
就職活動中で、一般常識問題の数学に苦手意識を感じている人もいるのではないでしょうか。
就活の筆記試験では、国語や社会に加えて数学の問題も出題される企業があります。
数学は学校の授業で学んだ内容が中心ですが、社会人として必要とされる計算力や論理的思考力を見るために出題されます。
一般常識問題の数学に苦手意識がある人でも、出題範囲を押さえて対策すれば十分対応が可能です。
この記事では、就職試験の一般常識で出題される数学問題の傾向と対策について詳しく解説します。
数学が苦手という人も、ぜひ最後までお読みください。
目次
一般常識問題で出る数学の難易度は?
一般常識問題の数学の難易度は、企業によって異なります。
しかし、小学校から高校までの授業で習うような、基礎的な問題が中心です。
極端に難しい問題が出題されることは少なく、誰もが学校で一度は習った内容がほとんどといえるでしょう。
一般常識問題は、社会人として最低限必要な教養や学力があるかどうかを確認するための試験です。
数学に関しては、計算力や論理的思考力、図形の理解力など、仕事をするうえで必要となる基礎学力を測ることが目的となります。
そのため、大学受験のような高度な問題は、あまり出題されません。
一般常識問題はあくまで基礎レベルの問題がメインなので、数学が苦手な人でも事前にしっかりと対策を行えば十分太刀打ちできるはずです。
効率的な勉強法を身につけ、苦手意識を克服しましょう。
一般常識問題の数学の出題範囲
一般常識問題の数学の出題範囲は、企業によって多少の違いがあります。
おおむね、以下のような分野から出題されることが一般的です。
- 四則演算(足し算、引き算、掛け算、割り算)
- 方程式
- 平面図形
- 確率
- 組み合わせ
- 割合
- 濃度
- 単位換算
これらは、小学校から高校までの授業で学ぶ、ごく基本的な内容です。
一般常識問題は、それぞれの企業が独自に作成するため、その企業が大切にしている価値観や求める人物像が反映されやすい傾向にあります。
事前に志望する企業がどのような能力を重視しているか分析することで、ある程度出題範囲を予測することも可能でしょう。
一般常識問題の数学の例題と解説
ここからは、一般常識問題の数学でよく出題される分野の例題を挙げながら、その解き方を解説していきます。
苦手な分野があれば、重点的に演習を行うと良いでしょう。
四則演算
四則演算は足し算(加法)、引き算(減法)、掛け算(乗法)、割り算(除法)の4つの計算方法の総称です。
計算順序に気を付けながら、正確に解く練習を積みましょう。
基本的に四則演算を行う際は、以下の順序で計算を進めます。
- ()内を先に計算する
- 掛け算と割り算を行う
- 足し算と引き算を行う
例題1
(8+4)×2-6=?
答え:18
解き方:(8+4)=12→12×2=24→24-6=18
例題2
15÷3+7×2=?
答え:19
解き方:15÷3=5、7×2=14→5+14=19
方程式
方程式は、「=」を挟む左辺と右辺の値が等しいことを表した式です。
中学校で学習する、基本的な方程式の解き方を再確認しておきましょう。
例題1
x-3=7
答え:x=10
解き方:左辺にある-3を右辺に移項して、x=7+3、x=10
例題2
2x-10=4
答え:x=7
解き方:
2x=4+10→2x=14
両辺を2で割って、x=14÷2→x=7
平面図形
平面図形の問題では、図形の面積や円周の長さを求める問題が出題されやすい傾向にあります。
よく使う公式を覚えておくと、スムーズに解くことができるでしょう。
例題1
半径4cmの円がある。
円周率を3.14とした場合、この円の円周の長さは何cmか。
答え:25.12cm
解き方:円周の長さ=直径×円周率、直径=4+4=8、
8×3.14=25.12
例題2
底辺が10cm、高さが4cmの三角形の面積を求めよ。
答え:20cm²
解き方:三角形の面積=底辺×高さ÷2
10×4÷2=20
確率
確率は、ある事象が起こりうる可能性を、0から1の間の数値で表したものです。
起こりうる場合の数を全体の場合の数で割ることで求められます。
日常生活のなかにも確率で考えられる事象が多くあるので、確率の概念をしっかりと理解しておきましょう。
例題1
6面のサイコロを1回振るとき、奇数(1、3、5)の目が出る確率を求めよ。
答え:1/2
解き方:奇数の目は3つ、全体の目は6つあるので、3/6=1/2
例題2
赤いボール20個、白いボール5個が入った袋から1個取り出すとき、白いボールが出る確率を求めよ。
答え:1/5
解き方:白いボールは5個、全体では25個
5/25=1/5
組み合わせ
組み合わせは、ものとものの組み合わせ方に関する問題です。
並べ方の順番を考慮せず、含まれるかどうかだけを重視するのが組み合わせの特徴です。
順番を考慮する順列とは区別しておきましょう。
例題
男性10人、女性7人のなかから、男女それぞれ2人ずつ選ぶ場合、何通りの組み合わせがあるか。
答え:945通り
解き方:
組み合わせの公式:nCr=n!÷(r!×(n-r)!)
