アルバイトの掛け持ちは、自分のライフスタイルに合わせ、複数の職場での短時間労働を兼務する働き方です。
日常生活の空き時間を有効活用でき、アルバイトを掛け持ちして収入を増やしたり、スキルを身につけたりする人もいます。
アルバイトの掛け持ちは誰でも可能ですが、円滑に働くためにはデメリットも知り、掛け持ち先の職場に迷惑をかけないよう、気をつけなければなりません。
今回は、アルバイトの掛け持ちのメリット・デメリットと、注意点を詳しく解説します。
目次
アルバイトは掛け持ちしても良い|複数応募も可能
アルバイトは、応募先の企業が禁止していないのなら、掛け持ちしても問題ありません。
シフトに問題がなければ、2つ以上のアルバイトの掛け持ちも可能です。
ただし、最初から掛け持ち予定で複数応募をするなら、先に志望度を決めておきましょう。
第一志望から順に志望度を決めておくと、複数応募しても面接日を設定しやすくなります。
アルバイトを掛け持ちするメリット・デメリット
アルバイトの掛け持ちは、メリットがある一方、気をつけなければならないデメリットもあります。
メリットとデメリットを知って、アルバイトの掛け持ちをするか否かの、判断材料にしてみましょう。
メリット
アルバイトの掛け持ちには、次のメリットが挙げられます。
- 収入が増える
- さまざまなスキルや経験を積める
以下で詳しく解説します。
収入が増える
アルバイトを掛け持ちすると、給与を得る機会も増えるため、全体的な収入額がアップします。
また、アルバイト先のいずれかでシフトを減らされても、ほかのアルバイトでカバーでき、経済的不安も軽減できるでしょう。
複数の収入源確保による家計の安定は、単純な金額増加だけではなく、アルバイト先の倒産やリストラ対策にも有効であることもメリットといえます。
さまざまなスキルや経験を積める
アルバイトの掛け持ちは、さまざまなスキルや経験を積める良い機会です。
身につけたスキル・経験は、就職活動でもアピールできるほか、多様で広い人脈づくりに役立ちます。
また、興味がある職種・業種の掛け持ちは、仕事内容を深く知るきっかけになるため、自分に向いているか不向きなのか、判断がつけやすくなるでしょう。
デメリット
魅力的なメリットがある一方、アルバイトの掛け持ちには次のデメリットもあります。
- シフトに余裕がなく体調に影響が出る恐れがある
- スケジュール管理が大変
以下で詳しく解説します。
シフトに余裕がなく体調に影響が出る恐れがある
アルバイトを掛け持ちしていると、雇用先から突然シフト変更を申し入れられたり、勤務日数を増やす打診をされたりして、シフトに余裕がなくなるケースが見られます。
シフトに余裕がないと体を休める時間が短くなり、体力・気力が低下して体調不良を起こすかもしれません。
アルバイトの掛け持ちは、休日・休息時間を意識して取ることも大切です。
スケジュール管理が大変
スケジュール管理が大変な点も、アルバイトの掛け持ちのデメリットに挙げられます。
アルバイトのシフト決定では、確実に自分の希望が通るとは限りません。
特に、毎月シフトが変わる職場では予定どおりのシフトが組めず、ほかのアルバイトとスケジュールが重なり再調整が必要となる可能性もあります。
アルバイトの掛け持ちは、スケジュール管理でシビアな面があると理解しておきましょう。
アルバイトを掛け持ちする際のポイントや注意点
アルバイトの掛け持ちを検討するときは、次のポイントに注意しなければなりません。
- あらかじめアルバイト先に掛け持ちすると伝えておく
- 103万円の壁を超えると所得税が課税される
- 年収が130万円の壁を超えると扶養から外れる
以下で詳しく解説します。
あらかじめアルバイト先に掛け持ちすると伝えておく
アルバイトを掛け持ちするときは、応募・面接の段階から、あらかじめ「アルバイトを掛け持ちする予定」と伝えましょう。
就業規則で掛け持ちを禁止している職場では、せっかく採用されても規則違反になり、解雇されかねません。
掛け持ちOKの職場では、最初に事情を話しておけば、シフトを考慮してもらいやすくなります。
お互いに気持ちよく働けるよう、アルバイトを掛け持ちすると伝えましょう。
103万円の壁を超えると所得税が課税される
103万円の壁とは、所得税が課税されるボーダーラインを意味します。
年収が103万円を超えると所得税がかかりますが、103万円未満なら課税されません。
また、ご家族の扶養に入っている人の年収が103万円を超えた場合、税制上の扶養から外れることでご家族(保護者や世帯主など)の所得税・住民税が増額される可能性もあります。
アルバイトの掛け持ちをするときは、年収が103万円を超えないようにしましょう。
