働き方の一つとして、派遣社員という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。
とはいえ、派遣社員の詳細については知らない人もいるかもしれません。
この記事では、派遣社員とは何か、定義や種類、正社員との違いをわかりやすく解説します。
また、派遣社員として働くメリットやデメリット、よくある質問も紹介するので、派遣社員に興味がある人はぜひ参考にしてください。
目次
派遣社員とは?
ここではまず、派遣社員がどういうものかを知るために、以下の4つを解説します。
- 派遣社員の定義
- 派遣社員の種類
- 派遣社員と正社員の違い
派遣社員の定義
派遣社員とは人材派遣会社と雇用契約を締結し、実際に働く企業に派遣されて働く人のことです。
人材派遣会社が派遣元になり、実際に働く企業が派遣先になります。
雇用契約はあくまで派遣会社と結ぶことになるため、給料の支払いや福利厚生は派遣会社が行います。
派遣先が派遣元に人材を外注していると考えると、わかりやすいでしょう。
派遣社員の種類
派遣社員には、以下の3つの種類が存在しています。
- 登録型派遣
- 常用型派遣(無期雇用派遣)
- 紹介予定派遣
どのような違いがあるのか、一つずつ見ていきましょう。
登録型派遣
まず、登録型派遣では派遣会社が派遣社員として働いてくれる求職者の登録を行います。
そして、派遣会社が登録者から派遣先に合う人材を選び、派遣先企業と契約を結びます。
派遣会社と求職者の雇用契約は派遣先が決まってから締結され、それまでは派遣社員ではなく登録者という扱いです。
派遣先との契約期間が終了すると、派遣会社との雇用契約も満了となります。
また次の派遣先が決まることで、再度派遣元と雇用契約を結べます。
常用型派遣(無期雇用派遣)
常用型派遣は無期雇用派遣とも呼ばれており、派遣会社と労働者が無期限で雇用契約を結ぶ仕組みです。
派遣会社の派遣社員募集に応募して、選考を通過することで、常用型の派遣社員になれます。
派遣先との契約が終了しても、登録型派遣のように派遣会社との雇用契約が満了になることはありません。
派遣先との契約が終了したあとも、派遣会社はすぐに次の派遣先を探してくれます。
また、派遣先が決まっていない状態でも毎月給料が支払われるため、収入が途切れることなく、安定した生活を送れるのが特徴です。
紹介予定派遣
紹介予定派遣とは、派遣会社と派遣先の契約終了後に、派遣社員が派遣先で正社員または契約社員になることを前提としている派遣契約です。
正社員または契約社員になるには、本人と派遣先の同意が必要となります。
紹介予定派遣の派遣期間は、最長で6ヵ月と短いのが特徴です。
場合によっては6ヵ月以内に正社員になることもできます。
登録型派遣や常用型派遣では同じ職場で働き続けられませんが、紹介予定派遣では契約を変えて長く働き続けることができるのがポイントです。
派遣先と労働者が「試用期間」のように互いを知り、それぞれが働き続けたい・続けてほしいと思ったときに契約移行が実現する、メリットの大きい雇用形態といえます。
派遣社員と正社員の違い
派遣社員と正社員の大きな違いは、雇用主です。
前述したように、派遣社員は働く会社ではなく派遣会社と契約を結びますが、正社員は働く会社と直接契約を結びます。
そのため、正社員は正規雇用、派遣社員は非正規雇用と分類されます。
また、派遣社員と正社員は、給与面でも違いがあるのが特徴です。
正社員の給料は月給制でボーナスや退職金制度などがあることが多く、昇給制度が用意されていることもあります。
しかし、派遣社員は時給制が一般的で、ボーナスや退職金制度がないことが多いです。
ただし、契約内容によっては派遣社員にボーナスが支給される可能性もゼロではないため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
派遣社員と正社員の違いについてより詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
派遣社員で働くメリット・デメリット
派遣社員として働くうえで、メリットやデメリットが気になる人もいるでしょう。
それぞれ見ていくので、派遣社員に興味がある人はぜひ参考にしてください。
メリット
派遣社員として働くメリットは3つあります。
1つ目は、ワークライフバランスを保てることです。
勤務時間や期間、勤務地など、自分のライフスタイルに合わせて働くことができ、働き方が自由に選べるので自分の好きなことにも時間を費やせます。
2つ目はスキルやキャリアを存分に活かせることです。
派遣社員であれば、正社員として入社するのが難しい人気の企業や大企業でも、自分のスキルやキャリアを活かしながら働くことが可能です。
3つ目としてサポート体制が整っていることもメリットでしょう。
派遣会社にはパソコンスキルやビジネスマナーなどの研修が用意されていることが多く、スキルアップできるのが魅力です。
派遣会社の担当が相談に乗ってくれるなど、サポートも体制が整っているため、安心して仕事に集中できます。
デメリット
派遣社員として働くデメリットは2つあります。
1つ目は雇用や収入が不安定なことです。
派遣社員が働けるかどうかは派遣会社と派遣先の契約によって決まり、契約満了後はまた一から探さなければなりません。
2つ目は責任のある仕事が少ないことです。
派遣社員は契約に則った仕事のみを行うため、裁量で仕事をすることができません。
また、派遣先からすれば派遣社員は他の会社の社員であるため、重要な仕事は任せてもらえない可能性もあります。
派遣社員のデメリットについてより詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
派遣社員に関するよくある疑問
最後に、派遣社員に関するよくある質問として、以下の2つを紹介します。
- 派遣社員の給与はどれくらい?
- 派遣社員として働く人はどの年代が多い?
派遣社員の給与はどれくらい?
厚生労働省の令和2年度労働者派遣事業報告書の集計結果によると、派遣労働者の賃金(8時間)は15,590円という結果でした。
時給にした場合、1,949円となります。
日本で最も高い最低時給は東京都の1,072円であるため、最低時給よりは大幅に高いことがわかります。
時給1,900円で月に20日間働くと月給は304,000円であり、年収にすると3,648,000円です。
日本人の平均給与は443万円のため、それに比べると低いといえるでしょう。
派遣社員の年収について詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
派遣社員として働く人はどの年代が多い?
厚生労働省によると、平成29年度の派遣社員の年齢層は以下のとおりです。
年齢層 | 15~19歳 | 20~24歳 | 25~29歳 | 30~34歳 | 35~39歳 | 40~44歳 | 45~49歳 | 50~54歳 | 55~59歳 | 60~64歳 | 65歳以上 |
総数 | 0.2 | 6.2 | 11.3 | 13.0 | 13.5 | 16.5 | 13.1 | 9.5 | 5.7 | 4.7 | 6.0 |
年齢階級別にみると「40~44歳」の割合が16.5%と最も高く、「35~39歳」「45~49歳」の順に高くなっています。
男女別に見た場合は、男女ともに「40~44歳」が最も高くなっており、男が「15.0%」、女が「18.0%」です。
派遣社員の年齢層についてより詳しく知りたい方は、次の記事を参考にしてください。
派遣社員の特徴を理解して派遣会社に登録しよう
派遣社員は派遣会社と契約を結び、派遣先で働きます。
派遣社員には「登録型派遣」「常用型派遣(無期雇用派遣)」「紹介予定派遣」の3種類があります。
それぞれの特徴を理解すれば、自分に合う働き方が見つかるでしょう。
また、派遣社員にはメリットとデメリットの両方が存在しています。
しっかりと理解したうえで、派遣会社に登録しましょう。