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正社員が月の途中で退職するときの給料の計算を解説

正社員が月の途中で退職するときの給料は、総支給額から税金や社会保険料を引いた金額であり、基本的な給料の計算方法と同様です。
一方で、総支給額や控除額は退職日によって違ってきます。
このため、正しく計算できているのか不安になってしまう方もいるかもしれません。

本記事では、正社員の方が月の途中で退職するときの給料の求め方を詳しく紹介します。
住民税や社会保険料の控除額についても解説しているため、退職を控えている方は参考にしてみてください。

正社員が月の途中で退職するときの給与計算

正社員が月の途中で退職するときの給与計算

正社員が月の途中で退職する際であっても、給与の計算方法は通常時と変わりません。
基本的には、以下の計算式で給与額が求められます。

給与の手取り額=総支給額(基本給+手当など)-控除額(税金+社会保険料+財形や持ち株など会社独自の控除)

退職日と勤怠の締め日が同日であれば、計算式どおりの給与の手取り額となります。
それぞれが異なる場合、総支給額と控除額が変わるため注意が必要です。

正社員が月の途中で退職するときの給料支給額【パターン別】

正社員が月の途中で退職するときの給料支給額【パターン別】

正社員が月の途中で退職するときの給料の計算方法を、以下の3パターン紹介します。

  • 暦日で基本給を計算する
  • 出勤日数で基本給を計算する
  • 月平均の労働日数で基本給を計算する

在籍している会社の給料計算方法と照らし合わせながら、確認してみてください。
併せて、各種手当の扱われ方も解説します。

暦日で基本給を計算する場合

暦日で基本給を計算する場合の計算式は、以下のとおりです。

支給額=基本給×(退職日までの暦日/退職月の暦日数)

暦日とは、こよみ上の1日における午前0時から24時までを指します。
つまり、暦日で給与を計算するには「給与の締め日」と「退職日」の把握が必要です。

次の条件を想定して、実際に計算してみましょう。

  • 基本給:30万円
  • 給与の締め日:月末
  • 退職日:20日
支給額=30万円×(20日/30日)
= 20万円

このケースでは、基本給20万円と求められます。

出勤日数で基本給を計算する場合

出勤日数で基本給を計算する方法は、以下のとおりです。

支給額=出勤日数×(基本給/所定労働日数)

まず1日あたりの支給額を計算したうえで、退職月の出勤日数をかけて算出します。
以下のケースに当てはめてみましょう。

  • 基本給:30万円
  • 給与の締め日:月末
  • 所定労働日数:20日
  • 退職月の出勤日数:10日
支給額=10日×(30万円/20日)
=15万円

出勤日数をもとに計算する場合、休日をカウントしないため暦日計算より1日あたりの金額が高くなります。

月平均の労働日数で基本給を計算する場合

月平均の労働日数で基本給を計算する方法は、以下のとおりです。

支給額=出勤日数×(基本給/月平均の所定労働日数)
月平均の所定労働日数=年間所定労働日数/12ヵ月

年間所定労働日数から月平均の所定労働日数をカウントし、支給額を計算します。
次のケースにおける支給額を求めてみましょう。

  • 基本給:30万円
  • 年間所定労働日数:245日(年間休日日数:120日として計算)
  • 退職月の出勤日数:10日
月平均の所定労働日数=245日/12ヵ月
=20.4日
支給額=10日×(30万円/20.4日)
=約14.7万円

この計算方法は、1日あたりの支給額を12ヵ月で平均しているため、退職月によって支払額にばらつきがないことが特徴です。

 

各種手当の考え方

各種手当の考え方は会社によって異なりますが、ここでは一般的な措置を解説します。

手当は、「毎月支給額が変動する手当」と「支給額が一定の手当」の2種類です。
支給額が変動する手当には、時間外労働手当や深夜労働手当、休日労働手当などが挙げられ、退職月に該当するこれらの手当は、支払われるべき手当となります。

支給額が一定の手当とは、住宅手当や通勤手当、役職手当、扶養手当、出張手当などのことです。
これらは会社によって対応が異なるため、あらかじめ確認しておくことをおすすめします。

正社員が月の途中で退職するときの住民税・社会保険料の控除額は?