年収が130万円の壁を超えると扶養から外れる
130万円の壁は、社会保険の扶養から外れるボーダーラインです。
例えば、夫の扶養に入っている妻が、アルバイトを掛け持ちして年収130万円を超えた場合、夫の社会保険の扶養から外れなければなりません。
扶養から外れたら、アルバイト先の社会保険に入るか、自分で手続きして国民年金・国民健康保険へ入り、毎月の保険料を支払います。
扶養から外れるつもりがないのなら、年収130万円を超えない範囲でアルバイトを掛け持ちしましょう。
アルバイトの掛け持ちを成功させるコツ
アルバイトの掛け持ちは、以下のポイントを押えると続けやすくなります。
- スケジュールや体調などの自己管理をする
- 掛け持ちしやすいアルバイトを選ぶ
各項目の詳しい内容を、以下で解説します。
スケジュールや体調などの自己管理をする
アルバイトの掛け持ちでは、スケジュール・体調の管理が重要です。
タイトなスケジュールでシフトを組むと、体調不良で十分な力を発揮できなかったり、ほかのアルバイト先とシフトが重なったりして長続きしません。
「週1日は完全休日にする」「突然のシフト変更依頼は確認してから返答する」など、自分で決まりを作って徹底すれば、アルバイトの掛け持ちを上手に管理できるでしょう。
掛け持ちしやすいアルバイトを選ぶ
複数のアルバイトを掛け持ちするときは、メインとサブに分けて組み合わせると、スケジュールや体調に負担をかけにくくなります。
掛け持ちしやすいアルバイトの選び方を、以下で解説します。
単発や短期アルバイトを選ぶ
短期や休日のみの単発バイトは、空いた時間を有効活用できて、スケジュール管理がしやすいのでおすすめです。
例えば、メインのアルバイトを週4日、単発バイトに週1〜2日入れれば、休日もありスケジュール管理も容易になります。
短期アルバイトのなかには時給の高い求人もあるので、収入アップを狙っているならおすすめです。
スケジュールの融通が利くアルバイトを選ぶ
スケジュールやシフトに融通が利くアルバイトと、固定シフトで働けるアルバイトの組み合わせもおすすめです。
工場の軽作業や、24時間営業のスーパー・コンビニは、比較的スケジュールに融通が効きます。
塾講師や家庭教師などシフト固定性の業種でのアルバイトをメインにして、融通が利くアルバイトをサブに組み合わせれば、スケジュール管理も無理なくできるでしょう。
在宅でできるアルバイトを選ぶ
メインのアルバイトに、在宅でできるアルバイトを組み合わせるのも良い方法です。
在宅のアルバイトは移動がなく、自宅で好きな時間にできるため、効率良くアルバイトを掛け持ちできます。
例えば、パソコンが得意ならデータ入力の事務作業をしたり、単純作業が得意なら商品の袋詰めをしたりなど、自分に合った在宅ワークと組み合わせてみましょう。
アルバイトの掛け持ちでよくある質問
アルバイトの掛け持ちを検討するとき、次の疑問を持つ人がよく見られます。
- 掛け持ちは2つまでなど数に制限はありますか?
- アルバイトを掛け持ちしたら確定申告が必要ですか?
各質問の回答を、以下でご紹介します。
掛け持ちは2つまでなど数に制限はありますか?
アルバイトの掛け持ちは、スケジュール・体調の管理ができるなら、数に制限はありません。
応募先が掛け持ちを禁止しておらず、無理のない範囲で続けられるなら、2つ以上のアルバイトも掛け持ちできます。
単発や在宅のアルバイトも視野に入れて、2つ以上でも管理しやすいスケジュールを組みましょう。
アルバイトを掛け持ちしたら確定申告が必要ですか?
アルバイトを掛け持ちしていて、以下の条件に当てはまる人は、確定申告をしましょう。
- 年収103万円以上で年末調整をしていない人
- メインのアルバイトが年収103万円以上で、サブのアルバイトの所得が20万円以上の人
- 年収は103万円未満だが源泉徴収分の還付金を受けたい人
アルバイトの掛け持ちの確定申告に関する情報は、以下のページで詳しく解説しています。
ぜひご参照ください。
アルバイトの掛け持ちは体の健康や税金に気をつけよう
アルバイトの掛け持ちは、就業規則で禁止されていない職場なら可能です。
採用面接の段階で「アルバイトを掛け持ちする予定」と伝えておくと、職場でも考慮してもらえるでしょう。
ただし、タイトなスケジュールを組んでしまうと、シフトがバッティングして職場に迷惑をかけたり、体調不良を起こしたりするので注意が必要です。
また、年収103万円を超えると所得税が課税され、130万円を超えるとご家族の社会保険の扶養から外れる必要が出てきます。
アルバイトの掛け持ちは収入額が増えるので、スケジュール・体調と合わせて、税金や社会保険についてもしっかり管理しましょう。