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女性のキャリアプランのよくある悩みや解決法は?立て方や例なども紹介

この記事の監修者
宗像陽子
宗像 陽子
【資格】
officeたまこぶ 代表
・国家資格キャリアコンサルタント
・2級キャリアコンサルティング技能士
・産業カウンセラー

【プロフィール】
大学卒業後、地方新聞社のスポーツ記者などを経て、キャリアコンサルタントに転身。
公共機関や都内私立大学で学生や既卒者の就職支援に当たった後、フリーランスとして独立。現在は、「その人のありのままを受け止める」を大切に、複数の大学で学生のキャリア支援に従事。また、氷河期世代や高校生向けの講座へ講師として登壇、ライティングと幅広い活動を展開している。
新聞記者経験で積み上げた文章力が強み。エントリーシートや履歴書、職務経歴書など応募書類の作成のサポートを得意としている。

女性のキャリアプランを立てるにあたっては、さまざまな悩みや課題が浮かび上がってきます。
男女間の給与格差や昇進の違い、結婚や出産などのライフイベントによるプライベートと仕事との両立の難しさなど、女性特有の事情を踏まえて計画を立てなければなりません。

本記事では、女性のキャリアプランの立て方や具体的な例を紹介しながら、よくある悩みや解決法についても解説します。
将来のキャリアを考えている女性は、ぜひ参考にしてみてください。

女性のキャリアに関する悩み

女性のキャリアに関する悩み

女性がキャリアを築いていくうえでは、男性とは異なる悩みや課題に直面することが少なくありません。
ここでは、女性のキャリアに関する代表的な悩みについて見ていきましょう。

男女での昇給や昇進の違い

女性のなかには、男性と比べて給与や昇進のスピードに差があることに悩みを抱える人もいます。

2016年に厚生労働省から同一労働同一賃金ガイドライン案が発表され、中小企業で運用が始まった2021年以降はその効果が徐々に表れることが期待されています。
とはいえ、まだまだ改善の余地があるといえるでしょう。

また、昇進においても男性のほうが有利という風潮が根強く残っているのが現状です。
女性活躍推進法の施行によって状況は改善傾向にありますが、即効性のある効果を実感できているわけではありません。

ライフステージの変化による仕事の両立の難しさ

結婚や出産などのライフイベントは、女性のキャリア形成に大きな影響を与えます。

出産により産休・育休に入りキャリアが一時中断するため、プロジェクトへの参加をためらうほか、昇進のタイミングが遅れてしまうケースも少なくありません。
また、職場復帰後も家事や育児との両立に追われ、キャリアを思うように築けないという悩みを抱える女性も多いのが実情です。

仕事と私生活のバランスを取ることの難しさは、女性のキャリア形成における大きな障壁といえるでしょう。

女性管理職の少なさ

出産や育児を機に一度離職したり、パートタイムで働くことを選択したりする女性は少なくありません。
そのため、管理職に占める女性の割合は依然として低い状況が続いています。

「令和4年度男女共同参画社会の形成の状況」によると、民間企業で常用労働者100人以上を雇用する企業の役職者における女性の割合は、以下のとおりです。

  • 係長:24.1%
  • 課長:13.9%
  • 部長:8.2%

こうした状況は、ロールモデルの不在にもつながり、キャリアアップをめざす女性にとって大きな障壁となっています。
女性がより一層活躍できる社会の実現に向けて、まだまだ取り組むべき課題は多いといえるでしょう。

女性のキャリアプランの立て方

では、女性がキャリアプランを立てる際には、どのようなことに留意すべきでしょうか。
ここでは、キャリアプラン作成のポイントについて解説します。

理想のキャリアを洗い出す

キャリアプランを立てる第一歩は、自分の理想とするキャリアを具体的にイメージすることです。
どのような働き方を望んでいるのか、仕事で何を重視したいのかなど、自分なりの価値観を明確にしていきましょう。

