高卒の採用面接では、質問に対する受け答えだけでなく、マナーもチェックされます。
企業から内定をもらうためには、面接で良い印象を与えることが最重要事項です。
事前に入念な対策を行っておくと、面接の際にも落ち着いて対応できるでしょう。
本記事では、高校生が面接を受ける際に必要な情報や面接質問集、面接でやってはいけないことなどをご紹介します。
よく聞かれる質問を把握しておき、自分なりの回答を考える際の参考にしてみてください。
目次
高校生が面接において最低限知っておきたい【基礎知識】
面接を受ける際に知っておくべき基礎知識をご紹介します。
必要な持ち物や提出書類については、当日になって焦らないよう余裕を持って準備しておきましょう。
また、面接では質問に対する回答はもちろん、基本的なマナーも判断材料のうちです。
企業側がチェックしていることを把握しておくと、面接での立ち振る舞いがしやすくなります。
高卒面接を受ける際の事前準備
面接の日までに準備しておくことや、面接時の基本的なマナーを解説します。
本番直前に焦って準備をすると、抜け漏れが起きる可能性もあるためおすすめできません。
また、付け焼き刃の知識は、本番の緊張で抜け落ちてしまうことも考えられます。
万全の状態で挑むには、情報を集めたうえで自分のなかで整理しておくことが大切です。
面接本番に向けてしっかりと備えておきましょう。
面接当日までに準備しておくこと
面接当日までに準備しておくことは以下のとおりです。
- 前日と当日のニュースを確認しておく
- 面接の日時・場所・提出書類や持ち物・会場までのルートを確かめる
- 企業の情報や提出書類を再確認する
- 面接の流れを頭に入れておく
最近の時事に関する質問を想定し、面接前日と当日のニュースをチェックしましょう。
また就職活動の際、複数の企業を同時に受けるケースもあります。
情報が混ざらないよう、面接当日の予定や受験する企業の理念・事業内容、面接での回答と提出書類の整合性などの再確認が大切です。
面接の流れについては、以下の記事をご参照ください。
高卒面接時のマナー
続いて、面接開始前から退室時までの手順と気を付けるポイントをご紹介します。
【面接開始前】
面接での第一印象は採否を左右しうる重要なポイントです。
TPOをわきまえた清潔感のある服装を意識しましょう。
時間に遅れないよう面接会場に到着することも、社会人として最低限のマナーです。
【入室時】
入室時は、ドアをノックし「どうぞ」と言われてから部屋に入りましょう。
ノックの回数は3回が一般的で、ドアを開けたら「失礼します」とあいさつしてください。
【面接時】
椅子に座ったら姿勢良く背筋を伸ばし、声は部屋の大きさにふさわしいボリュームで受け答えするよう心がけます。
【退室時】
質疑応答が終わったら、面接官にお礼を言い、一礼してから退室しましょう。
最後まで気を抜かず、ドアを閉めるときは音をたてないように静かに閉めてください。
採用側はこんなところを見ている
面接でチェックされている項目は、大きく3つあります。
- 企業とのマッチ度
- 就職への熱意
- 協調性や社会適応力
質問に対する受け答えではこれらを意識することで、面接官に良い印象を与えられるでしょう。
以下で詳しく解説していきます。
企業とのマッチ度
採用試験で面接官が知りたいのは、企業で活躍するための特性があるかどうかです。
企業は、書類だけではわからない情報を得るために面接を行います。
入社後にミスマッチが起きないように、書類上でわかる適性や資質を実際に会って確認することが狙いです。
戦力になれることをアピールするため、自分の能力を就職先でどう活かせるのか、事前に考えておきましょう。
就職への熱意
採用側は面接を通して、入社に対する意欲や主体性を持って行動できるかも確かめています。
いくら資格や特技が豊富でも、仕事に対する熱意が感じられないと採用には結びつかないでしょう。
さらに、言われた仕事だけを行うのではなく、自分の意思で判断し行動できる主体性を持っていることも重要になります。
応募する企業への理解を深めて、これらをうまくアピールすることが大切です。
協調性・社会適応力
多くの面接官は、協調性や社会適応力も重視します。
入社後に溶け込んで長く働けるかどうか、チームワークを乱さない順応性を備えているかを確認することが目的です。
質疑応答を通して、コミュニケーション能力も見極められています。
仲間と協力して成し遂げたことや、部活動でのがんばりをアピールすると効果的でしょう。
高校生の面接でよく聞かれる【質問・回答例】
面接においてよく聞かれる質問事項を知っておくと、面接練習がしやすくなります。
答え方に迷う場合には、まず以下の例を参考に考えてみましょう。
ただし、回答を丸暗記するのはおすすめしません。
本番では緊張で記憶が飛んでしまう可能性があるからです。
答えの方向性だけ決めておいて、あとは自分の言葉で話せるようにしてください。
企業への関心度を測る質問事項
就職する熱意や仕事への意欲、配属先への適性があるかを確認するために、次のような質問を受けることが予想されます。
この場合は企業への関心をアピールすると良いでしょう。
そのため高校では自動車科に入り、機械に関する基礎や設計などを学んできました。御社に入社できましたら、環境に優しく人々の生活を豊かにする自動車の製造に関わり、社会貢献したいと考えています。
