失業中、再就職先が決まるまでの期間、雇用保険の失業等給付(失業保険)を受給する人もいるでしょう。
では、失業保険の受給中に、家族の扶養に入ることはできるのでしょうか?
本記事では、失業保険を受給しながら扶養に入れるケースと、入れないケースをそれぞれ紹介します。
失業中に扶養に入ることを検討している方は参考にしてください。
目次
失業保険(失業手当)受給中も扶養に入れるケースはある
失業保険を申請していても、失業保険の受給要件を満たしていれば、扶養に入れる可能性があります。
受給要件は以下の2つです。
- 働ける状態にあり、積極的に就職活動をしているにも関わらず、失業している
- 離職日前の2年間に被保険者期間が通算12ヵ月以上ある(特定受給資格者や特定理由離職者の場合は離職日前の1年間に被保険者期間が通算6ヵ月以上必要)
ただし、受給要件があるからといって、必ずしも扶養に入れるとは限りません。
詳細は家族の勤務先や、家族が加入している健康保険組合に確認しましょう。
失業保険受給中の扶養に入って良いケース
ここからは失業保険を申請して受給する際に扶養に入っても良いケースとして、以下の3つを紹介します。
- 待機期間・給付制限期間中
- 年収が130万未満
- 給与収入が103万円以下
待機期間・給付制限期間中
受給が始まる前の待機期間および給付制限期間中は家族の扶養に入れます。
7日間の待機期間はすべての人が対象ですが、給付制限期間は人によって期間が異なり、2〜3ヵ月になります。
失業保険の受給が開始したあとは受給額によって扶養に入れるか入れないかが決まりますが、受給前は基本手当日額に関係なく扶養に入ることが可能です。
年収が130万円未満
健康保険の扶養に入るには年収が130万円未満である必要があります。
年収130万円未満であれば、失業保険の受給中でも扶養に入ることが可能です。
ここでいう年収とは、扶養に入ってから1年間の収入の見込み額を指します。
また、その年収には失業保険で受給した額も含まれることを覚えておきましょう。
ただし、健康保険組合によっては失業手当を受給中は扶養に入れないケースがあるため、家族の加入している健康保険組合に確認しておくと安心です。
給与収入が103万円以下
扶養には社会保険だけではなく、税制上の扶養もあります。
税法上の扶養に入るためには、給与収入が年収103万円以下でなければなりません。
給与収入が年収103万円以下ならば、失業保険受給中でも扶養に入れます。
また、失業保険は非課税のため、年収に含まれないのもポイントです。
失業保険受給中の扶養に入れないケース
次に、失業保険受給中の扶養に入れないケースとして、以下の2つを紹介します。
- 失業保険での扶養は日額によっては入れない
- 国内に居住していない
失業保険での扶養は日額によっては入れない
失業保険の日額手当が3,612円(60歳以上は5,000円)を超える場合、扶養に入ることができません。
なお、これは社会保険上の扶養の場合であり、税法上には該当しません。
社会保険上の扶養になりたい場合は、失業保険で給付される金額をあらかじめ確認しておくことが大切です。
国内に居住していない
2020年4月1日から国内に居住していない場合は、健康保険の被扶養者になれないことになりました。
そのため、海外に住んでいる人は失業保険を受給しながら扶養に入ることはできません。
ただし、以下の4つは例外として扶養になることが認められています。
- 外国に留学する場合
- 外国に赴任する被保険者に同行する場合
- 就労以外で一時的に海外に渡航する場合
- 被保険者が外国に赴任中に、被保険者との身分関係が生じた場合で、外国に赴任する被保険者に同行する場合と同等と認められた場合
国内に居住しない場合は、自分が上記のケースに当てはまるかを確認しておきましょう。
失業保険受給中ので扶養に入れないケース場合を把握しておこう
失業保険を申請しつつ、扶養に入れるパターンと、入れないパターンを紹介しました。
失業保険の受給は期間が決まっているため、扶養に入ったり抜けたりする手続きを面倒に感じるかもしれません。
しかし、自分の状況を正しく確認し、必要に応じて扶養に入ることで、失業中の金銭的な負担を減らすことができます。