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印象の良い退職理由の伝え方|ポイントや例文を解説

この記事の監修者
山本 務
【資格】
特定社会保険労務士/AFP/2級ファイナンシャル・プランニング技能士/第一種衛生管理者
やまもと社会保険労務士事務所 代表

【プロフィール】
企業の情報システム、ならびに人事部門で28年の実務経験あり。クラウドソフトなどを推進している「システムのわかる社会保険労務士」です。
労働相談、人事労務管理、就業規則作成、給与計算が得意です。労働相談は、労働局での総合労働相談員の経験を生かした対応ができます。各種手続きは電子申請対応ですので全国対応可能です。 また、各種サイトでの人事労務関係記事の執筆や監修も行っています。

退職を決めたとき、上司に退職理由をどう伝えると良いのか、人間関係や転職、給料などの理由のスムーズな伝え方など、悩んでしまうことが多いかと思います。
退職理由は一部を除いて、マイナスな内容のときも多いため、上司に伝えることはとても緊張することでしょう。

ここでは、上司への退職理由の伝え方を、例文も併せて紹介していきます。
ぜひ最後までご覧いただき、マイナスな理由であっても前向きに伝えることができる方法を確認しましょう。

印象の良い退職理由の伝え方のポイント

印象の良い退職理由の伝え方のポイント

印象を良くするために、退職理由を伝える際は上司に事前にアポイントをとることが重要です。
遅くとも1ヵ月前までに前向きな退職理由を伝えて、上司との話し合いが終わってから退職願を提出しましょう。
退職理由は上司への伝え方一つで良くも悪くも受け取られるため、下記の内容に事前に目を通しておいてください。

上司に事前にアポイントをとる

仕事中、急に上司を引き止めても、時間を割くのが難しい場合があるため、事前にアポイントをとることが重要になります。

その際は「退職の相談があって」ではなく、「相談があるので、お時間をいただくことは可能でしょうか」と伝えましょう。
上司が、「なにか重要な話があるのだな」とわかるようにし、他の人に退職希望があることをわかりにくくするためです。

アポイントの当日になったら、まずは時間を割いてくれたことに関して、感謝の言葉を述べましょう。

退職は個人的なことに関する内容であり、事前に知られることで周囲に影響を与える可能性もあります。
他の同僚に聞かれないよう、面談室などプライバシーに配慮した場所をセッティングしましょう。

退職理由は前向きな内容にする

退職理由が会社や上司への不満や苛立ちであったとしても、退職理由として直接上司に伝えることは避けましょう。

「その点は改善するから」と引き止められやすいことに加え、退職日までそのまま継続して仕事をする場合、上司や会社との関係性が悪化してしまう可能性があるためです。

本当の退職理由がネガティブだとしても、伝える必要がないことは伝えなくても問題はありません。
上司に退職理由を伝える際は、前向きな内容を選ぶことが円満退社のポイントです。

具体的な退職理由については、下記の記事を参照してください。

報告するタイミングは繁忙期を避ける

退職を決めたあと、早めに上司に伝えなくてはいけないと思いがちですが、会議や業務が重なる時間や繁忙期は避けることも重要です。

会議や業務が重なっているときに退職の話をしてしまうと、上司にも余裕がなく、「その話はまたあとで」と遮られてしまう可能性があります。

また、大きな仕事や役割を任せられている場合は、途中で投げ出すことになると会社に迷惑をかけてしまいます。
年度替わりや仕事の引き継ぎなどの区切りが良いタイミングを退職希望日に選ぶことも、退職理由を伝えやすい環境にする一つの手です。

遅くとも1ヵ月前までに退職理由を伝える

転職や退職が決まった場合、あと回しにせずに、遅くとも1ヵ月以上前までに上司に伝えましょう。
企業ごとに退職に関する規則があるため、事前に確認しておくことが必要です。

直属の上司と折り合いが悪く、退職のことをどうしても伝えたくないなどと思うこともあるでしょう。
しかし、上司を通さずに上に報告することで上司からさらに悪い印象を持たれ、折り合いをさらに悪くしてしまう危険性があります。
できる限り決められたルールを守るようにしましょう。

もう会社や上司と関わりたくないという場合や、退職を伝えることでもめ事になると感じる場合は、退職代行サービスなどもあるため、一度調べてみるのも良いでしょう。

上司との話し合いの末、退職願を提出する

上司と話し合いを行ったあと、退職願を提出します。
退職願はフォーマットが決まっている会社もあれば、決まっていない会社もあります。
自分の会社がどちらなのか事前に確認して、準備しておきましょう。
退職願は会社に対し、退職を願い出るための書類です。

退職届は、会社の退職許可の有無ではなく、自分自身の退職を伝えるための書類です。
つまり、退職願は会社や上司に却下される場合もありますが、退職届は受理をされなくとも提出されれば退職を認めざるを得ない書類です。

話し合いもなく突然退職届を出してしまうと上司も驚いてしまうため、上司との話し合いの末に退職願を出すところから始められると、スムーズに退職を進められるでしょう。

ケース別の退職理由の伝え方|例文

退職理由は人によってさまざまですが、直接伝えてしまうとマイナスなイメージを与える理由であれば、ポジティブな理由に言い換えることが大切です。
具体的な理由を言いたくない場合は、言わなくても問題はないため、自分に合った方法で伝えましょう。

