面接で挫折経験を聞かれたとき、どのように答えるのが望ましいのでしょうか。
大切なのは、その挫折を通していかに成長できたかをアピールすることです。
しかし大きな挫折の思い出が特になく、話すエピソードに困る方もいるかもしれません。
この記事では、就活生が挫折経験を聞かれたときの対処法や、エピソードを通して企業がチェックしているポイントを解説します。
答え方の例文も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
面接で挫折経験を聞かれるとき何を見られているか
学生時代のエピソードを通して企業が確認したいことは、以下のような点です。
- 困難にどう立ち向かうか
- 失敗のとらえ方
- ストレス耐性の有無
- 意欲的に取り組んだ経験はあるか
- 就活生の苦手分野
受け答えの際に意識したいポイントをそれぞれ詳しく紹介します。
困難にどう立ち向かうか
失敗や苦労をしたときに、自分なりに乗り越えようと努力するかをチェックされます。
入社したばかりの頃は覚えることも多く、さまざまな困難も立ちはだかるでしょう。
そのようなときでも冷静に判断し、原因を分析して対処法を考えるスキルは社会に出るうえで欠かせません。
企業は目の前の就活生が困難にぶつかったときにどのような努力をするのか、学生時代のエピソードから判断します。
面接では自分の体験をわかりやすく、かつ論理的に相手に伝えることが重要です。
仕事で失敗しても次に活かせるか
失敗をして終わるのではなく、失敗から学んだことを次に活かそうとする姿勢があるかを面接官は見ています。
仕事をするなかで誰しもいつかはミスをするものです。
重要なのは、ミスをきちんと反省して挽回のために行動することといえます。
面接では挫折した体験に加えて、経験から何を学んだのかまで話しましょう。
失敗を繰り返さないように意識したことや、そのあとの行動まで面接でアピールできるとベストです。
ストレス耐性はあるか
社会人になると学生の頃よりも責任がともなうため、ストレスを感じる場面も増えるかもしれません。
責任感が強いのは良いことですが、そのストレスに耐えきれない人は、採用してもすぐ辞めてしまうと思われるでしょう。
企業側はできるだけ長く働いてくれる人材を求めています。
このため、ストレス耐性があるかどうかは採否を決めるうえで重要なポイントです。
挫折したものの、諦めずに粘り強く立ち向かった経験を伝えられると良い印象を残せるでしょう。
意欲的に取り組んだ経験があるか
自ら意欲的に全力で物事に向き合わなければ、挫折や悔しい経験はしません。
挫折とは、何かに一生懸命取り組んだからこそ生じるものです。
面接官は応募者の挫折経験を聞くことで、仕事にも真剣に取り組んでくれそうか、情熱を持って業務に励んでくれるかをチェックしています。
受け答えの際は、失敗した経験だけではなく、熱中していたエピソードを交えて話してみましょう。
目標意識や向上心もアピールするとさらに好印象を与えられます。
就活生の苦手分野
挫折の経験はできればしたくありませんが、回避できないこともあります。
特に自分が不得意な分野では、どれだけ努力をしても報われない例はあるものです。
よって企業は、エピソードから就活生の苦手分野を見抜こうとします。
自社とマッチするかを見極めている場合もあれば、人材配置を決める際の参考にする場合もあるでしょう。
苦手分野を無理に隠すより、自分なりに立ち向かった経験を話すことで企業が適性を判断してくれる可能性もあります。
挫折経験がない場合の面接の対処法
挫折した経験がどうしても思い浮かばない方は、過去を振り返り、努力したことや苦労したことを探してみましょう。
面接で話すことがないと困らないように対処法をご紹介します。
過去を振り返る
自分史を作成するなど、過去の思い出を振り返ってみましょう。
高校や大学に入ってから体験したことなどを思い出してみると、意外と話せる出来事があるかもしれません。
自分では「これは挫折とはいえない」と思い込んでいるだけで、魅力的なエピソードが埋もれている可能性もあります。
学校内での思い出だけでなく、習い事やアルバイトなども含め過去を洗い出しましょう。
友人の意見も参考にすると、自分だけでは気付けなかったことが見つかるかもしれません。
努力した経験を思い出す
努力した経験からも、エピソードとして話せる要素が見つかることがあります。
- 諦めそうになったこと
- 時間をかけて取り組んだこと
- 今できるようになったこと
たとえ些細なことでも、結果的に成功したのであれば、そこに結びつくまでにさまざまな努力があったはずです。
どうしても思い浮かばない場合は、諦めずにがんばった経験をピックアップして話すのも一つの方法といえます。
苦労したことを思い出す
挫折にこだわるのではなく、ストレスを感じた経験や困難に思えた出来事を探すのもおすすめです。
困難を乗り越えようとしたときに挫折を感じたり、諦めかけたりした経験がないか考え直してみましょう。
挫折という言葉を重く考えすぎず、自分にとっての苦労や負担に感じていたことを振り返ってみてください。
挫折経験を面接で伝えるときのポイント
上記でも触れたとおり、挫折経験を聞かれたときはエピソードだけを話すのではなく、そこから何を学び自分がどう成長したかまで話すことが重要です。
面接で受け答えをするときのポイントを確認しましょう。
挫折した経験だけを話さない
諦めてしまった事実だけを話すと、面接官への印象を悪くしかねません。
トラブルが起きても何も行動せず、すぐに諦めてしまう人だと思われる恐れがあります。
面接によっては質問に対する回答時間が決まっていることも多く、失敗したエピソードだけに時間を使いすぎてはいけません。