男性から2人選ぶ:10C2=10!÷(2!×8!)=45通り
女性から2人選ぶ:7C2=7!÷(2!×5!)=21通り
男性の組み合わせと女性の組み合わせをかけ合わせると、
45×21=945通り
割合
割合の問題では、値引きの計算や代金の支払いなど、日常的によく目にする場面の問題が出題されます。
比と割合の違いを理解し、正しい計算方法を習得しましょう。
例題1
定価8,000円の商品を20%引きで購入するといくらになるか。
答え:6,400円
解き方:
定価の20%を計算→8,000×0.2=1,600
定価から割引額を引く→8,000-1,600=6,400
濃度
濃度は、溶液に溶けている溶質の割合を表します。
溶液の濃度を求める公式「濃度=溶質の量÷溶液の量×100」をマスターして、さまざまな問題に対応できるようにしておきましょう。
例題1
食塩5gと水95gを混ぜた食塩水の濃度は何%か。
答え:5%
解き方:
食塩水の量=5+95=100g
濃度=5÷100×100=5%
例題2
12%の食塩水250gと8%の食塩水150gを混ぜたあと、水を加えたところ、食塩水全体の濃度が10%になった。
水は何g加えたか。
答え:20g
解き方:
12%の食塩水250g中の食塩量=250×0.12=30g
8%の食塩水150g中の食塩量=150×0.08=12g
食塩の総量=30+12=42g
元の食塩水の量=250+150=400g
加えた水をxgとすると、
(42÷(400+x))×100=10
42=0.1×(400+x)
42=40+0.1x
x=20
よって加えた水は20g
単位換算
単位換算は、長さや重さなど、異なる単位で表された数値を別の単位に置き換える方法です。
身の回りの単位をよく考察し、単位の仕組みを理解しておくことが大切です。
例題1
3.5kmは何mか。
答え:3,500m
解き方:1km=1,000mより、3.5km=3.5×1,000=3,500m
例題2
3.2Lは何mLか。
答え:3,200mL
解き方:1L=1,000mLより、3.2L×1,000=3,200mL
損益算
損益算では、利益や損失を計算する問題が出題されることが多い傾向です。
基本的な公式を使いこなせるようにしておきましょう。
例題1
原価500円の商品を25%の利益を乗せて販売するとき、売値はいくらか。
答え:625円
解き方:
利益=500×0.25=125円
売値=原価+利益=500+125=625円
例題2
原価1,200円の商品に、20%の利益が出るように定価をつけた。
その商品をセールで定価の30%引きで販売した場合の売値はいくらか。
答え:1,008円
解き方:
定価を求める→1,200×1.2=1,440円
30%引きの売値を求める→1,440×0.7=1,008円
旅人算
旅人算は、移動時間や速度、距離に関する問題です。
公式「距離=速さ×時間」を使いこなせるようにしておきましょう。
例題1
30km離れた地点から、Aは時速6km、Bは時速9kmで進む場合、2人は何時間後に出会うか?
答え:2時間後
解き方:
2人の合計の速さを求める→6+9=15km/h
距離÷速さ=時間より、30km÷15km/h=2時間
例題2
Aの後方900mからBが時速9kmで追いかけ、Aは時速6kmで先に進んでいる場合、何分後に追いつくか。
答え:18分
解き方:
BはAに対して、9-6=3km/h(時速3km)で追いかけている
900m=0.9kmより、
0.9km÷3km/h=0.3時間
0.3時間=0.3×60分=18分
一般常識問題の数学攻略法
最後に、就職試験の一般常識で出題される数学問題を攻略するためのコツをお伝えします。
苦手意識が強い人も、効果的な学習方法を実践して、自信を持って試験に臨みましょう。
問題を繰り返し解く
数学の実力を上げる一番の近道は、反復練習を積むことです。
一般常識の参考書やインターネット上の問題集を活用して、できるだけ多くの問題に触れましょう。
何度も同じ問題に取り組むことで、解答の手順が体に染み込み、スムーズに問題を解けるようになります。
また、復習を繰り返すことで自分の苦手分野が明確になるため、克服すべきポイントも見えてきます。
弱点をしっかりと分析して、重点的に演習を行うのが上達への近道だといえるでしょう。
公式を暗記する
面積や速度など、数学で公式を使う機会は多岐にわたります。
これらの公式を暗記しておくことで、問題を素早く、正確に解くことができるようになります。
例えば、以下のような公式は頻出なので、しっかりと覚えておきましょう。
- 三角形の面積=底辺×高さ÷2
- 円の面積=半径×半径×円周率
- 直方体の体積=縦×横×高さ
公式を暗記することで、情報処理のスピードが上がり、問題に取り組む精神的な負担も軽減されます。
数学が苦手な人こそ、基本的な公式をマスターすることを心がけましょう。
本番慣れしておく
本番の試験では時間との勝負になるため、どれだけ早く正確に問題を解くことができるかが鍵を握ります。
本番に向けて、実際の試験と同じ環境を意識した練習を行っておきましょう。
自宅学習の際は、制限時間を設けて一定の問題数をこなす訓練をしてみてください。
時間を区切ることで、メリハリのある学習を心がけられるはずです。
また、模擬試験を受験するのもおすすめです。
予行演習を繰り返すことで、本番の雰囲気に慣れ、試験に臨む心構えを作ることができるでしょう。
友人・知人に教えてもらう
数学の学習で大切なのは、「わかった気になること」ではなく「本当の意味で理解すること」です。
疑問点をそのままにせず、友人や家族、先生に積極的に質問するようにしましょう。
一人で考え込むよりも、他者に教えてもらうことで理解が深まることは多々あります。
自分では気付けないような別解や、計算のコツを教えてもらえることもあります。
学ぶ姿勢を持ち、知識を吸収することを心がけましょう。
万全な準備を行い一般常識問題の数学に臨もう
一般常識問題の数学は、小学校から高校までの幅広い範囲から出題されますが、基礎レベルの問題が中心です。
難易度としては標準的な問題が多いので、事前の入念な対策を行えば、苦手意識のある人でも十分対応できるでしょう。
本記事で解説した出題傾向と攻略法を参考に、効果的な学習を進めてください。
数学的思考力を身につけることは、就職後の業務でも役立つはずです。
自信を持って、一般常識問題の数学に立ち向かいましょう。