履歴書や面接で自己PRを伝えるとき、何事にもコツコツ取り組む点を挙げる人もいるでしょう。
真面目さや丁寧さを表すのに効果的なアピールポイントですが、ただ「コツコツ取り組む」と伝えるだけでは、思ったような印象を与えられません。
コツコツ取り組むと一口にいっても、企業側の印象は千差万別です。
自分の性格や、応募企業の業務に合わせた内容にまとめ、ほかの応募者にはない魅力を伝えましょう。
今回は、自己PRで「コツコツ取り組む」と伝えるときのポイントや、注意点を詳しく解説します。
目次
「コツコツ取り組む」は自己PRになる
物事にコツコツ取り組む姿勢は、面接で自己PRできる長所の一つです。
コツコツ取り組む人の特徴と、企業側が持つ印象を知って、自己PRに役立てましょう。
以下で詳しく解説します。
コツコツ取り組む人の特徴
仕事はもちろん、自分に課せられた課題にコツコツ取り組む人には、次のような特徴が見られます。
- 真面目に努力する
- 手を抜かず丁寧に取り組む
- 粘り強い
- 物事を計画的に進める
- 責任感が強く最後までやり遂げる
業務に取り組む姿勢は、企業側にとって重要なポイントです。
面接官は、協力し合いながら頑張ってくれる人材かどうかを、自己PRからも判断します。
まずはコツコツ取り組む人に見られる特徴を理解して、自己PRで伝えたい内容を掘り下げて考えましょう。
コツコツ取り組む人に対する企業の印象は?
先にご紹介した、コツコツ取り組む人の特徴は、どれも企業に好印象を与えます。
例えば、真面目に努力するタイプの人は、仕事に対する真摯な姿勢を評価されるでしょう。
粘り強く仕事に取り組むコツコツタイプの人は、結果が出るまであきらめない姿勢に期待が寄せられます。
事実と異なる内容を伝えてはいけませんが、少しでも当てはまる要素があるなら、自己PRで「コツコツ取り組む」と伝えるのは良い方法です。
コツコツ取り組むことを自己PRで伝えるポイント
コツコツ取り組むことを自己PRする場合、伝え方に気をつけましょう。
コツコツ取り組む人にもさまざまなタイプがいるため、大まかな内容ではあなたの個性や良さが伝わりません。
ただ「コツコツ取り組みます」と伝えるだけでなく、次の流れを意識して伝えると、面接でも効果的です。
- 結論:どのようにコツコツ取り組むタイプか
- 概要:具体的な経験やエピソード、努力した過程
- 企業への貢献:企業でどのように活用するか、貢献できるか
具体的な伝え方を、流れに沿ってご紹介します。
1.まずは結論を伝える
最初に伝えるのは、自分がどのようなコツコツタイプかという結論です。
先ほどご紹介したように、コツコツ取り組む人にはさまざまなタイプがあるため、「コツコツ取り組みます」と伝えただけでは、あなたの個性を的確に言い表せません。
「納期を重視し、計画的にコツコツ取り組みます」や、「失敗がないよう、最後まで丁寧にコツコツ取り組みます」など、自己分析した結果を端的にまとめて、どのようにコツコツ取り組むタイプであるのかを伝えましょう。
2.概要を伝える
次に伝えるのは、具体性を持たせたコツコツの概要です。
過去にコツコツ取り組んだ結果、どのような功績を得られたのか、具体的な動機や方法・結果を示すと良いでしょう。
例えば、ただ「介護職員初任者研修にコツコツ取り組んだ」と伝えるより、「より快適な介護サービスを提供したいと考え、介護職員初任者研修にコツコツ取り組んだ」と伝えたほうが、人柄や具体性を表現できます。
営業成績やTOEICの結果など、点数で表せる場合は数字で伝え、より具体性を持たせた印象を面接官に与えましょう。
3.企業へどう貢献できるかを伝える
最後に伝えるべきなのは、自分のコツコツ取り組む姿勢を、志望企業でどう活用できるかです。
企業側は、採用者の入社後の活躍を希望しています。
応募企業を事前に詳しく調べ、貢献する姿を具体的に思い浮かべてもらえるように伝えましょう。
あなたのコツコツ取り組む姿勢と、応募企業が求める人材の姿がマッチすれば、印象が良くなり他の応募者との差別化もはかれます。
自分のタイプを深く掘り下げ、企業の業務内容に絡めて「コツコツ取り組む」をアピールしてください。
【例文】「コツコツ取り組む」の自己PR
自己PRでコツコツ取り組むことをアピールする場合、自分のタイプに合わせた伝え方が大切です。
具体的な例文を以下で詳しく紹介するので、実際に文章を考えるときの参考にしてみましょう。
