「第二新卒の転職は難しい?」
「新卒で入社した会社をすぐに辞めると転職できない?」
新卒で入社した会社を早期に退職し、第二新卒として転職活動をするうえで、上記のような悩みを抱えている方は多いでしょう。
今回は、第二新卒の転職が難しいといわれる理由や、転職成功のために押さえておきたいポイントを紹介します。
第二新卒としての転職を検討している方は、参考にしてください。
目次
第二新卒の転職は難しい?
第二新卒だからといって、必ずしも転職が難しいとは限りません。
厚生労働省が令和元年に発表した「中途採用に係る現状等について」によると、第二新卒に該当する年齢層では6割程度が転職に成功しています。
30代以上に比べて転職に成功する割合は高い傾向です。
しかし一方で「第二新卒は転職が難しい」という意見を目にすることは少なくありません。
なぜ、第二新卒の転職難易度は高いと思われているのでしょうか。
その理由を確認していきます。
第二新卒の転職が難しいといわれる理由
転職に成功する割合が高いにも関わらず、第二新卒の転職が難しいといわれがちな理由として、以下の5項目を紹介していきます。
- すぐに退職すると懸念される
- 実務経験・スキル不足
- 求人数が少ない
- 書類が通りにくい
- 前職と比較しがちになる
それぞれ見ていきましょう。
すぐに退職すると懸念される
第二新卒は、企業から「また早期に退職するのではないか」と思われることがあります。
採用担当者は、できるだけ長く働いてくれる人材を求めています。
すぐに退職されては、採用コストや教育にかける時間が無駄になるためです。
第二新卒は、新卒で入社した会社を数年で辞めていることから、「嫌なことがあったらすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱かれやすい傾向にあります。
そのため、選考では長期間働けることをアピールし、採用担当社の懸念を払拭しなければなりません。
実務経験・スキル不足
中途採用を検討している企業は、即戦力として活躍できる人材を求めている傾向にあります。
しかし第二新卒は、前職で充分な経験を積んでいるわけではないため、即戦力とするには実務経験やスキルが足りていないことが多いでしょう。
一方、企業にとっての第二新卒は、基本的なビジネスマナーなどが身についている分、新卒よりも育成コストを抑えられる人材です。
即戦力としての活躍が難しい場合は、こうしたビジネスマナーの習得や、意欲、将来性などをアピールすると良いでしょう。
第二新卒の未経験に関する詳細は、以下の記事をご参照ください。
求人数が少ない
第二新卒の求人は、新卒の求人ほど多くないため、選択肢が限られます。
日本の採用市場は、新卒を一斉に採用して教育していく「新卒一括採用」が依然として根強く、第二新卒は欠員があったときなどに募集される程度です。
また、新卒採用は一斉に募集が開始され、インターンシップや企業説明会など採用の場面が用意されていますが、中途採用はそうとは限りません。
希望する企業が中途採用の募集を行っていないケースもあるため、転職活動をするにあたっては求人数が少ないことをまず認識しておきましょう。
書類が通りにくい
第二新卒は新卒に比べて求人数が少ないため、倍率が高く、書類選考の通過が難しい傾向にあります。
また、即戦力としての活躍を期待されている求人の場合は、キャリアを積んでいる人と比較されるため不利になりやすいでしょう。
上記を念頭に置いて自己分析や企業分析をあらためて行い、新卒のときとは異なるアピールを行う必要があります。
前職と比較しがちになる
新卒とは違い少なくとも1社は経験しているため、「この点は前職のほうが良かった」「前職はこうだったのに」など比較をしてしまい、煮え切らない状況になる懸念もあります。
自分のやりたいことや希望と100%合致する企業はありません。
しかし、転職活動をしていて悩みだすとつい比較してしまい、客観的な判断ができなくなる恐れがあります。
新卒は社会人経験がなく比較対象もありませんが、第二新卒は社会人経験が逆にマイナス面として作用する可能性もあるため注意しましょう。
第二新卒で転職が難しい人の特徴
第二新卒の転職活動は、正しい対策を取ることで成功率を高めることができます。
ここでは、第二新卒の転職が難しい人の特徴と、注意すべきポイントを確認しましょう。
転職理由がネガティブ
退職に至る経緯は「待遇が悪かった」「仕事が合わなかった」など、ネガティブな理由かもしれません。
しかし、会社への不満ばかり伝えてしまうと、嫌なことがあるとすぐに退職を選んでしまう人だと思われ、採用においてマイナスに働きます。
面接で転職理由を聞かれた際は、不満ではなく転職後につながるポジティブな理由を話すことが大切です。
例えば、本当は仕事が合わなかったために転職を考えたとしても、「前職の経験から、○○業界にチャレンジしたいと思った」など、ポジティブな転職理由を伝えましょう。
理由を言い換えることで、採用担当者が抱く早期退職の懸念も払拭されます。
将来のビジョンがない
ビジョンがないと、また転職を繰り返すことを懸念されるため、将来像を明確にしておくことが大切です。
現状の不満ばかりが先行して転職活動を進めてしまうと、実際にやりたいことが見えないままになってしまいます。
転職後にどのような仕事をしたいのか、将来どのようになっていたいのかが明確化していなければ、転職活動の軸も定まりません。
軸が定まっていないまま転職活動をしても、志望動機などをうまく伝えられず、早期に退職してしまうことを不安視されます。
転職後にやりたいことや、具体的なビジョンを明確化することが、転職活動を失敗しないポイントです。
将来のビジョンと応募先企業の特徴がマッチしていれば、内定を得られる確率が高まります。
業界研究・企業研究が不十分
転職後に後悔しないよう、業界や企業について研究し、自分のやりたいことと合致しているかをチェックしておきましょう。
業界や企業に対する知識が不十分だと、転職後に後悔し、結果的に早期退職を繰り返すことになるかもしれません。
特に、給与や福利厚生など、目先の条件だけで判断する人は危険です。
ミスマッチが起こらないよう、業界研究や企業研究は、新卒のとき以上に念を入れて行いましょう。
そのうえで、自分が本当にやりたい仕事なのか、企業が求めている人物像とマッチしているのかを判断してください。
第二新卒でもポイントを押さえれば転職活動は難しくない
転職が難しいイメージを持たれがちな第二新卒ですが、実際には6割程度の人が転職に成功しています。
ただし、採用担当者が第二新卒に対して「またすぐに退職してしまうのではないか」といった懸念を抱いていることも事実です。
そのため、書類や面接では、採用担当者の懸念を払拭できるアピールを心がけましょう。
また、転職理由は入社後につながるポジティブな内容を伝えることが大切です。
業界研究や企業研究を十分に行い、将来のビジョンを明確化したうえで転職活動にのぞみましょう。