就職活動や転職活動の面接で、面接官とのやりとりが雑談ばかりだった場合、「採用される見込みがないのではないか」と不安になってしまう人もいるでしょう。
しかし、雑談が多かったからといって、不採用になるとは限りません。
本記事では、面接における雑談形式について解説し、対策や例文を紹介していきます。
目次
就活の面接には雑談形式がある
雑談形式は、就職活動や転職活動で行われる面接形式の一つです。
ここでは、雑談形式とは何なのか、なぜ行われるのかを解説します。
面接での雑談形式とは?
雑談形式では、「最近気になっているニュースはありますか?」「学校生活は楽しいですか」など、雑談をベースに面接が進みます。
雑談形式では緊張感がほぐれ、リラックスして面接を受けられると感じる方も多いでしょう。
しかし、一見ただの雑談に思える質問でも、実際には言外の意図があり合否の判断基準になっているかもしれません。
また、「通常の面接だと思って準備をしていたが、いざ始まってみたら雑談形式だった」といったパターンも起こりえます。
このような場合、想定していたものとは異なる流れで面接が進むため、臨機応変に対応できるよう対策が必要です。
雑談形式が行われる理由
雑談形式が行われる主な理由は、就活生の人柄や本音を知るためです。
通常の面接では、よく聞かれる内容がある程度決まっているため、応募者は自身の本音に基づいた回答ではなく、内定を得やすい回答を用意することも可能です。
しかし、それでは面接官に応募者の本音や人柄が見えないため、採用後のミスマッチにつながりかねません。
その点、あらかじめ回答を準備しておくことが難しい雑談形式であれば、応募者が本音や人柄を見せてくれる可能性が高まります。
また、想定外の流れになったときにどのような受け答えをするかによって、対応力やコミュニケーション能力を測っているケースもあるでしょう。
面接が雑談形式の場合の対策
雑談形式の面接は、あらかじめ想定し準備しておかないと、くだけすぎて失礼な態度を取ってしまったり、想定外の質問に言葉が詰まってしまったりといった失敗をしてしまいがちです。
ここでは、雑談形式の対策として以下の3点を紹介します。
- 時事問題を理解しておく
- 自分の意見をまとめておく
- リラックスしすぎない
時事問題を理解しておく
雑談形式の面接では、どのような質問をされるか予想することが難しいですが、時事問題は比較的話題に挙がりやすい事柄です。
世の中の流れをしっかりと追い、問題についての理解を深めたうえで、自分の意見も述べられる状態にしておくと良いでしょう。
自分の意見をまとめておく
雑談のように感じられるとはいえ、雑談面接はれっきとした面接なので、話している内容には自分の意見を盛り込むことが大切です。
特に、自己PRや志望動機などアピールしたい内容については、「自己PRをしてください」「志望動機を教えてください」と直接聞かれなくても、雑談のなかで自然かつ臨機応変に伝えられるようにしておきましょう。
そのためには自身の強みや企業の求める人材像について、通常の面接以上に深く理解しておく必要があります。
リラックスしすぎない
雑談形式の面接は、通常の面接よりもカジュアルな雰囲気で進むため、ついリラックスして、過度にくだけた態度になってしまうこともあるでしょう。
しかし、雑談といえども面接には違いないため、礼儀とマナーはしっかりと守ってください。
丁寧な言葉遣いをし、姿勢を正しくするなど、普段の面接と同じようにすることが大切です。
雑談形式の面接内容【質問と回答例】
ここからは雑談形式の質問と回答例として、以下の4つを紹介します。
- 就活に関する質問と回答例
- 時事問題に関する質問と回答例
- 学校生活に関する質問と回答例
- 日常生活に関する質問と回答例
就活に関する質問と回答例
就活に関する質問と回答例は以下のとおりです。
就職活動、大変ですね。
はい、大変だと思うこともよくあります。
しかし、自分のことをよく見つめ直す機会になっており、多くの人と会うことで自分の成長にもつながるのではないかと思っています。
きっと良い結果になると信じて、最後まで諦めずに取り組みます。
就活に関する質問は大変さをねぎらっているわけではありません。
就活についてどのように考え、取り組んでいるかを知るための質問です。
そのため、正直に現状を答えたうえで、自分の考えを伝えるようにしましょう。
できるかぎりポジティブに答えるのがポイントです。
時事問題に関する質問と回答例
時事問題に関する質問と回答例は以下のとおりです。
最近気になっているニュースはありますか?
最近、選挙が近いことから増税の話題が増えており、自分たちの将来にも関わることなので大変気になっています。
成人が18歳になり私にも選挙権ができたので、早速選挙に行こうと考えています。
今まで議員の仕事内容や掲げている公約についてほとんど知りませんでしたが、しっかりと勉強して投票したいと思っています。
ニュースなど、時事問題について聞かれたときに、内容を指定されなかった場合は自分の答えやすいものを選ぶと良いでしょう。
自分に関わりのあることを具体的にいうと、説得力が増すのでおすすめです。
ただし、聞かれた内容がわからない場合は知ったかぶりをせず、「勉強不足で申し訳ありません」など、正直にわからないことを伝えましょう。
学校生活に関する質問と回答例
学校生活に関する質問と回答例は以下のとおりです。
学校生活は楽しいですか?
はい、大変なこともありますが楽しいです。
私は◯◯サークルの幹事をしており、イベントを盛り上げるのがとても大変でした。
何度も悩みましたが、最終的に一人で背負いこむのではなく、仲間と協力して物事を解決していくことが大切だと学びました。
その結果一生の仲間ができ、楽しい学校生活を送れています。
学校生活が楽しいかどうかの質問は、実は言葉のとおりではありません。
学校生活でどのようなことに力を入れてきたのか、何を学んできたのかを知るための質問です。
ただ「楽しかった」と答えるだけでは求められている答えにはならないでしょう。
また「楽しくなかった」など、ネガティブな回答は控えたほうが無難です。
日常生活に関する質問と回答例
日常生活に関する質問と回答例は以下のとおりです。
休みの日は何をしていますか?
休みの日は読書をすることが多いです。
推理小説やノンフィクション、歴史小説など幅広い分野を読みますが、特に好きなのはノンフィクションです。
現実にこんなすごい世界があるんだと実感でき、自分の人生の道しるべになると思うからです。
また、本を読むことで知識が増え視野が広がるため、仕事に関わる本も今後は読んでいきたいと思っています。
日常生活に関する質問では、何をしたかよりも、そこから何を学んだかが重要です。
事実だけでなく、その時間が自分にとってどのような意味をもたらしているのかを伝えましょう。
面接が雑談形式でも慌てずに落ち着いて臨もう
雑談形式の面接はカジュアルな雰囲気で進められますが、回答の内容を準備しておくことが難しく、臨機応変な対応が求められるため、対応力コミュニケーション能力が通常の面接以上に求められます。
想定外の形だったとしても、自分の意見やアピールポイントをしっかりと伝えられるようにしておきましょう。