就職・転職時の面接の入退室は、第一印象にもつながるとても重要なポイントです。
間違った方法で入退室をしてしまうと、対策ができていないまたはマナーがなっていないなどマイナスな印象を与える可能性が高いです。
そこで今回の記事では面接時の入室・退室の方法や面接官が見ているチェックポイントなどをまとめました。
就職または転職で面接を控えている方や、入退室マナーを振り返りたい方には特におすすめです。
目次
【就職・転職時の面接】入室時の基本的な流れ
就職・転職時の面接の入室時は、大きく5つのステップがあります。
詳細は次のとおりです。
- 呼ばれたらノックする
- 「どうぞ」と言われたら「失礼いたします」と入室
- 面接官に対してお辞儀する
- 椅子の前まで移動し、名前を言う
- 着席する
今回は、各ステップの詳細や注意すべき点をまとめました。
呼ばれたらノックする
まずは、ドアを3回ノックします。
面接はドアをノックする段階から始まっていると考えて、気を抜かずに行うのが大切です。
ドアをノックするときには、焦る必要はありません。
ドアを焦ってノックすると、回数を間違えたり強く叩いたりする可能性があります。
あくまでも落ち着いてゆっくり行うことを意識してください。
ドアがないまたはすでに開いている場合には、わざわざノックする必要はありません。
「どうぞ」と言われたら「失礼いたします」と入室
ドアをノックしたら、部屋のなかから声をかけられます。
面接官から「どうぞ」と言われたら、「失礼いたします」といってからドアを静かに開ける形です。
「失礼します」と「失礼いたします」はどちらも同じ意味ですが、面接時に使うなら後者の方がより丁寧な表現でおすすめです。
また、面接時には2つの動作を同じタイミングで行わないように注意する必要があります。
ドアを開けながら挨拶をするのは、NGです。
面接官に挨拶をするタイミングとドアを開ける動作は、あくまでも別々に行うことが大切です。
また、ドアを閉めるときには後ろ手で行わないでください。
面接官にできるだけ背中を見せないようにしながら、ドアを開けたときの手と反対の手でドアノブを握り、もう一方の手も添えて両手で優しく閉じます。
面接官に対してお辞儀する
入室したら、面接官に対して向き直って、アイコンタクトを取りながら口角を上げ、笑顔でお辞儀をします。
お辞儀をするときには大きな変化はないものの、「よろしくお願いいたします。」と添えるのも問題ありません。
お辞儀をするときには、角度が重要です。
就職・面接時のお辞儀の角度は、30度を意識してください。
お辞儀をする際には、背筋をピンと伸ばした状態でゆっくり行うのがおすすめです。
きれいな姿勢が保たれた状態で行うと、見栄えがよくなります。
お辞儀には、言葉とお辞儀を同時に行う「同時礼」と、言葉が先であとからお辞儀をする「分離礼」があります。
面接の際は、分離礼のほうが、より丁寧な印象を受けます。
その際、アイコンタクト→挨拶の言葉→お辞儀→アイコンタクトの順で行うと良いでしょう。
上体を倒したら、いったん停止し、倒す速度よりもゆっくり起こすと、より丁寧なお辞儀になります。
椅子の前まで移動し、名前を言う
お辞儀をし終わったら、用意された椅子の横に移動します。
椅子の横に移動できたら、すぐに着席するのではなく姿勢を正した状態でそのまま待機する形です。
そして、「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇(フルネーム)と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」と挨拶をします。
新卒者の場合は「本日はお時間をいただき、ありがとうございます。〇〇大学から参りました、〇〇学部〇〇学科〇年生の〇〇と申します。どうぞよろしくお願いいたします。」と挨拶をすると良いでしょう。
挨拶をしたら、ゆっくりとお辞儀をしてください。
お辞儀の角度は45度で、入室時よりも深めです。
