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残業でつらいときはどうする?確認することや対処法を解説

この記事の監修者
岡崎 壮史
岡崎 壮史
【名前】
岡崎壮史

【プロフィール】
マネーライフワークス 代表/社会保険労務士・1級FP技能士・CFP
生命保険の営業として、生命保険や個人年金といった資産運用などに関する業務を担当。平成26年9月に1級FP技能士の資格を取得。平成27年11月にFPの国際ライセンスであるCFPを取得。資格取得後は、保険や個人年金以外の様々な金融資産の運用や活用についてのセミナーや金融関係のサイトへの執筆・記事監修などを行う。
平成29年9月にマネーライフワークスを設立。現在は、助成金を活用した企業の労務環境改善コンサルタントとして、労働者・事業主に対して職場環境の改善に向けた企業研修や助成金活用セミナーと保険などの金融商品を活用した資産運用についてのサイトへの記事の執筆や監修なども行っている。

残業が続くと、心身ともに疲弊してしまいがちです。
そんなときはどのように対処するのが良いのでしょうか。

残業がつらいときに確認すべきことや、改善するための方法について解説します。

残業がつらいときに確認すべきこと

残業がつらいときに確認すべきこと

まずは、残業代が正しく支払われているのか、残業時間が適切なのかを確認することが大切です。
会社によって細かいルールに違いはありますが、労働基準法で定められている規定を知っておく必要があります。

労働基準法・36協定について

36協定とは、残業や休日出勤をする際に、事前に届出が必要な労使協定のことです。
従業員に時間外労働を課す企業は、「時間外労働を行う業務の種類」や「1日、1ヵ月、1年あたりの時間外労働の上限」などを従業員と事前に協議して、決めておかなければなりません。

法定労働時間は1日8時間、1週40時間以内と定められており、これを超えて残業をさせる場合は、36協定を締結し、労働基準監督署長へ届出をしなければなりません。
時間外労働の上限は原則月45時間・年360時間までですが、臨時的な特別の事情がある場合、年間720時間以内、かつ、2~6ヵ月の各期間における1月あたりの平均で80時間未満、1月あたり100時間未満とすることを条件としたうえで、最大年6回までは上限を超える残業が認められます。

また、有給休暇についても、2019年4月の法改正により、年10日以上の有休が付与される労働者に対しては、付与日から1年以内に5日間の取得が義務化されました。
自分の働き方が法律に則しているかどうかを、しっかりと確認しましょう。

過労死ラインについて

一般的に、月80時間以上の残業は過労死ラインと呼ばれ、労働者の健康を著しく害するリスクが高まります。

過労死とは、長時間労働や強いストレスによって突然死や自殺に至ることです。

業務に起因するものだと認められた場合、労災認定される可能性もあります。

会社は社員を守る義務があるため、過労死ラインを超える残業を強いることがあってはなりません。
自分の残業時間をきちんと把握し、休息を取ることを心がけましょう。

毎日残業がつらいときの対処法

残業が長引くと体調を崩したり、プライベートな時間が削られたりと、悪影響が出てきます。
改善するために実践したい対処法をご紹介します。

第三者に相談する

つらさを一人で抱え込まずに、家族や友人、知人に相談してみるのも一つの手です。
客観的な意見を聞くことで、新たな視点や解決策が見つかるかもしれません。

また、つらさの原因が残業代にある場合は、公的機関に相談するのもおすすめです。
未払いの残業代について相談したいのであれば労働基準監督署に、確実に残業代を受け取りたい場合は弁護士に相談すると良いでしょう。
ただし、根本的な解決にはつながらないこともあるため、注意が必要です。

業務の効率化を図る

残業を減らすには、業務の効率化が欠かせません。
まずは自分の仕事の進め方を見直し、無駄な作業がないか確認しましょう。

優先順位をつけてタスクを整理し、スケジュール管理を徹底することで、作業時間の短縮につながります。
また、業務のマニュアル化やIT化を提案するのも良いでしょう。

ただし、個人の努力だけでは解決できない場合もあります。
チーム内で協力し合いながら、効率的な働き方をめざすことが大切です。

周りと協力関係を築く

一人で仕事を抱え込まずに、周りの人と協力関係を築くことが重要です。
上司や先輩に相談して業務の進め方についてアドバイスを受けたり、同僚と役割分担をしたりすることで、負担を軽減しながら効率良く仕事を進められるでしょう。
一人で抱え込まずに、周りの力を借りることを恐れないことが大切なのです。

お互いの業務内容を理解し、助け合える関係性を築くことが理想です。
コミュニケーションを積極的にとり、チームワークを高めていきましょう。

ときには「NO」という勇気を持つ

納期厳守が難しい仕事や、自分の能力を超えた仕事を頼まれたときには、勇気を出して「NO」と言うことも必要です。
自分ができる範囲で仕事を引き受け、難しそうな場合は上司に正直に相談しましょう。
「断る」ことに、罪悪感を持つ必要はありません。

自分の限界を超えた仕事を引き受けても、質の低下やミスにつながりかねません。
周りを見渡して客観的に判断し、「NO」と言える勇気を持つことが大切です。

判断の際には、自分の心身の健康を何より優先するようにしましょう。

退職・転職を考える

改善を試みても、残業がなくならないケースもあるでしょう。
そんなときは思い切って退職を考えることも大切です。
すぐには会社に認められないかもしれませんが、労働者には自身の健康を守るために退職する権利があるのです。

働き方を見直すために転職するという選択肢もあります。
残業が少ない企業へ転職したい場合は、転職エージェントに相談するのも一つの手です。
自分に合った働き方を探してみましょう。

自分の仕事が終われば帰る

「周りが残業しているから自分も残業しなければ」と考えがちですが、それは間違いです。
自分の仕事が終わったら、周りを気にせずに定時で帰るようにしましょう。

残業することが美徳だと考えるのは、古い価値観です。
効率よく仕事をこなし、プライベートな時間もしっかりと確保することが何より大切です。

自分の心身の健康を守るためにも、メリハリをつけた働き方を心がけましょう。
「残業=頑張っている」という考え方から脱却することが重要です。

残業がつらいときは確認事項をチェックして対処法を実践しよう

残業が続くとつらい思いをするのは当然のことです。
まずは労働基準法や36協定について確認し、自分の働き方が適切なのかチェックしてみましょう。

改善策として、業務の効率化を図ったり、周りと協力関係を築いたりすることをおすすめします。
第三者に相談するのも良いでしょう。

どうしても残業から逃れられない場合は、退職や転職を検討するのも一つの手です。
心身の健康を何より大切にしながら、働き方を見直していきましょう。

執筆者について

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