転職活動時に必須となる履歴書には、自身のこれまでの経歴を記載する職歴欄があります。
学歴や職歴は人それぞれ異なるため、自分の記載方法が合っているのか、どのように記載すれば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、職歴欄の書き方の基本や、ケース別の具体的な記載方法まで、詳しく解説していきます。
目次
【履歴書の職歴欄】基本的な書き方|職歴・部署名はどこまで書くか
まずは職歴欄の書き方について、基本的な部分を押さえていきましょう。
学歴に関しては、義務教育は記載する必要はなく、義務教育卒業以降から最終学歴までを記載します。
①学歴の下に1行空けて「職歴」と記入する
最終学歴の下を1行空け、その下に職歴と記載します。
以降職歴を記載するという見出し的な役割を果たすため、欄の中央にバランスよく配置しましょう。
②年号は西暦か和暦どちらかで統一する
学歴・職歴の左端に記載する年は、西暦・和暦どちらでもかまいませんが、履歴書全体で統一されている必要があります。
和暦であれば、元号はアルファベットで略さずに平成、令和など漢字で記入します。
③職歴は場合により省略も
職歴欄には、現在にいたるまで自分が経験してきた仕事を、入社・退職・異動など時系列順にすべて記載します。
異動や転職回数が多く、それぞれの在籍期間が短かった場合でも、原則として履歴書上の職歴を省略することはできません。
ただし、行数が足りない場合、職歴欄上で入社と退職の2行を1行にまとめることや、応募先の企業や業界とは関係のない異動・アルバイトの記載を省略することは可能です。
この場合、のちに判明した際に経歴の詐称ととらえられないよう、別紙の職務経歴書で詳細をまとめましょう。
④会社名や部署名は正式名称で記入する
会社や部署名は、法人名や会社形態などを省略せず正式名称での記入が必須です。
過去の職歴を書く際、自分が勤務していた頃と現在で会社名が変わっている場合には、「〇〇〇会社(現△△△会社)」と明記します。
社内での異動も、職歴として異動年月を記入する必要があります。
店舗名や部署名、自分の職位を明記し、それぞれの部署や職位での仕事内容を簡潔に書きましょう。
職歴欄に入りきらない場合、詳細は別紙の職務経歴書に記入すれば問題ありません。
⑤入社・退職は行を分けて書く
③の項で軽く触れましたが、職歴欄には入社・退職などを時系列順に、すべて記載します。
職歴欄に記載予定の内容が多すぎて、行数が足りずやむを得ない場合以外には、入社と退職は1行ずつ分け、それぞれの年月日がわかりやすいよう明記しましょう。
⑥退職理由を明記する
職歴欄では詳細な退職理由を記載する必要はありません。
「会社都合により退職」「一身上の都合により退職」など、一般的な表現を記載しておきましょう。
ただし、面接では前職の退職理由を詳しく聞かれる場合も多いため、具体的に返答できるよう準備は必須です。
⑦「現在に至る」「以上」の書き方
最新の職歴まで記載できたら、職歴欄の締めには「以上」と記載します。
転職活動中であるなどしてまだ在職中の場合、最新の職歴に「現在に至る」と付け加えておきましょう。
退職予定日が決まっている場合は、「現在に至る(〇年〇月〇日 退職予定)」と書くと担当者に伝わりやすくなります。
離職中の場合には、締めとして「以上」のみ記載します。
【ケース別】履歴書の職歴欄の書き方
ここでは、履歴書を書くうえで迷いがちな場面と、その書き方について、ケース別に解説していきます。
職歴に空白期間がある場合
職歴に空白期間がある場合には、ブランクが空いた理由や、その期間に取り組んでいたことを記載しましょう。
出産や育児、介護などを理由として仕事を離れていたのであればその旨と、現在は状況が変化し就業可能となっていることを明記します。
なお、空白期間中に資格取得のための通学や留学、パート・アルバイトなどに取り組んでいた場合には、職歴欄に記入することができます。
派遣会社の職歴がある場合
派遣会社の職歴は、正社員の職歴とは少し書き方が異なるため注意が必要です。
まずは派遣会社に登録した年月日、派遣会社の企業名、入社ではなく「登録」と続けて記載します。
その次の行から、派遣先に勤務し始めた年月日、派遣先の企業名、派遣社員として就業したという雇用形態を明記します。
どのような業務に従事したか、仕事内容も簡潔に記載しておきましょう。
退職は理由に応じて、派遣期間満了につき退職か、一身上の都合により退職と記載します。
派遣会社の職歴の書き方については、下記の記事も参照してください。
パート・アルバイトの職歴がある場合
空白期間に関する項でも少し触れましたが、パート・アルバイトも、職歴欄に記入できます。
入社年月日と企業の正式名称を記載する点などは正社員と変わりませんが、パート・アルバイトとして働いていたという雇用形態を忘れずに記載しましょう。
また、複数のアルバイトをかけ持ちしていた場合も、時系列順に書いてください。
ただし、空白期間のつなぎとして1、2ヵ月ほど短期で行っていたアルバイトに関しては、必ずしも記載する必要はありません。
自営業・個人事業主・家業から転職する場合
自営業・個人事業主・家業の経歴がある方は、以下のように記載しましょう。
- 自身で企業し経営を行っていた場合
会社の正式名称ののち「設立」と記載し、書くスペースがあれば事業内容も簡潔に説明すると、担当者に伝わりやすくなります。
すでに会社をたたんでいれば、その年月日に「解散」と記載します。 - フリーランスとして個人事業を行っていた場合
屋号を持っていたら「屋号」と「開業」、屋号を持っていなかった場合は「個人事業主として開業」と記載し、事業内容を説明します。
事業を閉じていれば「廃業」の年月日も記載します。 - 法人ではない家業で家族従業員として働いていた場合
「家業である○○に従事」と記載し、退職年月日も明記します。
アピールできる副業をしていた場合
本業の傍ら副業を行っていた場合には、職歴欄に記載する必要があります。
記載しなければ、のちに判明した際に経歴詐称としてとらえられ内定取り消しになるおそれがあるため、会社単位で時系列に沿って書くというポイントをおさえたうえで必ず記載しましょう。
また、副業に関して、本業の会社のルールを守っていた、あるいは許可を得ていたことも明記します。
志望先へのアピールとなるような業務経験やスキルを身につけていた場合、副業が採用へプラスに働く場合もあります。
履歴書職歴欄の書き方をおさえて、自分の経歴をアピールしよう
職歴欄の正しい書き方について解説しました。
職歴は一人ひとり異なります。
それぞれの経歴をより効果的にアピールできる書き方で、採用をめざしていきましょう。