また、入室時と同様に笑顔で面接官とアイコンタクトを取りながら、分離礼で挨拶をしましょう。
着席する
挨拶が終了すると、面接官から着席を促されます。
「失礼いたします」と答えてから、軽くお辞儀をして椅子に座ります。
着席時にするお辞儀の角度は15度 で、入室時や最初の挨拶をするときよりも浅めです。
鞄を持っているときに勝手に置くのはNGです。
基本的には座っている椅子の横に、荷物置きがある場合は指定位置に置く必要があります。
コートがある場合は、畳んだ状態で鞄の上にそっと置きましょう。
コートはあらかじめ待機室にいた段階で脱いで畳んでおくのがおすすめです。
椅子に座るときは、体勢に十分注意してください。
背筋をピンと伸ばした状態のまま、椅子には浅く座って背もたれには寄りかからないようにしましょう。
男性は足を肩幅程度に開き、手を軽くこぶしにして膝の上に、女性は膝を閉じ、右手を下にして左手を重ねて膝の上に置きましょう。
シチュエーションごとに解説!入室時のポイントをご紹介
面接の入室は面接官と最初に顔を合わせるタイミングで、第一印象にも関わる大切なポイントです。
良い印象を与えられるように入室の手順や流れなど、基本的な部分をしっかり押さえておく必要があります。
今回は、シチュエーションごとに大きく3つのポイントをまとめました。
詳細は次のとおりです。
- 入室前
- ドアの開け方
- 部屋の入り方
各ポイントの詳細を解説します。
入室時に面接官がチェックしているポイントも解説するのでご覧ください。
入室前のポイント
面接を成功させるなら、入室前のイメージトレーニングが大切です。
ドアをノックするところから着席、退席までの一連の流れを想像して頭の中を整理します。
緊張で落ち着かないときにも、面接の流れや話すことを想像するだけでリラックスにつながります。
また、入室前には必ず服装や髪型の状態を確認するのが大切です。
コートを着ている場合は、脱いで畳んだ状態で待機します。
今回は、入室前のポイントを大きく2つ紹介します。
詳細は次のとおりです。
- 待機中も気を抜かない
- 名前を呼ばれたら速やかに返事をする
各ポイントの詳細をまとめました。
待機中も気を抜かない
面接は、面接会場に到着した瞬間からスタートしています。
別室で面接開始時間まで待機している間も見られていると考え、常に身だしなみや姿勢を正しておくことが大切です。
待機中だからといって他の就活生と話したり、スマートフォンを触ったりするなどの行為はマナー違反に該当します。
採用担当者が見てみて、マイナスな評価を受ける可能性もあるので注意が必要です。
スマートフォンの電源は、面接会場に到着してから面接が終了して会場の外に出るまでは、極力切っておくと良いでしょう。
また、コートを着ている場合は、面接会場の建物の入り口で脱ぎます。
脱いだコートは裏返しにして畳み、腕にかけて持ちましょう。
名前を呼ばれたら速やかに返事をする
面接開始時間になると、順番に名前を呼ばれます。
自身の名前が呼ばれたら「はい!」と返事をして、面接を行う部屋に向かう流れです。
いつ名前が呼ばれても良いように、荷物は常にまとめて持っておくのがおすすめです。
また、面接当日は遅れないように5分前行動を心がけてください。
万が一忘れ物をして自宅に戻ったり電車が遅れたりしても間に合うように、余裕のある行動を意識することが大切です。
ただし、あまりに早すぎる行動はNGなので、時間調整には十分注意する必要があります。
早めに到着した場合は、約束の時間まで外で待ってから、5分前に受付に伺うようにしましょう。
ドアの開け方のポイント
実は、ドアの開け方には状況に合わせてさまざまなパターンがあります。
ドアの様子は、直接面接会場に足を運んだ人物にしかわかりません。
どのような状況でも慌てずに入室するなら、状況別のドアの開け方を知っておくことが大切です。
今回は、ドアの開け方を大きく5つの状況別に紹介します。
