転職回数の多さは、転職活動中の人が懸念する材料の一つです。
企業にネガティブなイメージを持ってもらいたくないものの、転職回数をごまかして職務経歴書を書くわけにもいかず、どうすれば良いか悩む人もいるでしょう。
転職回数が多くても、ポイントを押さえた職務経歴書の書き方や、面接の対応策を身につければ転職活動の成功率も高まります。
今回は、転職回数が多い人が転職を成功させるコツを詳しくご紹介しましょう。
目次
転職回数はどのように採用に影響するのか
転職回数は、企業側からみると辞職した回数です。
単純に数字だけで判断するなら、採用しても長続きしないと思われる可能性があります。
しかし、企業側は転職回数だけで合否を判断しません。
年齢に応じた平均的な転職回数や、転職理由などを考慮して採用・不採用を決めます。
転職回数が与える影響について、以下で詳しく解説します。
転職が多いと感じられる平均回数は?
転職の回数は、年齢によって多い・少ないの印象が異なります。
20代の転職回数の平均は1〜2回で、20代後半から30代になると、2回以上の退職経験者が増えます。
40代の平均転職回数は3〜4回ほどです。
年齢に見合った平均数を大幅に超えていると、転職回数の多さが目立つ可能性があるため注意してください。
企業が気になるのは転職回数よりも転職理由
転職回数は、年齢ごとの平均回数を大幅に超えてさえいなければ、企業はあまり注視しません。
それよりも気になるのは、「なぜ転職したのか」です。
例えば、スキルアップを理由に転職し、確実にスキルを身につけていれば、企業は魅力的な人材と判断するでしょう。
前職場でのハラスメントや悪質な労働環境で、体を壊して退職した場合も、本人が原因ではないので「やむをえない」と判断され、転職回数に影響しません。
転職理由は企業の判断材料なので、ごまかさず正直に伝えましょう。
転職したいなら早いほうが良い
転職活動は、年齢が高くなるほど不利になります。
令和元年9月に発表された厚生労働省の資料によると、企業が積極的に中途採用する年齢は35歳未満です。
35歳以上の採用から積極性が薄れ、55歳以上になるとほとんどの企業が採用を検討しません。
転職したいなら年齢も考慮し、できるだけ早く取り組んだほうが成功率も上がります。
転職回数が多くても、年齢的に採用される可能性があるなら、できるだけ早い段階で転職活動しましょう。
転職回数が影響しない業界もある
転職回数が多い人は、回数が影響しない業界へ応募するのも良い方法です。
もともと転職者が多い業界では転職回数を気にされにくいので、ほとんど影響がありません。
例えば、生産工場や運送業・清掃業・サービス業などは、転職者数も多いので、受け入れてもらいやすいでしょう。
IT業界やベンチャー企業も、職歴の多さをスキルの多さと考え、転職回数を気にしない傾向があります。
転職回数が気になる人は、転職者の多い業界を選んで応募してみましょう。
転職回数が多い人向け職務経歴書作成のコツ
転職回数の多さを気にしていると、職務経歴書をどのように書くべきか悩む人も少なくありません。
転職回数をネガティブな印象にせず、積極的に採用を検討してもらうためには、職務経歴書にも工夫が必要です。
転職回数が多い人に最適な職務経歴書の作成のコツを、以下で詳しく解説します。
業務内容ごとにまとめてA4用紙1~2枚におさめる
転職回数が多い人は、職務経歴書を業務内容ごとにまとめて作成しましょう。
転職先ごとに時系列で記載すると、書くべき項目が増えて枚数も多くなります。
しかし、A4用紙1〜2枚におさめれば、ボリュームを抑えられて転職回数の多さが目立ちません。
業務内容ごとにまとめると内容が簡潔になり、採用担当者も読みやすくなります。
「営業」「接客」「事務」など、過去に経験した業務内容ごとに経歴をまとめ、経験や身につけたスキルをアピールしましょう。
転職回数は正確に記入する