人間関係に不満があった場合

人間関係に不満や苦痛があった場合、そのままの内容を伝えると、上司や同僚の気分を害することになってしまいます。
退職までの間に、ピリピリとした雰囲気で働かなくてはいけないため、下記のような言い換えをしましょう。

現在、個々の実力や成績が重要視されており、今の職場ではどうしてもチームワークを発揮できる環境は少ないように感じました。
私はチームワークを重視した働き方を希望しており、そのほうが自分に合っているのではと考えたため、悩んだ末に退職を選びました。

「チームの一体感がなく、個人での活動が多かったため」や「お互いにサポートできる環境でいきいきと働きたい」などと言い換えると良いでしょう。

仕事内容に不満があった場合

仕事のノルマや残業がきついことに悩んでいる場合は、顧客と向き合う時間が取れないことへの反省に言い換えてみましょう。
以下の例文のように伝えると、意味合いは多少違えど、仕事が忙しかったという趣旨も伝えることができます。

仕事に忙殺され、お客様一人ひとりと向き合えずに対応してしまっていました。
しっかりとお客様と向き合える仕事をしたいので、熟考の末、退職を選びました。

仕事内容に不満がある場合は、「仕事にやりがいを感じられないことに悩み、自分に合う仕事を調べた結果、〇〇という仕事でならやりがいをもって働けると思いました」などと表現すると良いでしょう。

体調不良による退職の場合

体調不良による退職の場合、素直に体調が悪く仕事を続けることが難しい旨を伝えることが重要です。

体調が悪いまま働くことで、うつ病などを発症し、社会復帰に時間がかかってしまう恐れがあるため、自分の体調や人生を優先して伝えることが必要です。
病名や状態などをあまり詳しく言いたくない場合は、詳細は伝えずとも大筋だけでも事実を伝えるのが良いでしょう。
下記の例文を参照してみてください。

今まで何度か病休を頂き、みなさんに協力していただきながら通院、加療を行っていましたが、体調の改善が難しく今回退職を決めました。
これ以上休みが増えることで職場に迷惑をかけることや、自分自身それを感じながら中途半端に仕事に取り組むことへの負担もありました。
引き継ぎはしっかりと行ったうえで退職しますので、一度退職日の相談をさせていただければと思います。

一身上の都合で退職する場合

一身上の都合で退職する場合、マイナスな理由を伝えると関係性が悪化してしまうことがあります。
ポジティブな退職理由を伝えることで、上司は拒否しづらくなり、応援してくれる可能性が高まるでしょう。

かねてからの夢であった留学を希望し、今回退職を決めました。
今までこの職場では仕事以外にも自分自身の未熟であった人間性も成長させてもらい、多くのことを学ばせていただきました。
この経験をもとに、夢であった留学に挑戦したいと思います。

例文のように、目的や目標をもった場所に向かうといった内容を伝えることで、退職をスムーズに進めやすくなります。

仕事の退職理由の伝え方に関するよくある質問

仕事の退職理由の伝え方に関するよくある質問

上記のように退職理由を伝えても、退職を引き止められてしまったり、上司の圧力などによって口頭で伝えることが難しかったりする場合、どうすれば良いのでしょうか。
ここからは、退職理由の伝え方に関するよくある質問に答えます。
退職を伝えるときに同じ悩みにぶつかっている方は、ぜひ参照してください。

引き止められてしまった場合はどうしたら良い?

会社によっては、重要な役割を果たす人材から退職を願い出られた場合や人手不足に悩まされている場合、引き止めを行う可能性があります。

次の転職先が決まっている場合は、退職はなんとしても早期に行わないといけない事柄であるため、まずはもう一度決心の強さを伝えましょう。

それでも退職願を受け入れてもらえない場合は、労働基準監督署の中にある総合労働相談コーナーに連絡をすることも一つの手です。
また、上記でも触れましたが、これ以上上司と話したくないなどがあれば、退職代行サービスを利用することも可能です。

退職理由をメールで伝えても良い?

退職を伝える際は、どれほど覚悟を決めていても緊張してしまうため、直接ではなくメールでも良いだろうかと思う人もいるでしょう。
退職理由をメールで伝えることは、法律上は問題ありません。
しかし、企業側からマナー違反ととらえられる可能性があります。

上司からの印象も悪くなりやすいので、できるだけ対面や口頭で伝えることが、スムーズな退職につながります。
退職日の相談や退職の手続きを円滑に進めるためにも、直接話したほうが良いでしょう。

転職先が決まっているかを聞かれたら?

退職を伝えた際に、「もう転職先は決まっているの?なにをするの?」など上司から聞かれる可能性があります。
競合他社への転職が決まっている場合、今いる会社の機密事項や知的財産などを転職先で話すのではないかと気にされるため、「まだ決まっていません」と返答することが無難です。

言いたくないことは話さなくても問題はありません。
素直に話しすぎないことも意識すると良いでしょう。

スムーズな退職理由の伝え方を知って、円満に退職しよう

退職理由の伝え方は、理由によってさまざまですが、まずは上司にアポイントをとり、2人で話すことができる場を設けましょう。
繁忙期や上司の忙しい時間に突然伝えると、相手にされないこともあるため注意します。

退職理由は前向きに言い換えて、会社や上司を不快にさせないよう伝えることが重要です。
万が一、意思が固いことを伝えても、退職を引き止められてしまう場合は、総合労働相談コーナーや退職代行サービスなどの利用も検討して、スムーズに退職を進めましょう。

執筆者について

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