仕事に打ち込みたいのか、それとも家庭との両立を優先したいのかは人それぞれ異なります。
個人の理想とする働き方を実現する環境が整いつつある現代社会では、自分の希望をしっかりと言語化することが重要です。

理想のキャリアをイメージできれば、その実現に向けて具体的な行動を起こしやすくなるでしょう。

結婚や出産について考える

キャリアプランを考える際には、結婚や出産などのライフイベントを視野に入れておく必要があります。
これらのタイミングによって、キャリアを積んでいく方法や順番が大きく変わってくるからです。

育児と仕事の両立をめざすのであれば、パートナーの協力が不可欠です。
また、子育てしやすい環境が整っている企業を選ぶことも重要でしょう。
ワークライフバランスを実現できる職場や職種を見極める目を養っておくことが、長期的なキャリア形成には欠かせません。

ロールモデルを探す

ライフイベントを考慮しながら、自分のめざすべきロールモデルを見つけるのもおすすめです。

ロールモデルの存在は、理想と現実のギャップを把握し、自分の立ち位置を確認するうえで大きな効果があります。
ロールモデルとなる人物が歩んできたキャリアや持っているスキル、資格などを参考にすることで、自分の進むべき道筋が見えてくるでしょう。

憧れの先輩や尊敬する人物に相談してみるのも良いかもしれません。

パートナーと将来について話し合う

キャリアプランを考える際は、パートナーの存在も忘れてはいけません。
出産後の働き方や育児休暇明けの心配や不安などを打ち明け、認識のすり合わせを行っておくことが大切です。

パートナーと一緒に将来設計を考えることで、自分では思いつかなかった新たなキャリアプランが生まれる可能性もあります。
また、キャリア形成に必要な行動を起こす際にも、パートナーの協力を得られる可能性が高まるでしょう。

二人三脚で理想の未来をめざしていくことが、女性のキャリア実現への近道といえます。

女性がキャリアプランを立てるときのポイント

女性がキャリアプランを立てるときのポイント

キャリアプランを立てる際には、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。
ここでは、女性がキャリアプランを考えるうえで特に意識すべき点について解説します。

自分の現在を振り返る

キャリアプランを立てる第一歩は、自分自身の現状を振り返ることです。
どのようなスキルや価値観、興味関心を持っているのかを洗い出し、自己理解を深めていきましょう。
できれば過去からしっかり振り返ると、自分自身が明らかになっていきます。

客観的な視点を得るために、パートナーなど周囲の人に協力してもらって他己分析を行うのもおすすめです。
また、キャリアメンタリングなどを受けることで、経験やスキルを持った年長者からの助言を参考にすることができます。

自分の強みや弱み、将来への希望などを言語化することが、適切なキャリアプラン作成の土台となるでしょう。

理想の将来像を描く

現在の自分についての振り返りができたら、次は理想の未来像を具体的に描いていきます。
5年後、10年後といった長期的な視点で、なりたい自分の姿をイメージしてみましょう。

仕事面だけでなく、プライベートも含めた包括的なライフプランを考えることが重要です。
結婚や出産などのライフイベントを視野に入れておかないと、計画が大きく狂ってしまう可能性があるからです。

ロールモデルを参考にしながら、自分なりの理想像を描いていくことをおすすめします。
将来の自分をしっかりとイメージできれば、そこに向かって着実に歩を進めることができるはずです。

未来に向けた行動計画を立てる

理想の将来像が固まったら、次は具体的な行動計画を立てていきましょう。
現在の自分と理想の自分とのギャップを埋めるために、どのようなアクションが必要なのかを考えます。

1年後、3年後、5年後といったスパンごとに、達成すべき目標を設定していくと良いでしょう。
小さなステップを一つずつクリアしていくことで、着実に理想に近づくことができます。
行動計画は柔軟に修正していくことも大切です。