詳細は次のとおりです。
- 開き戸の場合
- 自動で閉まる場合
- 引き戸の場合
- ドアが開いている場合
- ドアがない場合
各ポイントの詳細や方法などをまとめました。
開き戸の場合
面接室のドアが開き戸の場合は、ドアノブがある位置とは逆側の手で開きます。
ドアノブが右側にあるなら左手で、左側にあるなら右手を使ってドアを開ける形です。
持ち方を間違えると開けにくくなるので、注意が必要になります。
また、大きな音を立てないように静かにゆっくりと開け閉めを行ってください。
特にドアを閉める際には、しっかりと閉まったことを確認するまで手を離さないようにしましょう。
両手を添えると、より静かに閉めることができます。
自動で閉まる場合
面接室のドアが自動で閉まるタイプであっても、最後までしっかりと握ることが大切です。
途中で手を離すと大きな音が出たり、印象が悪くなったりする恐れがあります。
ただし、面接官からドアの開閉について何らかの指示があった際には従う形が望ましいです。
ドアの状態は面接当日までわからないので、さまざまな状況に対応できるように準備しておく必要があります。
また、スライド式のドアでは開き戸と同様に取っ手がある位置とは逆側の手で開きます。
引き戸の場合
面接室のドアが引き戸の場合、開け閉めの方法は開き戸やスライド式ドアと同様です。
取っ手が右側なら左手で、左側にあるなら右手を使ってゆっくり入室します。
手を離すと大きな音がでるため、最後まで取っ手を持った状態で慎重に閉めることが大切です。
閉める際には、後ろ手にならないように注意が必要になります。
面接官にお尻・背中を向けないようにやや斜めに立った状態で、ゆっくりドアを閉めます。
ドアが開いている場合
面接室のドアが開いている場合は、部屋の前で一度止まります。
「失礼いたします」と挨拶をしたうえで、入室する形です。
勝手に入ったりドアをノックしたりする行為は、マナー違反です。
ドアが開いているなら、入室時も開いたままの状態で基本問題ありません。
自分でわざわざ閉める必要はありませんが、どうしても気になる場合はこちらから尋ねてみるのも良い方法です。
また、ドアが開いていたとしても面接は堂々とはっきり受け答えするのを意識してください。
恥ずかしがって声が小さくなるのは、面接官にマイナスな印象を与える可能性があります。
ドアがない場合
面接室のドアがない場合は、一度部屋の一歩手前で立ち止まります。
「失礼いたします」と挨拶を終えてから、入室する形です。
勝手に入室するまたはわざとノックする動作を行うのは、面接官に対しマイナスな印象を与える可能性があります。
また、入室した際にもわざとドアを閉める動作を行う必要はありません。
お辞儀をしてから、ゆっくりと椅子の横または後ろに立ちます。
部屋の入り方のポイント
面接部屋への入り方を確実に成功させたいなら、面接会場において外せないドアの開閉やお辞儀の深さに注目してください。
今回は、面接部屋への入り方に関する2つのポイントを解説します。
詳細は次のとおりです。
- ドアの閉め方
- お辞儀の角度は30度
各ポイントの詳細をまとめました。
いくら面接の話し方が良くても、部屋への入り方・マナーがなっていないと良い評価が得られる可能性が低くなります。
ドアの閉め方
入室してドアを閉める際は、面接官にお尻を向けないように斜めに立ち直します。
両手でドアノブを持ち、音を立てないようにそっと閉めてください。
面接官にお尻・背中を向けるのは失礼なので、注意が必要です。
ドアを閉めようと完全に向き直ってしまうとお尻・背中を向けてしまうので、やや斜めに立つのを意識します。
また、ドアを閉めるときには後ろ手で閉めるのもNG行為です。
入室したら、ドアから斜めの位置に立ち両手を使って丁寧に閉めます。
お辞儀の角度は30度
お辞儀の角度は30度で、腰からしっかりと曲げるのを意識します。
首から腰までが一直線になるように、背筋を伸ばしながらゆっくり曲げていくのが大切です。
