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派遣社員は退職金をもらえる?条件や種類、計算方法について解説

この記事の監修者
岡崎 壮史
岡崎 壮史
プロフィール:
マネーライフワークス 代表/社会保険労務士・1級FP技能士・CFP
生命保険の営業として、生命保険や個人年金といった資産運用などに関する業務を担当。平成26年9月に1級FP技能士の資格を取得。平成27年11月にFPの国際ライセンスであるCFPを取得。資格取得後は、保険や個人年金以外の様々な金融資産の運用や活用についてのセミナーや金融関係のサイトへの執筆・記事監修などを行う。
平成29年9月にマネーライフワークスを設立。現在は、助成金を活用した企業の労務環境改善コンサルタントとして、労働者・事業主に対して職場環境の改善に向けた企業研修や助成金活用セミナーと保険などの金融商品を活用した資産運用についてのサイトへの記事の執筆や監修なども行っている。

派遣社員は退職金がもらえるのかわからず不安な方や、自分や知人が実際に退職金がもらえずに驚いた経験がある方もいるのではないでしょうか。

本記事では、派遣社員に退職金は支給されるのかどうかやもらえる条件、支給のタイミングや計算方法を解説しています。
退職金には制度がいくつかあり、その制度によりもらえるタイミングや計算方法が異なります。
また、雇用契約を結んだ会社の退職金制度と契約期間によっては退職金がもらえないこともあるため、事前に確認が必要です。
詳しく解説していくので、ぜひ参考にしてください。

派遣社員は退職金をもらえる?

派遣社員は退職金をもらえる?

派遣社員は退職金をもらえるかというと、実らえる可能性が高いといえます。
派遣法の改正で同一労働同一賃金が定められ、2020年4月1日から正社員に退職金を支払っている場合、派遣社員にも支払うことが義務付けられました。
厚生労働省の調査によると、平成30年度の時点で約80%の企業が退職金制度を採用しています。
ここからは、退職金はいつからもらえるのか、もらえないことはあるのかを見ていきましょう。

いつから退職金をもらえる?

退職金をもらえるタイミングは、雇用契約を結んだ企業が適用している退職金制度によって異なり、大きく2つのパターンに分けられます。
時給に上乗せされるパターンと、会社を辞めてから一時金として支給されるパターンです。

時給に上乗せされている場合は、毎月の給料に退職金が含まれている状態であり、働きながら退職金をもらっていることとなります。

一方、会社を辞めてからもらう場合は、派遣元会社で規定されている就業規則において定められた時期に支給されます。
退職金支給の条件として勤続3年以上など定められていることがあるため、確認が必要です。

退職金制度の種類は、のちほど詳しく解説していきます。

退職金をもらえないケース

退職金をもらうためには、前提として退職金制度を採用している企業や派遣会社で働く必要があります。

現在登録している派遣会社に退職金制度の採用がない場合は、退職金をもらうことはできません。
また、退職金を受け取るための条件のなかに勤続3年以上の項目がある場合は、派遣期間が3年未満になった場合など、条件を満たせないケースも出てくるでしょう。

会社の退職金制度の有無と受け取るための条件は雇入れ通知書等の雇用契約書の書面に記載されていますので、必ず先に確認しましょう。

派遣社員の退職金制度4種ともらい方

派遣社員の退職金制度4種ともらい方

派遣社員が対象となる可能性がある退職金制度は、以下の4つです。

  • 退職金前払い制度
  • 中小企業退職金共済制度
  • 派遣会社の退職金制度
  • 派遣先の退職金制度

1つずつ解説していきます。

退職金前払い制度

退職金前払い制度とは、派遣社員の時給に退職金分として一定額(一般基本給・賞与等の6%)を上乗せする制度です。
事前に毎月上乗せされているため、退職時に受け取る一時金はありません。
多くの派遣会社では、この制度が採用されています。

メリットとして、就業期間に関わらず退職金がもらえる点が挙げられるでしょう。
また、時給に退職金相当額が上乗せされるため時給が高くなります。
反対にデメリットは、給料が高くなってしまうため課税対象となり支払うべき税金が高くなる点です。

また、6%という値は変動もあるため注意が必要です。

中小企業退職金共済制度

中小企業退職金共済制度は、国の共済制度で中小の派遣会社が加入できるものです。
中退共とも呼ばれており、あくまで中小企業向けで大手派遣会社は対象となりません。
派遣会社が毎月かけ金を積み立て、派遣社員は退職時に中小企業退職金共済制度から積立金額に応じた退職金を受け取ることができます。

この制度では、12ヵ月以上勤務すれば退職金を受け取ることができます。
メリットは、掛金が月額5,000円から30,000円の16種類から選ぶことができるため、無理のない金額で積み立てを行える点です。
ただし、24ヵ月以上勤続しなければ掛け金を下回る金額となる可能性があります。

デメリットとしては、掛け金の増額は任意のタイミングで行うことができるものの、掛け金の減額は一定の要件を満たさないと行うことができない点です。

派遣会社の退職金制度

派遣会社に独自の退職金制度があれば、派遣会社の就業規則に基づき支給されることもあります。
支給元は契約している派遣会社です。

派遣会社の社員と同等の待遇となるため、勤続年数が長くなると金額も増加する傾向にあります。
しかし、最低でも勤続3年以上の労働者に支給すると定めている派遣会社も多く、派遣期間が通算して3年に満たない場合は退職金を受け取れない可能性もあるため、注意が必要です。

派遣先の退職金制度

派遣先の退職金制度が採用されるケースもごくまれにあります。
派遣先の企業から支払われた退職金は、一度派遣会社を経由し労働者へ支払われます。

この制度では、派遣先の企業が退職金を負担しなくてはならないため、金銭的な負担が大きく、あまり活用されていない制度です。

派遣先が大企業でこの制度を採用している場合、比較的高い退職金が期待できます。
しかし、この制度も勤続3年以上が条件とされていることが多く、派遣社員は受け取れない可能性があるため注意が必要です。

派遣社員の退職金の金額はいくら?計算方法は?

派遣社員の退職金の金額はいくら?計算方法は?

派遣社員の退職金はいくらになるのか、計算方法と合わせて紹介します。
退職金前払い制度の場合、先ほど紹介したとおり、基本的に「(時給×就労時間+賞与等)×0.06」で求めることができます。

中小企業退職金共済制度の場合は、「かけ金×勤続年数×年齢」と定められています。
派遣会社の退職金制度の場合、基本的に「基本給×支給月数×支給率」で求められます。
派遣先の退職金制度の場合は派遣先企業のルールに則るため、事前に就業規則を確認しましょう。

派遣社員でも退職金はもらえるが、就業規則の確認はしておこう

派遣法の改正により、派遣社員でも退職金がもらえるように改善されてきました。
退職金の制度は4種類あり、そのどれを採用しているかを確認しておく必要があります。

そのうえで、契約を結んだ企業が採用している退職金制度によっては3年以上の勤続を条件としている場合もあるため、自分の契約年数と退職金を受け取るための必要な勤続年数をしっかりと確認しておきましょう。

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