ただし、仕事もライフイベントも、計画どおりにいかないこともあります。
そこで状況の変化に合わせて、柔軟に軌道修正を行いながら目標達成をめざしていきましょう。

【ケース別】女性のキャリアプラン例

ここまで、女性のキャリアプラン立案に関する基本的な考え方を見てきました。
次に、具体的なキャリアプランの例をいくつか紹介します。
自分のめざすべき方向性を考える際の参考にしてみてください。

管理職をめざす

管理職をめざすキャリアプランは、女性にとって有力な選択肢の一つです。
外資系企業などでは、女性管理職の登用も珍しくありません。

また、国内でも男女共同参画社会の実現に向けた取り組みが進められており、女性管理職の増加が期待されています。
化粧品メーカーなど女性比率の高い企業では、女性のキャリア形成に対する理解も深まっており、管理職として活躍する女性も多く見られます。

自分のスキルや適性を活かせる環境を選ぶことが、管理職としてのキャリア形成には欠かせません。
将来的に管理職をめざすのであれば、早い段階からリーダーシップを発揮する機会を積極的に求めていくことが重要でしょう。

子育てやプライベート中心に働く

子育てやプライベートを中心に考えたキャリアプランを立てる女性も少なくありません。
そのような場合は、派遣社員やパートタイマーとして働くことを検討してみるのもおすすめです。

正社員と比べると給与は低くなりますが、急な休みへの対応がしやすかったり、子育てに理解のある職場が見つかりやすかったりするメリットがあります。
ライフステージに合わせて柔軟に働き方を変えられるのは、女性ならではの強みといえるでしょう。

家庭との両立を図りながら、自分のペースでキャリアを積んでいくことが可能です。

専門性を磨く

高い専門性を身につけることで、キャリアの選択肢を広げるというのも有効な方法です。

特定分野のプロフェッショナルとして認められるスキルや資格があれば、ブランクがあっても復職しやすく、働く場所を選ばずにキャリアを築いていくことができます。
例えば、ITエンジニアや医療関連の仕事は、専門性が高く評価されるため、スキルさえあれば再就職もしやすい傾向です。

また、会計や税務の知識を活かして、税理士の国家試験合格をめざし、ゆくゆくは独立するというキャリアパスも考えられます。
自分の強みを活かせる分野で専門性を磨き、プロフェッショナルをめざしてみるのも良いかもしれません。

女性がキャリアプランに悩んだ場合はプロに相談もおすすめ

キャリアプランの立て方に悩んだら、一人で抱え込まずに専門家に相談してみることもおすすめです。

現在の仕事の悩みだけでなく、結婚や出産などのライフイベントを見据えた、第三者からのアドバイスをもらえるのがメリットになります。
自治体や転職エージェントが提供するキャリア相談のほか、有料のキャリアカウンセリングサービスを活用するのも一つの手となるでしょう。

ただし、転職エージェントの場合は転職を前提としたアドバイスになる可能性があるため、中長期的な視点でサポートしてほしい場合は、女性のキャリア支援に特化したサービスを選ぶことをおすすめします。
客観的な立場から的確なアドバイスをもらえるため、自分では気付かなかった新たな可能性が見えてくるかもしれません。

女性特有の事情も踏まえてキャリアプランを考えよう

女性がキャリアプランを立てる際は、出産や育児などのライフイベントにともなう課題にも目を向ける必要があります。
男女の給与格差や昇進の壁といった社会的課題を認識したうえで、ワークライフバランスを実現できる環境を選ぶことが重要です。

また、ロールモデルを見つけたり、パートナーと将来について話し合ったりすることで、キャリアプランをより具体的に思い描くことができるでしょう。
自分の強みを活かせる分野で専門性を磨くことも、キャリアの選択肢を広げるうえで有効な方法の一つです。

キャリアプランの立て方に悩んだ際は、専門家のアドバイスを積極的に取り入れていくことをおすすめします。
自分なりの理想のキャリアをめざして、一歩ずつ着実に前進していきましょう。

執筆者について

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