転職回数は、ごまかさず正確に記入しましょう。
転職回数を少なく見せるために端折る人もいますが、社会保険の手続きをすれば履歴がわかります。
面接でごまかせても、公的手続きで虚偽とわかるので良い方法とはいえません。
最悪の場合、経歴詐称と判断され、企業から訴えられる可能性もあります。
アルバイトや派遣先変更の経歴は端折っても問題ありませんが、それ以外の転職は漏れなく記入してください。
転職の軸を伝える
転職回数が多い人の職務経歴書では、多種多様な業種・職種の職務経験があっても、一貫した軸があると高評価を得られます。
例えば、30代で3回転職経験があるAさんが、介護用品レンタル会社へ応募するとします。
Aさんはケアマネジャーの資格があり、介護施設勤務を経て介護用品レンタル会社の相談員募集に応募しました。
業種は異なりますが、介護に悩む人へのアドバイスという点は一貫しており、軸がはっきりしています。
このように、転職の軸がぶれていない点をアピールできれば、転職回数が多くても好印象を与えられるでしょう。
転職理由はポジティブに伝える
転職回数が多い人が転職理由を伝えるときは、これまでの転職回数を反省しつつ、前向きな意思を伝えましょう。
過去の転職とその理由を振り返り、経験から見出した目標や将来の希望を述べると、ポジティブな印象を与えられます。
例えば、過去の転職理由が職場への不満や批判だったとしても、「〇〇の仕事をやってみたいと思ったから」と伝えた方が前向きな印象です。
これからチャレンジしてみたい仕事や将来的なキャリアプランなど、明るい内容でまとめましょう。
転職に向けた意欲を伝える
転職への意気込みや意欲を伝えると、転職回数が多くても採用の可能性が高まります。
転職への意欲は、そのまま転職先での貢献度につながるものです。
これまでの経験が転職先で役立つなら、転職回数の多さはデメリットにならないでしょう。
転職回数の多さは、経験の多さにもつながります。
多種多様な企業で身につけたノウハウは、新たな視点を持つ人と印象づけることも可能です。
現在できることを余すことなく伝え、転職先でどのように貢献したいかをアピールしましょう。
スキルや実績は具体的に記載する
転職回数が多い人の職務経歴書は、身につけたスキルや実績を詳しく記載すると、転職の成功率も高まります。
どのような経験をして、どのようなスキルを身につけたかを具体的に記載して、採用担当者の関心を引きましょう。
実績は数値で表すとより真実味が増します。
「前年度の売り上げを10%伸ばした」「社内の勤務体制を見直し、残業代を30%削減した」など、具体的な数値を挙げてアピールしましょう。
転職回数についての質問を想定し面接にも備えよう
転職回数が多い人は、面接での質問・回答の準備も大切です。
転職回数が多いと、面接官は転職理由を尋ねたり、今後も転職する可能性を考えたりするでしょう。
もし何も準備せず言葉に詰まると、消極的な印象にもなりかねません。
転職理由は包み隠さず話し、過去の転職先で得たスキルや実績を、スムーズに話せるよう練習しておきましょう。
「御社への転職を最後にしたい」と入社への意気込みを伝え、応募する企業で役立つ経験やスキルをアピールできれば、仕事への熱意を感じてもらえ、転職回数の多さも決して不利には映らないでしょう。
転職回数に関わらずポジティブな意志が伝わるよう準備しよう
転職回数の多さは年齢に見合った回数であれば、さほど問題になりません。
また、転職回数が多くても、やむをえない理由によるものであれば、企業側にも納得してもらえます。
大切なのは転職回数の多さをポジティブに伝え、入社したい・働きたい意思を強くアピールすることです。
多くの転職経験で応募企業に役立つスキルを身につけていれば、興味を持って積極的に採用する企業も少なくありません。
転職回数の多さを強みに変える読みやすい職務経歴書を作成し、面接への対策をして仕事への熱意や入社の意志を伝えましょう。