顔を前に出したり首が下がったりしないように注意してください。
また、お辞儀は、言葉を先に発してからお辞儀をする分離礼がより丁寧な印象を受けますので、分離礼でするように意識しましょう。
お辞儀の際、角度や姿勢以外に注意すべきなのが手と足の状態です。
手は指先までピンとまっすぐ伸ばした状態で男性はズボンの脇線に沿わせると、見た目がすっきりして格好よく見えます。
女性は右手の上に左手を重ねて軽く体の前で組みましょう。
また、男性はかかとをつけ、つま先を握りこぶし2つ分程度開いて立ちます。
女性はかかとをつけ、つま先も閉じた状態で立ちましょう。
入室時に面接官が見ているポイント
入室時には、面接官からどう見られたいかを意識するのが大切です。
面接の入室時では、以下のようなポイントが見られています。
- ノックのタイミングと強さ
- 挨拶する時の声の大きさやスピード、トーン、テンポ、聞き取りやすさ、表情
- 態度、しぐさ、目線の配り方
- 姿勢
- 身だしなみ
- 入室から着席までに基本的なマナーやルールが守られているか
入室時の流れから服装、表情までさまざまな部分がチェックされています。
面接の練習をする際には、意識しなくてもできるようになるまで繰り返し行うことが大切です。
入室の流れがすべて終われば、あとは面接に集中するのみです。
面接の退出時の正しいマナー
面接が終了し退出するときにも、正しいマナーを守る必要があります。
大きく3つのマナーを守りながら、面接場所を退出しましょう。
詳細は次のとおりです。
- 面接が終わったら椅子の横に立ってお辞儀する
- 最後の挨拶もきっちりと
- 面接が終わっても気を抜かない
各マナーの詳細をまとめました。
面接が終わったら椅子の横に立ってお辞儀する
面接が終了したら、座った状態のまま面接の機会をくれたことに対する感謝の気持ちを込めて、「本日はお時間をいただき、ありがとうございました」とお礼を述べてお辞儀をします。
お辞儀をし終わったら、座っていた椅子の横に立ちます。
ピンと背筋を伸ばした正しい姿勢を心がけてください。
姿勢を整えたら、最後にもう1度面接官に対し45度の角度でお辞儀をします。
お礼は着席した状態のときに伝えているため、このタイミングで言う必要はありません。
最後の挨拶もきっちりと
ドアの前まで移動したら、最後の挨拶を面接官に言います。
「失礼いたします」と伝えて分離礼でお辞儀をした後、ドアを開ける形です。
また、ドアを閉めるときには静かにゆっくり閉めることが大切です。
勢いよく閉めたり途中で手を離したりするのは、おすすめできません。
集中力が切れてしまった、または退室時の流れ・マナーが理解できていないと、マイナスな印象を与える可能性があります。
面接が終わっても気を抜かない
面接は、自宅へ戻るまでは終わっていません。
面接が終わったからといって、部屋を出てすぐに気を抜いてしまうのは絶対にNGです。
面接会場では、いつどこで誰が見ているかわかりません。
場所によっては、出口まで担当者が案内してくれることもあります。
また、受付で対応してくれた社員に、面接を受けた学生の印象を尋ねることもあります。
気が抜けた状態を見られてしまうと、悪い評価につながる可能性は高いです。
最後までミスなく良い印象を残すなら、面接官以外にも注意を配りながら行動するのがおすすめです。
転職・就活の面接時は部屋の入り方を意識しよう
面接では実際に話す内容が重要に思われがちですが、入室・退室の方法も見られています。
入室・退室時に正しい方法がなされていないと、マイナスな評価につながる可能性は高いです。
入室・退室の方法は事前に対策が取れるので、面接への本気度を疑われてしまう恐れもあります。
話す内容だけに注目するのではなく、入室・退室時の方法・正しいマナーの理解も大切です。
特に、退室時には面接が終了したのでつい気が抜けてしまうケースもあります。
ドアを閉める最後の最後まで緊張感を持った行動を意識してください。