契約社員や派遣社員、パート・アルバイトといった有期雇用労働者にとって、現職の正社員登用試験は魅力的なチャンスです。
正社員になれば、仕事の幅が広がるだけではなく、福利厚生面の充実も期待できるため、正社員登用試験への応募を検討する人もいるでしょう。
正社員登用試験では、現在の仕事内容から一歩踏み込んでチャレンジしたい意気込みや、将来的な活躍のビジョンを伝えると、面接官の印象に残りやすくなります。
今回は、正社員登用試験にふさわしい志望動機の書き方と、効果的な伝え方・例文を詳しく解説します。
目次
正社員登用に向けた志望動機のポイント
正社員登用試験を受ける人は、契約社員や派遣社員、パート・アルバイトの雇用形態で、すでに働いている状態です。
したがって、正社員登用試験の志望動機では、現在の実績とともに正社員になりたい理由を伝え、将来的な貢献度ややる気を示しましょう。
伝えるべき具体的な内容を、以下で詳しく解説します。
今の会社での役割を説明する
正社員登用試験の志望動機で最初に伝えるのは、自分が現在携わっている仕事内容と実績です。
例えば、契約社員の事務職で働いている人は、「〇〇の書類作成を2年担当してきました」と、担った役割を具体的に伝えると良いでしょう。
また、現在担当している仕事で何かしらの実績がある人は、志望動機で軽く触れておくと、採用担当者の興味をひきやすくなります。
詳細はあとから伝えるので、志望動機の出だし部分では、できるだけシンプルにまとめましょう。
なぜ同じ会社で正社員として働きたいかを考える
正社員登用試験の対象は、すでに同社・同職場で働いている人たちです。
したがって、面接では「なぜ正社員をめざすのか」と質問されるケースも珍しくありません。
正直な気持ちでいえば、経済的・将来的な安定がメインの人もいるでしょう。
しかし、正社員登用試験の志望動機で正直に伝えてしまうと、採用担当者に与える印象が悪くなってしまいます。
志望動機で大切なのは、正社員にふさわしい人物だと認められることです。
例えば、「正社員にしかできない仕事にもチャレンジしてキャリアアップしたい」、「より重要なプロジェクトにチャレンジしたい」など、正社員だからこそ担当できる仕事への興味や意欲など、業務に関する内容を軸に考えましょう。
会社への貢献を軸に作成する
正社員登用の志望動機では、将来的な会社への貢献度を伝えることも大切です。
例えば、契約社員は有期雇用のため、限られた期間内に限られた仕事をこなす能力が求められます。
しかし、無期雇用の正社員は中長期スパンで仕事に取り組めるため、会社側は貢献度に期待を寄せます。
つまり、会社側が知りたいのは、応募者を正社員登用した場合に得られるメリットです。
正社員登用試験の志望動機を考えるときは、現在の自分のスキルと正社員の仕事内容・裁量を照らし合わせ、会社にとってメリットになる点を伝えるようにしましょう。
正社員として戦力になれる点をアピールする
正社員に登用される人には、次の特徴が見られます。
- 正社員として即戦力になれるスキルや実績がある
- コミュニケーション能力が高い
- キャリアビジョンがはっきりしている
即戦力につながるスキルを持っている人は、正社員で働く姿を想像しやすく、採用担当者に好印象を与えられるでしょう。
キャリアビジョンがはっきりしている人は、「何がやりたいか」を明確にできるため働く意欲が伝わります。
コミュニケーション能力が高い人は、協調性や対人関係を重視する会社で重用される可能性があります。
過去のパート・アルバイトや、契約社員・派遣社員の経験も含め、即戦力になれるスキルをアピールしてみましょう。
正社員登用の志望動機の例文
正社員登用の志望動機で書くべきポイントを理解しても、文章を考え始めるとなかなかまとまらない人もいるでしょう。
以下の項目を書き出して、文章を組み立てるのも良い方法です。
- 現在の職場で担当している業務内容や実績
- なぜ正社員になりたいと思ったのか
- 正社員登用後にチャレンジしたい仕事
- 正社員登用後の中長期的な会社への貢献度
上記の項目を盛り込んだ例文を、以下でご紹介します。
新しい仕事にチャレンジしたい
正社員登用の志望動機のうち、新たな仕事へのチャレンジを軸にした例文です。
過去〜現在の状況を伝え、正社員になったらどのような仕事にチャレンジしたいかを意思表示しましょう。
具体的な例文は、以下のとおりです。
私は現在派遣社員で、3年間介護士として働いてきました。職場の環境にも恵まれ、介護職にもやりがいを感じていますが、派遣社員の立場ではどうしてもできる仕事に限りがあります。正規職員に登用していただけたら、より深い介護経験や夜勤経験を積んでスキルアップし、将来的に介護福祉士の資格も取得して、利用者様やご家族の皆様、職場の皆様のお役に立ちたいです。
仕事の範囲を広げて責任を持って仕事に取り組みたい
仕事の幅を広げ、自身の裁量で仕事をするために正社員をめざすケースの例文です。
今までの経験で身につけたスキルをアピールしつつ、さらなるスキルアップの意志や貢献したいと考える姿をアピールしましょう。
具体的な例文は、以下のとおりです。
ビジョンに共感した
有期雇用で働いているうちに、会社のビジョンに共感して正社員登用に応募したケースの例文です。
過去に働いた職場経験を踏まえ、「この会社だからこそ働きたい」と思う熱意を伝えましょう。
具体的な例文は、以下のとおりです。
先日は、営業部の方が契約社員の私にも意見を求めてこられ、お客様へ送付するメールの文面にアドバイスをしたところ採用され、お褒めの言葉をいただきました。私は現在、事務職の契約社員で働いていますが、正社員にしていただけたら事務職はもちろんのこと、ほかの部署でも役立つスキルを積極的に身につけて貢献したいです。
説得力ある志望動機で正社員登用をめざそう
有期雇用で働いている人にとって、正社員登用は大きなチャンスです。
社会的・経済的な安定を求め、現在働いている会社の正社員登用にチャレンジする人もいるでしょう。
しかし、企業側が正社員登用試験で確認しているのは、「この会社で働きたい」という強い意思ややる気です。
現在身につけているスキルだけではなく、長期的にみて役立つビジョンや前向きな姿勢を具体的に示せなければ、なかなか納得してもらえません。
なぜ正社員になりたいのか、なぜ他社ではなく現在働いている会社なのかを詳細に掘り下げ、あなたの熱意と意気込みが伝わる志望動機を作成して、正社員登用をめざしましょう。
正社員登用の面接に関する情報は、以下の記事でも詳しく解説しています。
ぜひご参照ください。