伝えたいポイントを意識したうえで話の構成を組み立ててみてください。
経験から何を学んだかをアピール
挫折したエピソードだけでなく、以下の内容までしっかりアピールすることが大切です。
- 何を学んだか
- 失敗をどう活かすか
- 成長できたこと
困難な出来事に直面し、落ち込んで何もできなかったことを伝えても評価にはつながりません。
挫折から学んだことを志望する会社の業務と関連づけて伝えられると、入社意欲が伝わります。
あまりにプライベートな内容は避ける
ビジネスと関係が薄い個人的な話をするのは避けたほうが良いでしょう。
例えば片思いや失恋などの恋愛の話は、面接においては不相応です。
もちろん失恋でつらい思いをしたことで、今後の対人関係に活かせることもあります。
しかし、プライベートの悩みを職場に持ち込む人だと感じさせてしまうかもしれません。
同様に家庭での悩みなども選ばないほうがベターです。
面接でこの質問がされる意図を汲み取り、適切なエピソードを選びましょう。
面接向け「挫折経験」の例文
就活をしている方向けに、挫折経験を聞かれた際の例文をカテゴリごとにご紹介します。
ポイントも併せて解説しているので、返答を考える際の参考にしてみてください。
部活動
部活動の経験を面接で話す際は、以下のようなエピソードが考えられます。
- 優勝をめざしていたが敗れた
- 怪我で試合に出られなくなった
- レギュラーに選ばれなかった
ここでは怪我をしたケースの例文を見てみましょう。
私の挫折経験は、野球部に所属していたとき怪我で試合に出場できなくなったことです。
悔しい気持ちでいっぱいでしたが、この期間を利用して、医師や顧問の意見を参考に練習メニューを変更しました。
そのおかげでトラブルに遭ったときの対応力や、諦めない力が身についたと思います。
また、雑用や選手のサポートなどを積極的に行っていた結果、3年生ではキャプテンに任命されました。
怪我をしても諦めなかった経験がある方、裏方として仲間を支えていた方は積極的にアピールしましょう。
この例文の場合、応用力や忍耐力、リーダーシップなど仕事でも活かせることも伝えられています。
受験
大学受験のエピソードを話すのは問題ないものの、就活生のほとんどは通った道です。
挫折経験としてアピールする場合、差別化をはかりましょう。
第一志望の大学に行けなかったことが私の挫折経験です。
毎日10時間は勉強をしていたので非常に悔しかったですが、入学した大学ではトップの成績を残そうと決意しました。
アプリなども利用し学習管理をしながら、自分なりに学業へ励んだ4年間だったと思います。
結果、GPAの平均2.5とされている大学で3.8とほぼ「優秀」の評価で単位を取得できました。
優秀な成績を修めるための工夫や努力したことを交えつつ、実際の成績も話すことで有言実行の姿勢をアピールできます。
浪人経験がある方はそれを逆手に取って、ストレス耐性や精神力を伝えるのも一案です。
アルバイト
アルバイトについての経験を話す際は、目標数値や新人教育のエピソードがあると入社後のイメージが想像されやすくなります。
私がアルバイトを始めて1年が経った頃、新人教育を任されました。
最初はうまく指導ができないことに責任を感じ、本当に自分にできるのか不安に思ったこともあります。
しかし人材指導に関する本で勉強したり、先輩方の力も借りたりしながら、無事業務を覚えてもらえたときには大きな達成感がありました。
知識を深めることの大切さと助け合うことのありがたみを感じた、忘れられない経験です。
困難にぶつかったときに実際に行った努力を話すことで、説得力が増します。
アルバイトで得た経験は就職後に活かせることも多いため、成果を積極的にアピールしましょう。
学業
学業に関して挫折しそうになったこと、人一倍がんばったことがあれば、そこに焦点を当てて話すのも手です。
私は病院実習で学んだことがなかなか実践できず、自分には向いていないのではと悩んだ時期があります。
しかし、看護師になる夢は諦められませんでした。
最初は遠慮していたものの、積極的に先輩に相談し、実習仲間と声をかけ合いながら乗り越えられたときは、とてもうれしかったです。
この経験から信頼を築くためのコミュニケーションのとり方や、周りと協力する大切さを学びました。
上記は実習があるケースですが、レポートや研究結果を挙げても良いでしょう。
状況と経緯が面接官に伝わるように意識してみてください。
面接で前職の挫折経験を話しても良い?
転職面接で挫折経験を聞かれた場合、前職の経験を話しても差し支えありません。
職種によって話す事柄は大きく変わりますが、ここでは営業職の例文をご紹介します。
前職の営業職では、入社して数ヵ月はなかなか新規顧客を開拓できず、課せられた目標には到底およびませんでした。
プレッシャーに押しつぶされそうになりましたが、上司に相談をした結果、行動量とヒアリングが足りないと指摘をいただきました。
それからは必要な架電の数を逆算して行動し、傾聴を重視しながら商談を進めた結果、2ヵ月後には目標数値に届きました。
このとき身につけた行動力とヒアリング力は、御社でも活かせるものと考えています。
次の職場でも活かせる内容をアピールすると、面接官も働く姿が想像しやすいでしょう。
面接では挫折経験から学んだこともアピールしよう
面接で、挫折した事実だけを淡々と話しても意味はありません。
挫折した経験から何を学び、今後にどう活かすのかを伝えることが重要です。
まずは過去を振り返り、面接官の印象に残るようなエピソードを準備しましょう。
問いかけに対する答えを事前にある程度考えておくことで、いざ本番で聞かれても焦らずに済みます。
希望する企業から内定をもらえるよう、過去の挫折を魅力に変えて堂々とアピールしましょう。