「アルバイトにも税金ってかかるの?」
「いくら以上稼ぐと課税される?」
アルバイトでの収入にかかる税金について、上記のような疑問を抱く方もいるでしょう。
アルバイトであっても、収入が一定以上であれば課税の対象になります。
本記事では、アルバイトにかかる税金や、計算方法、節税のためのポイントなどを解説します。
アルバイトとして働いている方や、これからアルバイトをする予定のある方は参考にしてください。
目次
アルバイトにかかる税金とは
アルバイトであっても、収入が一定以上になると、以下の税金を払う義務があります。
- 所得税
- 住民税
それぞれ見ていきましょう。
所得税は年収103万円から
所得税は、個人の所得に対して課せられ、国に対して納める税金です。
課税額は、その年収と、年収に応じて変動する税率、各種控除の3つの要素によって決まります。
所得税を計算するうえでの代表的な控除には、「給与所得控除(55万円)」と「基礎控除(48万円)」があります。
年収からこの2つの控除を差し引いた金額がプラスになる、つまり年収が103万円を超える場合、税率に応じた税金を支払わなければなりません。
逆に、対象となる所得が年103万円以下であれば、所得税を税金を納める必要がなくなります。
月あたりの収入が8万5,833円を上回ると年収で103万円を越えてしまうため、現在の月収が8万5,000円前後であれば、勤務時間を見直してみても良いでしょう。
住民税
住民税は住んでいる地域の自治体に対して納める税金で、一人あたり5,000円前後の「均等割」と、所得額に応じて課税される「所得割」から成ります。
また、住民税にも控除が適用され、自治体により異なりますが、年収93万〜100万円以下であれば課税されません。
アルバイトの税金を知るための給料計算方法
アルバイトをしている人のなかには、課税対象にならないよう、年収を100万円以内、もしくは103万円以内に抑えたいと考える人もいるでしょう。
1円でもオーバーすれば課税の対象になるため、計算を間違えて働きすぎてしまうと、かえって手元に残る金額が減ってしまうおそれもあります。
年収を非課税になる範囲に抑えるためには、自身の給与を正確に計算できなければなりません。
一般的にアルバイトの給与は、次の式を使って計算されます。
給与金額(支給額)= 基本給 + 割増賃金 - 控除額
基本給は、1ヵ月あたりの労働時間に時給をかけて計算します。
休憩時間は賃金が発生しないことに留意しておきましょう。
割増賃金は、残業したときや休日、深夜に労働したときに発生します。
それぞれの割増賃金は、対象となる時間数×通常時の時給×割増率で計算してください。
控除額とは、給与から差し引かれる税金や社会保険料のことです。
雇用保険料、社会保険料、介護保険料などが支払われます。
税金は、所得税が源泉徴収によって天引きされ、住民税も給与から差し引かれます。
アルバイトで注意すべき税金制度
ここでは、アルバイトをしている人が知っておくべき、税金に関係する制度を紹介します。
制度を知らないことで損をすることもあるため、確認しておきましょう。
年収103万円を超えると親の扶養からはずれる
扶養控除とは、家族を養う方の納税負担を、養う家族の人数に応じて軽くする制度です。
アルバイトで所得を得ていても、その額が一定以下であれば親の扶養家族となり、扶養控除の対象になります。
扶養控除には、住民税と所得税の控除に関する税制上の扶養と、健康保険や年金など社会保険上の扶養の2種類があります。
税制上の扶養とは、扶養家族の年収が103万以下の場合、親が所得控除を受けられる制度です。
そのため、年収が103万円を超えると親側は扶養控除を受けられず、納税負担が増える可能性があります。
社会保険上の扶養とは、会社員である扶養者の健康保険や厚生年金保険などの社会保険の扶養に、被扶養者が入る場合のことです。
給与収入が130万円未満で、被保険者の年収を上回らないことが条件です。
確定申告や年末調整でお金が戻る可能性もある
月収が8万8,000円を超えると、源泉徴収として所得税が天引きされます。
しかし、アルバイトを辞めることで月収が下がったり、他に所得控除がある場合、天引きされた金額が本来支払うべき金額より多くなってしまう場合があります。
払い過ぎた税金は、年末調整や確定申告を行うことで返還を受けることが可能です。
年末調整の手続きは主に会社が、確定申告の手続きは自分で行います。
年末調整のためには、会社から案内のある「給与所得者の扶養控除等(異動) 申告書」と、受ける控除の証明書を提出しましょう。
書類をもとに勤務先が再計算し、翌月以降の給与で清算する仕組みです。
確定申告について詳しく知りたい方は、次のリンクを参照してください。
勤労学生控除で控除額が広がる
勤労学生控除という制度を利用すると、控除額が増え、課税対象を減らすことができます。
勤労学生控除とは
勤労学生控除とは、アルバイトをする学生が一定の条件を満たすと受けられる所得控除です。
勤労学生控除を受けるには、以下の3つの条件があります。
- 給与所得があること
- 法律で認められる特定の学校の学生であること
- 所得の総金額が65万円以下かつ給与所得以外の所得が10万円以下、給与収入のみの場合130万円以下であること
これら条件を満たせば、年収から所得税として27万円、住民税として26万円が控除されます。
ただし、勤労学生控除が認められ、年収が103万円を超えた場合には、扶養控除の対象外になるため注意が必要です。
勤労学生控除には年末調整が必要
勤労学生控除を申請するためには、年末調整が必要です。
手続きとしては、働いている学生が給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に必要事項を記入のうえ提出します。
勤務先で年末調整を行わない場合は、確定申告を行う必要があります。
確定申告で勤労学生控除を申請する場合、学校で発行された証明書が必要です。
アルバイトの税金制度を知って効率的に働こう
アルバイトをして得た給与に対しても、年収が一定額を超えた場合は税金が課せられます。
しかし、稼ぐ金額を調整することで、課税されない範囲内に抑えたり、課税額を減らすことができます。
扶養や年末調整などの仕組みも理解したうえで、効率的な働き方をめざしましょう。