粘り強く最後まで努力するタイプ
粘り強く最後までコツコツ努力する姿勢をアピールしたい人は、課題に真剣に向き合う姿や、最後までやり抜く粘り強さを重視して伝えてみましょう。
具体的な例文は以下のとおりです。
以前、職場の先輩が急遽退職したため、まだ慣れていない業務の担当になりました。
知識も経験も少なかったですが、難しいと感じても粘り強く取り組み、無事に仕事を納めた経験があります。
御社に入社しても、持ち前の粘り強さでコツコツ努力することを忘れず、最良の結果が出せるよう貢献したいです。
手を抜かず丁寧に取り組むタイプ
物事に対し、手を抜かず丁寧に取り組むタイプの人は、几帳面さや成果への意識の高さをアピールしてみましょう。
具体的な例文は以下のとおりです。
学生時代、ある企業のインターンシップに参加したのですが、朝礼前の掃除から細かな雑用まで指示があり、直接的な業務を行えないことに不満を漏らす学生が少なくありませんでした。
私は、指示された内容はすべて業務と考え、細かな雑用も手を抜かず丁寧に取り組んだのですが、その姿勢にお褒めの言葉をいただき、より本格的な業務のお手伝いもさせていただきました。
御社に入社後も、与えられた業務に丁寧に取り組み、できることを増やして貢献したいと考えています。
【例文】コツコツ取り組むことを伝える際の注意点
自己PRで、「コツコツ取り組む」と伝えることは基本的に有効です。
しかし、取り組み方は人それぞれなので、具体性に欠けたり後ろ向きな表現をしたりすると、面接官にネガティブな印象を与えてしまうこともあります。
「コツコツ取り組む」を伝える際のNG例文を紹介するので、自分のPR文に問題がないかチェックしてみましょう。
具体的な例がない
具体的な例がない自己PRは、実際に入社して働いている姿をイメージできず、面接官の印象も薄くなるため避けましょう。
「コツコツ取り組むのが長所」と伝えても、それだけでは具体的なイメージを持ってもらえません。
面接官に入社後の姿を思い浮かべてもらうためにも、具体性を持たせてアピールしてください。
NG例文は以下のとおりです。
学生時代も、課題やサークル活動にコツコツと取り組み、ゼミ仲間や先生からお褒めの言葉をいただきました。
御社に入社後も、これまでの姿勢を忘れず、与えられた業務に取り組みたいです。
OK例文は以下のとおりです。
私は学生時代、ロボット相撲のサークルに参加していましたが、より良いロボット製作のため部品の一つひとつにこだわり、時間がかかってもコツコツとオリジナル部品を開発しました。
その結果、機動力とパワーが向上し大会でも上位入賞できて、顧問の先生や一般企業の方からお褒めの言葉をいただきました。
御社に入社しても、より良い成果を出せるまで、あきらめずに仕事に取り組みたいです。
ネガティブな印象を与えてしまう
コツコツ取り組むこと自体は長所ですが、伝え方を間違えるとネガティブな印象を与える可能性があるので、注意して文章を考えましょう。
例えば、「一人でコツコツ取り組む」と伝えてしまうと、面接官は「協調性がないのでは」と不安を感じます。
「納得できるまでコツコツ取り組む」と伝えた場合、融通がきかない人と思われかねません。
コツコツ取り組む点をアピールしたいときは、ネガティブな印象になっていないか、文章をチェックしてみましょう。
NG例文は以下のとおりです。
ミスがないよう、できるだけ自分でチェックし、納得してから周囲の人の確認を取るようにしています。
入社後は、一人でコツコツ取り組む長所を活かし、皆様のご迷惑にならないよう頑張ります。
OK例文は以下のとおりです。
夢中になると、時間を忘れて作業を続けることもありますが、複数人で物事に取り組むときは、周囲の人と相談しながら効率的に進めるよう気をつけています。
入社後は、コツコツ取り組む姿勢を御社で活かせるよう、協調性を持って業務に努めたいです。
自己PRで「コツコツ取り組む」を効果的にアピールしよう
自己PRで「コツコツ取り組む」と伝える際には、ポイントを押さえて伝え方を工夫すると、印象も良くなり効果的です。
もし、ほかの応募者も「コツコツ取り組む」と伝えていた場合、個性的なアピールをしないと、差別化は難しいでしょう。
具体的な例を挙げて自分らしさを表現したり、企業の業務内容とからめて伝えると、具体性が高まり印象も良くなります。
コツコツ取り組む姿勢がどう役立つのか、過去の実例を挙げて伝えて、あなたらしさをアピールしましょう。