正社員の方が月の途中で退職する場合、以下2つの控除が給料に影響します。

  • 住民税
  • 社会保険料

それぞれの控除額は退職したタイミングによって異なるため、注意しましょう。

住民税の控除額

住民税は、前年の1年間の所得に課税され、翌年の6月から翌々年の5月までに分割して納めるものです。
よって控除額がいくらになるかは、退職日によって以下の2パターンが考えられます。

  • 1月1日から5月31日に退職
  • 6月1日から12月31日に退職

順に詳しく見てみましょう。

1月1日から5月31日に退職した場合

1月1日から5月31日に退職すると、5月までの住民税の残額が一括で控除されます。
例えば、1月の途中で退職すると1月〜5月の5ヵ月分の住民税が控除対象となるため、給与額の支払額よりも控除額が大きくなる可能性があるでしょう。

給与の支払額よりも住民税の控除額が大きく控除しきれないときは、自分で納税しなければなりません。

6月1日から12月31日に退職した場合

6月1日から12月31日に退職すると、一般的には退職月の前月分までの住民税が控除されます。
退職月から翌年5月までの住民税の納税方法は、以下の3通りです。

  • 5月までの住民税残額を自分で納付する
  • 転職先企業が決まっている場合、転職先企業にて給与天引きで納付する
  • 会社に申し出を行い、5月までの住民税残額を退職金などから一括で納付する

自分自身の状況や都合に合わせて、いずれかの方法を選びましょう。

社会保険料の控除額

月の途中で退職する場合の社会保険料控除は、退職月の前月分が給与から控除されます。
社会保険料の支払いは、健康保険や厚生年金保険の被保険者資格喪失日の属する前月分までです。
資格喪失日は退職日の翌日となるため、月の途中で退職する場合では、退職月の前月分が給与から控除されることになります。

一方で、月末に退職する場合の控除対象は、退職月と退職月の前月と2ヵ月分となることを理解しておきましょう。

正社員が月の途中で退職するときの給料にまつわる注意点

正社員が月の途中で退職するとき、給料について以下の注意点を心に留めておく必要があります。

  • 給料を返金しなければならないケースもある
  • 社会保険の喪失手続きを忘れずに行う

それぞれ詳しく見てみましょう。

給料を返金しなければならないケースもある

月の途中で退職するとき、場合によっては給料を返金しなければならない可能性があります。
例えば、給料を前払いしていたり、給与計算者に退職日が共有されていなかったりといったケースです。

給料の前払いをしているケースでは、給料が当月払いの会社に勤めている方が該当します。
前払いに対応している会社において、支払日から月末までが給料の前払い期間です。
つまり給料日から月末までに退職すると、余分に給料を受け取っていることになります。

また、給与計算者に退職日が伝わっていないケースでは、退職月の正しい給与額が計算できず、給料を多く受け取った場合に返金しなければなりません。

社会保険の喪失手続きを忘れずに行う

退職にあたって、社会保険の喪失手続きを忘れずに行いましょう。
健康保険・厚生年金保険と雇用保険に必要な手続きは、以下のとおりです。

健康保険・厚生年金保険 退職日の翌日から5日以内に手続きが必要

健康保険・厚生年金保険 被保険者資格喪失届と健康保険被保険者証(本人・扶養家族分)を健康保険組合などへ提出

雇用保険 退職日の翌日から10日以内に手続きが必要

雇用保険被保険者資格喪失届を事業所管轄のハローワークへ提出

喪失手続きを行わずに転職をした場合、社会保険に二重で加入してしまう事態にもなりかねません。
健康保険・厚生年金保険は退職日から5日以内、雇用保険は10日以内に忘れず手続きを済ませましょう。

給料や控除額を理解して月の途中退職に備えよう

正社員が月の途中で退職するときの給料は、総支給額から税金や社会保険料を引くことで求められます。
一方で支給額は、基本給を暦日あるいは出勤日数、月平均の労働日数、いずれの方法で計算するかによって変わってくる点に注意が必要です。
また、住民税や社会保険料の控除額についても、退職のタイミングによって異なります。

これらを踏まえたうえで総支給額と控除額をあらかじめ把握して、退職後の生活に備えておきましょう。

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