そしてスキルアップを図るため、技術を磨きつつ勉強に励みたいです。将来的には〇〇の現場で経験を積み、統括できるリーダーのような存在になることを目標にしています。
私は人と関わることが好きで、高校時代に販売のアルバイトをしていました。
それゆえに、コミュニケーション能力には自信があります。また負けず嫌いな性格で、より商品が売れる方法や、お客様に満足していただける手だてを考えるのを楽しく感じていました。この経験を活かして、自分に頼みたいと思ってもらえるような、魅力ある営業職として活躍したいと考えています。
受験者本人に関するよくある質問
自己を客観視できているか、物事を冷静に観察する資質があるかの見極めが質問の意図です。
面接官は日々多くの学生を相手にしているため、印象に残る自己PRができることは大きな強みになります。
このときに身につけた判断力と忍耐力は自分の取り柄だと思っています。
また、部員全員で一つの目標に向かう経験をしたことで、チームワークの大切さも学びました。入社後も周りの方と助け合いながら、目標を持って仕事に取り組みたいと考えています。
一つの物事に全力を注ぐあまり少し時間がかかるのが短所ともいえますが、最後まで投げ出さずにやり遂げる姿勢には自信があります。今後は、できる限りスピードにも気を配りつつ、さまざまな仕事を諦めず着実に取り組みたいです。
高校時代に所属していたテニス部では、なかなか試合で良い結果が出せずに悔しい思いをしていました。
そこで私は、自ら必要な練習メニューを考えてコーチに提案したことがあります。
また練習試合を増やすために、他校に直接お願いしに行きました。そうして少しずつ試合で良い結果が出せるようになり、コーチから「君の行動力のおかげだ」と褒められた経験があります。
仕事に取り組むうえでも、この行動力を発揮して御社に貢献したいです。
高校生活や社会との関わりについての質問
物事に取り組む際の姿勢や応募者の強みを知るため、高校生活のことを聞かれる場合があります。
さらに、社会へどれだけ目を向けているかを測る意図で、時事ニュースについて質問されるかもしれません。
なかでもダンスの出し物は、クラスごとの個性が出ていて毎年楽しみでした。
自分たちで音楽や振り付けを考えて一つの作品を作り上げる工程にはとても胸が弾み、日に日にクラスがまとまっていくのを実感できました。この経験を通して、仲間と互いに高め合い、物事に取り組むことの大切さを学びました。
社会に出ても、チームワークを大切にして自分を高めて、御社に貢献したいと考えています。
解き方のコツがわかった瞬間や、難しい問題を解けたときに、とても楽しく感じます。
解き方が違っても答えが一つに導かれる点がおもしろく、得意教科の一つでもありました。
こうした倫理的思考を社会に出てからも役立て、効率良く仕事に取り組みたいです。
ここ数年はコロナ禍で暗いニュースも多くありましたが、日本代表の選手が力を合わせて戦い、勝利した場面には深く感動しました。
私もチームのために力を尽くし、仲間を思いやれる人間になりたいと考えています。
採用側への逆質問
面接試験で「最後に質問はありますか?」と聞かれたときには、できる限り質問しましょう。
この問いかけで採用側は、仕事への熱意や入社への本気度を測っています。
そのため仕事内容に対する具体的な質問や、意気込みを示せる質問が効果的です。
「特に質問はありません」という受け身な姿勢は、マイナスイメージにつながりやすいため避けましょう。
逆質問の例は以下のとおりです。
- 御社の新事業である〇〇に関してもう少し知りたいのですが、教えていただけますか?
- 入社までに勉強しておくべきことや、読んでおくべき本はありますか?
- 御社で活躍されている方にはどのような共通点がありますか?
積極性をアピールできるように、面接の最後まで気を抜かないようにしましょう。
高校生が就職面接でやってはいけないこと
高校生だからといって、面接官が甘く見てくれるとは限りません。
社会に出るうえでのマナーとして、就活では以下の3点に注意が必要です。
- 清潔感がなく身だしなみがだらしない
- 態度が悪い
- 声が小さい
面接の前に、服に汚れやシワがないか、髪がきれいにセットされているか、ネクタイが曲がっていないか入念にチェックしましょう。
身だしなみは第一印象を大きく左右する大切な要素です。
また、態度が横柄で他人に迷惑をかけるのは、人としてあってはならない行為といえます。
社会人としての自覚を疑われかねないので、最低限のマナーと心得ておきましょう。
さらに声の小さい人は、それだけで自信がないと受け取られてしまう可能性があります。
せっかく立派な内容で受け答えができていても、弱気な態度では面接官に信頼してもらえません。
相手が聞き取りやすい声の大きさで、自信を持って話すように心がけてください。
高校生の面接では質問・回答を想定した事前準備をしっかり行おう
面接の準備をする際は、「自己分析・企業研究・提出書類の再確認」という3ステップを頭に入れておきましょう。
提出書類と面接での回答に矛盾があっては、一貫性がなく、入社意欲があるとは判断されにくくなります。
自分の考えとじっくり向き合い、希望する企業の理念とすり合わせることが大切です。
回答を準備できたら、本番では自信を持って熱意を伝えましょう。