ちと相手への配慮を忘れず、丁寧な表現を心がけることで円満退職がめざせるでしょう。